中央高校での決戦~vsHさん
校舎の中へ入り込み、その中をうろうろ徘徊しようかと思っていたこっち。
だが、入った教室内でいきなりアクシデントに見舞われた。
なぜかいる大量の鼠たち。噛みついてくるそれらを仕方なくローラーで轢き潰す。
五分ほどすると、その教室内の鼠は全て骨も肉も入り交じったミンチと化した。
ローラーを消し、さていきますかー、と教室を出ようとする。
と、
だが、入った教室内でいきなりアクシデントに見舞われた。
なぜかいる大量の鼠たち。噛みついてくるそれらを仕方なくローラーで轢き潰す。
五分ほどすると、その教室内の鼠は全て骨も肉も入り交じったミンチと化した。
ローラーを消し、さていきますかー、と教室を出ようとする。
と、
「―――あぷ」
「―――おっ……と」
「―――おっ……と」
ちょうど出入り口のところで誰かにぶつかった。
おおここに来て初めての人との遭遇! と内心はしゃぎながらも身体の方はきちんと動かし、慌てて後ろに下がって頭を下げ、「ご、ごめんなさい」と謝る。
おおここに来て初めての人との遭遇! と内心はしゃぎながらも身体の方はきちんと動かし、慌てて後ろに下がって頭を下げ、「ご、ごめんなさい」と謝る。
「ああ、こっちこそすまんな」
と、ぶつかったその相手。
………しかし、その声になんだか違和感を感じた。
前に聞いたことがあるような、そんな気がする。
下げていた頭を上げ、ぶつかってしまった相手の顔を確認。
頭の周囲で触手っぽく髪の毛をうねうねさせているその人は―――。
………しかし、その声になんだか違和感を感じた。
前に聞いたことがあるような、そんな気がする。
下げていた頭を上げ、ぶつかってしまった相手の顔を確認。
頭の周囲で触手っぽく髪の毛をうねうねさせているその人は―――。
「ん、なんだ? 顔に何か付いてでもいるか?」
将門様の宴会の前日に街中で偶然出会った、黒服Hさんだった。
お久しぶりです、とつい言ってしまってから、気付く。
「ん……お久しぶりです、ねえ。俺と君とは初対面だと思うんだが」
俺がそんな素晴らしい体型を忘れるはずもないしな、と少し不思議そうに言うHさん。
その間もその髪の毛はわさわさと蠢いている。少し怖い。
……それにしても、バカをやった。
Hさんと出会ったのは女になる前のことで、今の身体でそのことを言ったら女装していたことがバレてしまう。
その間もその髪の毛はわさわさと蠢いている。少し怖い。
……それにしても、バカをやった。
Hさんと出会ったのは女になる前のことで、今の身体でそのことを言ったら女装していたことがバレてしまう。
「あ、いや……見間違いでした。すいません」
とりあえずごまかしてみることにする。
「…………俺を見間違えるというのは、中々難しいと思うんだがな」
思いっきり怪しまれた。
それはそうだろう、こんな髪の毛が独立して動いてるような姿を見たら当分忘れないだろう。下手したらトラウマにすらなりそうだ。
それはそうだろう、こんな髪の毛が独立して動いてるような姿を見たら当分忘れないだろう。下手したらトラウマにすらなりそうだ。
「……イエクラカッタカラミマチガエタンデスヨー」
出来る限り平静を装ってしらを切る。なんか不自然な気もするが気にしない。
Hさんはなおもこっちのことを疑っているようで、身体中をじとーっと眺めまわしていたが、
Hさんはなおもこっちのことを疑っているようで、身体中をじとーっと眺めまわしていたが、
「まぁ……いいか」
の一言とともに納得してくれたようだ。
三十六計逃げるにしかず、バレる前にさっさとこの場を離れることにする。
三十六計逃げるにしかず、バレる前にさっさとこの場を離れることにする。
「あ、じゃあこっちはこのへんでお暇しm「まぁそう急くな。訊いておきたい事もあるしな」―――す………」
なんか呼び止められた。頼むから勘弁してほしい。
訊きたい事ってなんだろうかまさか気付かれたんだろうか女になってやっと女装の恥ずかしさから解放されて心が安らいでたのに―――と無駄に高速で頭を働かせていると、
訊きたい事ってなんだろうかまさか気付かれたんだろうか女になってやっと女装の恥ずかしさから解放されて心が安らいでたのに―――と無駄に高速で頭を働かせていると、
「―――嬢ちゃんは、マッドガッサー達の敵か?」
Hさんの口から、真面目な声での問いが放たれた。
