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連載 - マッドガッサーと愉快な仲間たち・決戦編-17

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匿名ユーザー

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○月×日 22:55 グラウンド


「………?これは……」

 …盟主は、気づいた
 Gによって、動きを封じられているサンダーバード
 その様子が……おかしい?

 Gの巨大な手から逃れようともがくサンダーバード
 その体が………じょじょに、じょじょに
 薄まっていっているのを、盟主は確かに見た


○月×日 22:55 中央高校屋上


 薄れ行く、サンダーバードの体
 その様子は、屋上に居るマッドガッサー達にも、見えていた

「ど、どないなっとるんや!?マッドはん!?」

 あれだけ固まりになっているとGに見えないせいか、何とか直視できている似非関西弁の女性
 彼女の言葉に…ガスマスクの下で、マッドガッサーは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる

「…誰かは知らないが……あいつの神としての側面を削りやがったのか!」

 これは、まずい
 このままでは、サンダーバードは…
 消滅する


○月×日 22:55 中央高校屋上


 己の存在が薄まっていっているのを、サンダーバードは確かに自覚していた
 サンダーバードは神である
 神として崇められていた存在である

 しかし
 彼を崇めていた部族は、もういない
 はるか昔、別の大陸からやってきた白い者たちによって、彼というサンダーバードを崇めていた部族は……根絶やしにされてしまった

 それでも、サンダーバードは生き続けていた
 他のサンダーバードの存在に支えられ、存在し続けていた
 それは、彼が神として崇められていたが故に、可能だった事でもある

 だが
 限界と言うものは存在する
 彼というサンダーバードは、一度消えかけた
 崇めてくれる存在を失った神に
 信仰してくれる存在がいなくなった神に
 存在価値など、ありはしないのだ

 静かに、静かに、消え行こうとしていたサンダーバード
 消えずにすんだのは、偶然の出会いと、奇跡に近い出来事

『お前は、間違いなく神だ』

 そう、断言されたから
 だから、存在していられた
 わずかに残った神としての側面も手伝い、存在し続けた

 ……ならば
 その、神としての側面を、削られたならば?
 他のサンダーバードの噂と混合させられたとは言え…彼と言う存在を今の今まで生かしてきたのは、神としての側面に他ならないのだ
 それを削られたならば、最早このサンダーバードは…存在する事は出来ない
 その存在は、忘れられた都市伝説として
 最早語られぬ都市伝説として……消滅する

「ぐ……ぁ………!!」

 消滅の苦しみに、恐怖に、サンダーバードはうめく
 嫌だ
 消滅したくない
 消えたくない
 己には、まだすべきことがあるのだ
 己を救ってくれた友を、助けなければならないのだ
 小さき友の力にならなければならないのだ
 消えたくない
 力にならなければならない
 己はまだ、恩を返しきれていない……!!

 存在が薄れ行く
 存在が、気迫になっていく
 その姿が、最初からなかったかのように、消えていこうとして……


「-----お前は神だ!!」


 叫び声が、サンダーバードに届いて
 消え行く体が…この世に、押し止められた


○月×日 22:57 中央高校屋上


 消えるな
 サンダーバードを見あげ、マッドガッサーは叫ぶ

「お前は神だ!サンダーバード!!アメリカの大地が生み出した民達に崇められた神 サンダーバードだ!!」

 思い出す
 初めて、あのサンダーバードと遭遇したときのことを

 あの時、サンダーバードは緩やかに消滅していこうとしていた
 崇めていた部族がいなくなってから、ずっと語られる事がなかった存在
 語られなくなった都市伝説は、消滅するしかない

 消え行く直前、サンダーバードは神である事を認められたがっていた
 その姿が、哀れで、憐れで…見ている事が、できず


『お前は、間違いなく神だ』


 あの日、マッドガッサーは、そうサンダーバードに告げた
 その瞬間…たった一人に、そう、認められただけで
 サンダーバードの中の神の側面は、サンダーバードが存在する事を、許した
 いや、それはもしかしたら
 他の神であるサンダーバード達の力も、あったのかもしれないが
 とにかく、神であるが故に、サンダーバードは助かったのだ

 ならば
 神としての側面を取り戻させれば……サンダーバードは、消滅せずにすむ!!

「思い出せ!お前を崇めていた連中を!」
「------っ!!」

 薄れていっていたサンダーバードの体が……実体を、取り戻しつつある
 ばちりっ
 その体を……再び、雷が走り出した


○月×日 22:59 中央高校上空


「---おぉおおおおおおおお!!!!」

 バチバチバチバチっ!!
 雷が、サンダーバードを直撃した
 実態を取り戻したその体が、Gの束縛から逃れ……上空へと、飛び上がる

「…っすまぬ!小さき友よ!!」

 マッドガッサーに、サンダーバードは謝罪する
 また、助けられてしまった
 まだ、己は恩を返せていないと言うのに!

「構わない!それよりも、一旦退け!何をしてお前から神の側面を剥ぎ取ったか知らないが、もう一度同じ事をやられたらヤバイ!」
「----すまぬ…友よ……」

 マッドガッサーの言うとおりだ
 ある程度の神性は取り戻せたが…まだ、完全ではない
 このままでは、また、いつ消えてしまうかも……わからない

 サンダーバードは、歯痒さを感じながら、大きな翼をはばたかせ、上空へと舞い上がる
 雲の上へと、避難するために

 ----ばちりっ!
 その瞬間……彼は、最後の一撃、とでも言うように
 今まで際だの威力の雷を……己の敵対者目掛けて、撃ちはなったのだった



to be … ?



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