「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 花子さんと契約した男の話-04

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 …「都市伝説」
 それは通常、恐怖の対象だ
 中には、願いを叶えてくれる、と言った優しい都市伝説も存在してはいるものの
 大抵の都市伝説とは、人々の恐怖より生まれる存在である

『HAHAHA、リボン演技なら自信があるで~!』
「わぁ、すごいすご~い!」

 きゃっきゃ
 無邪気な笑い声を上げている花子さん
 とりあえず、俺は手身近にあったバスケットボールを拾い上げ

「どぉりゃ!!!」
『あだぁっ!!??』

 ごがすっ、と
 自身の腸を引っ張り出し、新体操のリボン演技のような動きをすると言うグロイ上に気色悪い行動をとっていた人体模型に、思い切り投げつけたのだった

『何しはりますんや~、花子はんの契約者はん』
「黙れ。花子さんにグロいもん見せてんじゃねぇ!!」

 むしろ、俺に見せるな!
 また一週間くらい夢に見るわっ!?

「けーやくしゃ、どーして怒ってるの?」

 かっくん
 花子さんは、不思議そうに首を傾げてくる
 あぁ、花子さんも、外見はちみっことは言え都市伝説
 こう言う、グロい光景も平気なようだ
 …が、ぶっちゃけ、あんな光景を見て無邪気に喜ぶのはやめてほしい、ガチで

「先生よ、どうにかならんのか、あんたが契約した都市伝説。っつか、なんでこんなのと契約した!?」
「どうにもならん。そして、我ながら何故こんな変態と契約してしまったのか。正直後悔している」
『HAHAHA,冗談きついですわ~、旦那ぁ』

 気色悪い声をあげるな
 まったく、白骨標本の方は、こんな不良教師に勿体無いくらいのいい子だと言うのに
 …何故、この人体模型は変態変人なのだ
 「踊る人体模型」
 こいつは、そんな都市伝説らしい
 人体模型も白骨標本も、子供の視点から見れば、かなり不気味な存在だ
 人を襲う、という話こそあまり出なくとも、動くだけで怖いものだろう
 確かに、怖い
 内臓丸出しでしかもその内臓を器用に使って踊る姿は、ぶっちゃけヘタなホラー映画より怖い
 つか、グロいからやめれ、マジで

『まぁまぁ…その、彼も、場を和ませようとしてくれているだけだと思いますので…』

 あぁ、この白骨標本は本当にいい子だ
 ぶっちゃけ、人間だったらいいお嫁さんになれそうな子なのだ
 …うん、まぁ、骨だけど
 俺達は今、放課後の体育館に来ている
 以前、「1,2,3のピエロ」と戦った体育館だ
 あの時の戦いで壊れた場所も、ようやく補修されたのだが…

「その直後に新たな都市伝説登場とか、何このタイミング。ようやく体育館での体育授業再開されたってのに」
「…ま、今回はあまり壊れないといいな、と祈ろうや」

 この不良化学教師め、他人事のように言いやがって
 …確かに、今回はあまり壊れないといいな、と思う
 それと、同時に
 できれば、戦わずにすめばいいと考える

「…「自分の頭をボールにしている子供」…か」

 これも、よく聞く都市伝説だ
 夜、人気のない体育館で、ボールが跳ねている音がする
 体育館に行ってみると、一人の少年が、ボールを鞠のようについて遊んでいる
 暗い中、目を凝らすと…その子供には、頭が無い
 首から上が、ないのだ
 そして、さらによく見ると…その子供がついて遊んでいたのは、その少年の首だったのだ…!

