「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 花子さんと契約した男の話-05

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匿名ユーザー

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「~~~~♪」

 うきうき
 わくわく
 そんな擬音が聞こえてきそうな錯覚
 花子さんが、リュックになにやら色々入れて、せっせと準備している

「花子さん、弁当箱入れるスペース考えてるか?」
「あ、そっか!…えっと、えっと」

 …やっぱり、考えてなかったな
 俺は、小さく苦笑する

「そして、花子さん。そのおやつはちゃんと500円以内か?」
「白骨模型ちゃんと一緒に作ったおやつが含まれているから、材料費考えれば500円以内なの」

 む、狡猾な!?
 …まぁ、いいか
 高校の遠足は、そこまで煩くないもんだし

「……何やってるんだ?」

 もぞもぞ
 花子さんの様子に、突っ込みいれてくる不良教師
 いい加減、理科準備室でタバコ吸うのやめろや

「遠足の準備ですよ。明日ですから、遠足」
「遠足?…そうか、そう言や、そんな行事もあったな」

 クラス担任を持っていないこの不良教師は、どうやらその行事じたいを半分忘れていたようだ
 …それは、そうだ
 小学生の頃は、遠足といえばワクワクしたものだが…高校くらいになれば、そんな事もなくなってくる

「…で?何故嬢ちゃんが、お前の遠足の準備をしてんだ?」
「いや、俺は家で自分で準備してますよ」

 花子さんに手伝わせるなんて事はしない
 っつか、不良教師よ
 花子さんが今、色々つめているリュック、めちゃくちゃファンシーってか、ヌイグルミそのものなリュックサックだぞ
 俺がこんなもん背負うか
 背負えって言われても背負わんわ!!

「花子さんの荷物です」
「………?」

 ………
 やや、沈黙が、続く

「…まさか、嬢ちゃん。こいつの遠足に付いていくのか?」
「そうだよ!」

 ぴ!
 不良教師の問いかけに、元気に答える花子さん
 それはもう、キラキラした瞳で、一瞬の迷いも無い

「私は都市伝説だから、けーやくした相手にはずっと傍にいなくちゃなの。だから、遠足も憑いていくの!」
「ちなみに、そう言う名目で、小学校中学校共に修学旅行にも憑いてきてたからな、花子さん」

 うん、と花子さんは笑顔全開だ
 学校の都市伝説である花子さん
 俺と契約した事で、ある程度学校から離れることもできるようになって
 …学校の外への好奇心が、剥き出しなのだ
 傍にいなければ、と言うのも、半分くらいは言い訳だろう
 …実際、憑いてきてくれたお陰で助かった事もあるのはさておき
 俺と契約するまで、学校から出られなかった花子さん
 だからこそ、こう言う機会には、なるべく付いてこさせてやりたいとも思うのだ

「弁当どうする気だよ」
「白骨模型ちゃんと一緒に作るの!」
『はい、もう約束してますよ。材料もばっちりです』

 カタカタ
 音を鳴らしながら、白骨模型が紅茶を淹れてくれた
 毎度毎度、ありがたい
 …これで、入れ物がビーカーじゃなかったらもっとありがたいのだが

「遠足、楽しみだね、けーやくしゃ!」
「そうだな。ちゃんと照る照る坊主作っておけよ」
「うん!」

 キラキラ、キラキラ
 瞳を輝かせ続けている花子さん
 こんな様子を見ていると、歳相応の子供にしか見えず
 ……あんな、恐ろしい都市伝説たちと戦っている存在になど、とても見えない

 せめて、俺と契約している間だけでも
 …俺が、生きている間だけでも
 色んな所に、連れて行ってやりたい
 そう思うのは、自惚れか?
 自惚れでも構わない
 それが、俺が花子さんに対してやってやれる、数少ない事なのだから

「けーやくしゃ、お弁当のおかずとりかえっことかしようね!」
「そうだな~、ただし、誰かの視線がない時にな…宙に浮かぶおかずがふっと消えたように見えるとかそんな感じだからな、周りには」
「うん!今度はそんなヘマしないの!」

 小学生の時のウッカリ事件を思い出し、少し苦笑しつつも
 …明日の遠足楽しみだな、と、年甲斐もなく、考えたのだった


 平和な、放課後の風景
 無邪気な都市伝説と、その契約者の和やかな風景を見ながら
 不良教師は傍でコサックダンスしていた人体模型の頭部に、っじゅ、と吸っていたタバコを押し当てたのだった


終われ


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