占い師と少女 マッドガッサー決戦編 05
○月×日 20:40
まだ「骨が溶けるコーラ」の契約者が他の都市伝説と戦っている頃――
「ひゃあっ、何ですかこれっ!?」
「ちょ、何だこのネズ公はよっ!?」
「ちょ、何だこのネズ公はよっ!?」
――私たちのいる購買は、ある種の阿鼻叫喚状態だった。
「……これを操っているのはハーメルンの笛吹き男、か。あいつは確かマッドガッサーの一味じゃなかったはずだが……」
「う、占い師さんも離れて見てないで助けて下さいよっ!」
「悪いな、さっき鼠が持ってるカメラを一台無力化したのはいいんだが、まだ他にもいるかもしれないからな」
「カメラより私たちの体の方が大事でしょうが!」
「う、占い師さんも離れて見てないで助けて下さいよっ!」
「悪いな、さっき鼠が持ってるカメラを一台無力化したのはいいんだが、まだ他にもいるかもしれないからな」
「カメラより私たちの体の方が大事でしょうが!」
体を登ってくる鼠は、払い落してもすぐにまた登ってくるのだ。
しかも体中をかじって攻撃をしかけてくる。
しかも体中をかじって攻撃をしかけてくる。
「うひゃぁっ! 変な所に入ってる、入ってる!」
「…………こりゃ、さすがにまずいか」
「…………こりゃ、さすがにまずいか」
やっと、カメラを探すのをやめる占い師さん。
「くそっ、マジでどうしようもねぇな、こいつらっ!」
「……大将、『戦争状態の購買』の能力で何とかならないのか」
「………………おおうっ。そういやあったな、そんなの」
「……大将、『戦争状態の購買』の能力で何とかならないのか」
「………………おおうっ。そういやあったな、そんなの」
ポン、と手を打つ。
「手を打つのはいいですから! 早く何とかしてくだ……うわひゃっ!」
「…………なぁ、兄ちゃん。これはこれで……」
「できないのなら俺がやるだけだが」
「へいへい……わぁったよ、ったく、これだけの数を操んのは面倒なんだがなぁ……」
「…………なぁ、兄ちゃん。これはこれで……」
「できないのなら俺がやるだけだが」
「へいへい……わぁったよ、ったく、これだけの数を操んのは面倒なんだがなぁ……」
大将が頷き、目を閉じる。
……ふと、その体が一回り大きくなったような気がした。
……ふと、その体が一回り大きくなったような気がした。
ちゅうちゅうちゅうちゅう…………
それと同時に、私の体を這い上がっていた鼠がするすると体から下りていく。
部屋の中にいた鼠も、走りまわるのをやめ大将を見上げていた。
部屋の中にいた鼠も、走りまわるのをやめ大将を見上げていた。
「そら、出ていきやがれ。もう来んなよ」
ちゅうちゅうちゅうちゅうちゅうちゅうちゅうちゅう
大将の声に従うように、鼠たちは競うように購買の外へと出て行った。
(…………助かった)
思わずへたり込んでしまう。
(…………助かった)
思わずへたり込んでしまう。
「……今の、ハーメルンの笛吹きに気付かれたと思うか?」
「何、あんだけ大量の鼠を完全支配すんのはどんな都市伝説でも基本無理ってなもんよ。ある程度は鼠の自主性に任せてるにちげぇねぇ」
「何、あんだけ大量の鼠を完全支配すんのはどんな都市伝説でも基本無理ってなもんよ。ある程度は鼠の自主性に任せてるにちげぇねぇ」
くっくっと笑う大将。
「俺の能力は支配するっつーより俺の思った方向に『促す』だけの能力だからな。気付かれる事はあるめぇ」
「そうか。……悪いな、手間かけさせた」
「なーに言ってんだよ、兄ちゃん。ここまで来ちまったんだ。どんどん使ってくれてかまわねぇよ…………ってことで、俺は観戦に戻るわ」
「そうか。……悪いな、手間かけさせた」
「なーに言ってんだよ、兄ちゃん。ここまで来ちまったんだ。どんどん使ってくれてかまわねぇよ…………ってことで、俺は観戦に戻るわ」
大将が、手をひらひらと振って入り口へと向かった。
やっと落ち着いた私と占い師さんも、透視での観戦に戻る。
やっと落ち着いた私と占い師さんも、透視での観戦に戻る。
『――――っておい、このままじゃまずいんじゃ?』
『ああ、包まれたらジリ貧だな。鼠たちと同じ目に遭う羽目になる』
『ああ、包まれたらジリ貧だな。鼠たちと同じ目に遭う羽目になる』
あの人たちの戦いも、いよいよ佳境に入っているようだった。