 そんな、都市伝説
 何故、その少年は自分の首をついて遊んでいたのか?
 理由は諸説あるが、大抵、死んだ子供の幽霊、という説が強いようだ
 …だから、こそ 
 力づくでの解決は、あまりしたくないと思うのだが

「…まぁ、そう気を張るな」

 くしゃり
 不良教師が、乱暴にこちらの頭を撫でてきた
 きゃっきゃっ、と楽しげに遊んでいる花子さんと人体模型を見やる

「あちらさんが攻撃しかけてこなけりゃ、それなりの対処をするまでさ」
「……はい」

 都市伝説たち
 全てが悪意ある存在ではない
 中には、ただ寂しいだけ…と言う連中も存在する
 特に、子供の幽霊などと呼ばれる都市伝説は、それなりの対処をしてやれば、きちんと成仏してくれるパターンもあるのだ
 …そうなってくれればいい
 ただ、願わずにはいられない

『HAHAHA、わてはお手玉も得意なんやで~!』
「すご~い!!」
『じ、人体模型さん、内臓でお手玉するのはどうかと…』

 …………
 ひとまず、俺は引き続きグロい行動を続けている人体模型に、第二撃目を喰らわせるべく
 再び、転がっていたバスケットボールを手にとり、狙いを定めるのだった


 カチコチ、カチコチ
 …時計の針が、時刻を刻む
 カチコチ、カチコチ、カチコチ…
 ……っかち
 時刻は、真夜中を回る
 ぼぅ……っと
 体育館の中央に…それは姿を現した

 ぽ~ん
 ぽ~ん、ぽ~ん
 ボールが跳ねる音
 ぽ~ん、ぽ~ん、ぽ~ん
 …頭が跳ねる音が、響き渡る

 ぽ~ん、ぽ~ん
 頭の無い少年
 ただ、自分の頭を跳ね続ける

「………」

 …さて、どうする?
 向こうは、こちらに気付いていないようだ
 どう、アプローチしようか…

「けーやくしゃ、けーやくしゃ」
「うん?」
「私に任せて!」

 にぱ、と
 花子さんが、無邪気な笑みを浮かべる
 わかった、と俺は頷いた
 てちてちてち
 花子さんは、その少年に近づいていく

「こんばんわ!」
「………!」

 ぽんっ
 少年が、頭をつくのを、止めた
 自身の頭を抱えて…きょとん、とした表情で、花子さんを見つめている

「…だぁれ?」

 血塗れのその頭が、花子さんを見て首を…傾げようとしているのだと思う
 一応、体の動きを見る限り、それっぽい

「花子だよ!」
『そして、わては人体模型やで~!!』

 ………
 くぉらぁああああああああああ!!??
 何やっとるかおのれはぁあああああああああ!!!!
 せっかく、花子さんが警戒心を解こうとしていたと言うのに!!
 貴様が出てきたら、相手はどう考えても警戒心MAXだろうがぁああ!!

「見張っとけよ!あんた、あの馬鹿をちゃんと見張っとけよ!!」
「ぶっちゃけ、あいつを3分以上見ていたくない」

 こら不良教師!!
 あんた、アレと契約したんだから責任持てやぁああああ!!!!
 頭を抱えた少年
 フレンドリーに声をかけてきた、その、皮膚組織剥き出しでニカ、と笑う人体模型を見て
 …っふ

『…あ、気絶しちゃったみたいです』

 ぽてちん
 見事に、気を失って倒れこんだのだった

 ……・・・
 で

「…どうしてこうなるかな」

 きゃっきゃっきゃっ
 無邪気に体育館を走り回る花子さんと、少年

『ほらほら~、捕まえたるで~!』
「逃げろ~!」
「わ~い!」

 きゃっきゃっきゃっ
 …うん、何と言うか
 ハタから見ていたら、不気味な光景この上ない鬼ごっこを、三人はやっている訳だが
 本人たちが楽しそうだから、いいのだろうか

 気絶から復活した、ボールの少年
 やはり、寂しくて仕方なかったようで
 花子さんや人体模型が、一緒に遊んでやる事になったのだ
 …良かった、戦いにならなくて
 それに、俺はほっとする

『HAHAHA,逃がさんで~!』

 っひゅん!

 人体模型の腹部から、腸が発射!
 ぎゅるん!と花子さんたちに撒きつく!

