占い師と少女 マッドガッサー決戦編 04
※Tさん 「マッドガッサーと愉快な変態達:vsヤンデレ弟」のその後、占い師一行視点
○月×日 20:47
食堂前での戦いが始まってから十数分。
最後に戦っていた両者を閃光包み……閃光を操っていた都市伝説によって、「スパニッシュフライ」に操られていた少年は倒されたようだ。
これでマッドガッサー一味の戦力が減った事になる。
(……よかった)
最後に戦っていた両者を閃光包み……閃光を操っていた都市伝説によって、「スパニッシュフライ」に操られていた少年は倒されたようだ。
これでマッドガッサー一味の戦力が減った事になる。
(……よかった)
「あちらさん、もう決着がついたみてぇだぜ」
購買から顔を出し、覗いていた大将が戻ってくる。
「……これで一安心ですかね?」
「いや……そうでもないみたいだな」
「……え?」
「いや……そうでもないみたいだな」
「……え?」
相変わらず食堂の方を透視し続けている占い師さん。
私もそちらを見ようとして――
私もそちらを見ようとして――
「先程から視ているようだが、……誰だ?」
――その時、声が響いた。
「これ、って……私たちに向けられてますよね?」
「みたいだな。どうやらあいつら、こっちに気づいてたみたいだな」
「みたいだな。どうやらあいつら、こっちに気づいてたみたいだな」
透視をしてみると、あの都市伝説がこちらに手を向けていた。
……場合によっては、あそこからまた閃光が炸裂することになるのだろう。
……場合によっては、あそこからまた閃光が炸裂することになるのだろう。
「どうするんだ、兄ちゃん」
「さて、どうしたもんかな……。幸い、相手方に敵意はないみたいだが」
「……でも、どう見ても攻撃態勢ですよね、あれ」
「なに、本気で殺しに来るならすぐにでも攻撃してくるさ。こっちの存在に気付いたはいいが、こちらがどっち側なのかは分からない……そんな所だろう」
「さて、どうしたもんかな……。幸い、相手方に敵意はないみたいだが」
「……でも、どう見ても攻撃態勢ですよね、あれ」
「なに、本気で殺しに来るならすぐにでも攻撃してくるさ。こっちの存在に気付いたはいいが、こちらがどっち側なのかは分からない……そんな所だろう」
そこまで話した時、再び壁の向こうから声がした。
「壁を透視できたら、幸せだ」
「…………ちっ」
「…………ちっ」
占い師さんは軽く舌打ちをして、向こうに語りかける。
「こっちに敵意はない! そっちが攻撃しない限りこっちからも攻撃を仕掛けるつもりはないぞ」
「……ならどうして、壁にこちらの能力を阻害する『何か』がかけられてるんだろうな?」
「話し合いっつーのは顔を見てするもんだ。そちらさんからだけ俺たちが見えるってのは、何だか不公平だと思わないか?」
「………………」
「………………」
「……ならどうして、壁にこちらの能力を阻害する『何か』がかけられてるんだろうな?」
「話し合いっつーのは顔を見てするもんだ。そちらさんからだけ俺たちが見えるってのは、何だか不公平だと思わないか?」
「………………」
「………………」
2人の間に沈黙が降りる。
会話には参加していない向こうの私たちも、そして恐らく向こうの残り2人も、ひどく緊張していた。
……そんな均衡を、占い師さんが首を振って打ち消した。
会話には参加していない向こうの私たちも、そして恐らく向こうの残り2人も、ひどく緊張していた。
……そんな均衡を、占い師さんが首を振って打ち消した。
「……全く、こんなのは時間の無駄だろうに。分かった、俺たちは購買から出てあんたたちの前に行く。あんたたちはその物騒な能力で俺らを攻撃しない。それでいいな?」
「そっちが攻撃を仕掛けてこないという保証はあんのか?」
「……その声は契約者の方か? 最初に言っただろ。そっちが仕掛けてこない限り、こっちからも仕掛けるつもりはない」
「そっちが攻撃を仕掛けてこないという保証はあんのか?」
「……その声は契約者の方か? 最初に言っただろ。そっちが仕掛けてこない限り、こっちからも仕掛けるつもりはない」
そう言って、占い師さんが立ち上る。
(……いいんですか?)
そう目で合図を送る。確か、占い師さんは今回の騒動中に、できるだけ他の人や都市伝説との接触はしたくないはずだった。
(……いいんですか?)
そう目で合図を送る。確か、占い師さんは今回の騒動中に、できるだけ他の人や都市伝説との接触はしたくないはずだった。
「……仕方ないだろ。見つかった以上、下手に逃げればあいつらに敵だと思われる。これから先、またあいつらと会うかも知れない以上遺恨は残したくないからな……」
私たちだけに聞こえるようにつぶやき、占い師さんが私の手を引いて、立ち上がらせてくれた。
……ほんの30分程度前に同じ事をされたはずなのに、何だかそれから随分経ってしまったような気がする。
……ほんの30分程度前に同じ事をされたはずなのに、何だかそれから随分経ってしまったような気がする。
「もしあいつらが攻撃を仕掛けてきた場合はすぐに逃げる。大将も、いつでも能力を使えるようにしといてくれ」
「任しとけ。たったの3人なら、どんに強い都市伝説でも気をそらすくらいはできらぁ」
「任しとけ。たったの3人なら、どんに強い都市伝説でも気をそらすくらいはできらぁ」
立ち上がった大将と共に、購買の出口である扉に向かって歩き始める。
食堂前で戦っていた都市伝説達は最低限、マッドガッサーの敵ではあるはずだ。
敵の敵は味方……そんな法則が、ここでも生きてくれればいいんだけれど。
食堂前で戦っていた都市伝説達は最低限、マッドガッサーの敵ではあるはずだ。
敵の敵は味方……そんな法則が、ここでも生きてくれればいいんだけれど。