「捕まっちゃった~」
「ぬめぬめする~」
『HAHAHA、これくらい楽勝やで!』
「何やっとるかぁああああ!!!」

 ごぎん!!
 力いっぱい、人体模型を殴り飛ばす!!
 がんごんがん
 人体模型は、大袈裟に吹っ飛んでいく

『何すんのや、楽しく遊んどったのに』
「グロイ捕まえ方してんじゃねぇ!っつか、鬼ごっこであれは反則だろう!!」

 まったくこの変態は!
 ちょっと油断したら、己の内臓をアピールする!
 ほら、花子さんたちだって、大腸小腸に巻きつかれて気持ち悪そうに…

「ほらほら、縄跳び~!」
「花子ちゃん、上手~!」
「……って、人の腸で縄跳びして遊ぶんじゃありません!!」

 花子さぁああああん!!??
 何をやっているんだ!?
 俺が殴り飛ばした衝撃で、人体模型から離れた腸
 花子さんはそれを使って、きゃっきゃっと器用に縄跳びしている
 それを見て、ボールの少年も同じように縄跳びをしようとしている訳で
 何、この世界一グロイ遊びの現場
 これどんな悪夢?

『えと、あの…で、でも、楽しそう、ですよね!』
「…フォローありがとう、白骨模型ちゃん」

 …そう
 少年は、楽しそうだ
 誰かと遊んだ事など、なかったのだろう
 花子さんと人体模型と一緒に、それはそれは楽しそうに遊んでいる
 ぶっちゃけ、この光景を誰かが見たら卒倒ものかもしれないが
 …だが、当人たちは、楽しそうで

「…ま、こう言う時は役に立つんだよ、あいつ」

 タバコに火をつけながら、不良教師がぽつり、呟く

「普段は変態変人そのもので、鬱陶しい事この上ないがな…あいつは子供が好きだからな。あの手の相手には、親切なんだよ」

 …あぁ、人体模型が腸を回収しようとして
 が、花子さんたちはもうちょっとそれで遊びたいのか、腸を持って走り回り
 再び、鬼ごっこ再開中
 グロさMAXの、ほのぼの鬼ごっこなその光景を
 俺は、和めばいいのか気持ち悪くなればいいのか、微妙な気持ちで見つめ続けたのだった



 …こうして
 今回の都市伝説との戦い…とは呼べないが、それは、とりあえず終わった
 独りぼっちだった少年は、花子さんや人体模型と言う友達を手に入れて
 …寂しさに狂い、人を襲ってしまうことはないだろう
 寂しさを抱える都市伝説にとって、一番悲惨な結末は
 己を理解してくれる者が現れず、寂しく狂っていく事なのだから

「けーやくしゃ、また何か考え込んでるの?」

 かくん
 今日も、膝の上に座ってくる花子さん
 こちらを見上げ、首をかしげる

「どうかしたの?」

 かくん
 首を抱えた少年も、首をかしげる仕草をしてくる
 ……あ~……
 うん

「お前、体育館から出られるようになったんだな」
「うん!」

 にぱ、と、少年が抱える血塗れの頭が笑う
 体育館に現れる都市伝説である、この少年
 どうやら、活動範囲が広がったらしい
 …まぁ、類似の話で、グラウンドに現れる、ってのもある訳だし
 ある意味、学校内だったら、どこにでも移動できて問題ないだろう
 …ただ、その
 今、この理科準備室に集まっている面々を考えるに……これ、なんてカオス?

『クッキー焼けましたよ~』
『HAHAHA、わてもカップケーキ作ってみたで~!一つだけわての目玉入り。当たっても何もでぇへんけどな!』
「何グロい事してる、この変態」

 どたばた、騒がしい放課後の理科準備室
 …忘れ物をとりに来た生徒、とかベタな存在が現れませんように
 俺はそう祈りながら、白骨標本が淹れてくれた紅茶に口をつけるのだった


fin

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