それを聞いて、アホなことを考えていた頭を切り替え、その内容について考える。
マッドガッサーさん達の敵かと訊かれれば、戦いたくないからノー。
でも計画は止めたいから味方というわけでもない。
それが今のこっちの立ち位置だ。
でも―――今のHさんの言い方にははっきりとした違和感を感じた。
DさんとHさんは同じ『組織』に属している、らしい。
Dさんがマッドガッサーさんたちを止める方向で動いているのだから、Hさんもそれと同じのはずだ。
なのにHさんは今、″マッドガッサー達の敵か″と訊いた。
こっちがマッドガッサーさんたちの仲間かを疑っているのなら、″マッドガッサー達の味方か″と訊くのが普通だと思う。
―――これは、もしかして。
それを聞いて、アホなことを考えていた頭を切り替え、その内容について考える。
マッドガッサーさん達の敵かと訊かれれば、戦いたくないからノー。
でも計画は止めたいから味方というわけでもない。
それが今のこっちの立ち位置だ。
でも―――今のHさんの言い方にははっきりとした違和感を感じた。
DさんとHさんは同じ『組織』に属している、らしい。
Dさんがマッドガッサーさんたちを止める方向で動いているのだから、Hさんもそれと同じのはずだ。
なのにHさんは今、″マッドガッサー達の敵か″と訊いた。
こっちがマッドガッサーさんたちの仲間かを疑っているのなら、″マッドガッサー達の味方か″と訊くのが普通だと思う。
―――これは、もしかして。
「特に敵、というわけじゃありません。計画はなんとか阻止したいところですけど。―――あなたは、どうなんですか?」
「俺か? あぁ、惚れた弱みみたいなもんでな―――今はマッドガッサー側だ」
「俺か? あぁ、惚れた弱みみたいなもんでな―――今はマッドガッサー側だ」
―――やっぱり、そうだったか。
たぶん、惚れた弱みとか言ってるし、《スパニッシュフライ》だろうと思う。
こんな支配系の能力もあるのか……まあ元が惚れ薬らしいし、その感情を利用したりとかそんな感じなんだろう。
そう分析するこっちにHさんはくるりと背を向け、
たぶん、惚れた弱みとか言ってるし、《スパニッシュフライ》だろうと思う。
こんな支配系の能力もあるのか……まあ元が惚れ薬らしいし、その感情を利用したりとかそんな感じなんだろう。
そう分析するこっちにHさんはくるりと背を向け、
「まぁ、敵じゃあないならそれでいい」
イロイロと出来ないのは残念だが……と呟き、教室から出ていこうとする。
え、まだ訊きたいことあるのに!?
え、まだ訊きたいことあるのに!?
「ま、待ってください!」
慌てて呼び止める。
ん、と面倒そうに首だけで振り向くHさん。
ん、と面倒そうに首だけで振り向くHさん。
「惚れた弱み、って言いましたよね。それ、あなただけですか?」
これだけは意地でも確認しておかなければいけない。
一応殺意満々な人を止める気ではあるけれど、目的はあくまでマッドガッサーさんたちを止めること。
マッドガッサーさんたちと戦いたくない……というか戦えないから、そして人数的に彼らが不利だろうと思ったからこそ、他の人頑張ってーみたいなスタンスでいたのだ。
だけど、支配系の能力を持っているなら話は別。
守りを一人倒したとしても、その間に攻めが守り側に寝返ってしまったりしたらじり貧だ。
もしそうだったら………支配されてる人だけでも撃破するべきだと思う。
万が一計画が実行されてしまったら洒落にならない。
そんな大規模な、そして隠すことが不可能に近い事件を引き起こされたら確実にヤバい。色々と。
一応殺意満々な人を止める気ではあるけれど、目的はあくまでマッドガッサーさんたちを止めること。
マッドガッサーさんたちと戦いたくない……というか戦えないから、そして人数的に彼らが不利だろうと思ったからこそ、他の人頑張ってーみたいなスタンスでいたのだ。
だけど、支配系の能力を持っているなら話は別。
守りを一人倒したとしても、その間に攻めが守り側に寝返ってしまったりしたらじり貧だ。
もしそうだったら………支配されてる人だけでも撃破するべきだと思う。
万が一計画が実行されてしまったら洒落にならない。
そんな大規模な、そして隠すことが不可能に近い事件を引き起こされたら確実にヤバい。色々と。
「そうだ………と言ったら?」
「……こっちはあなたの敵になります」
「……こっちはあなたの敵になります」
こっちの言葉を聞くとHさんは愉快そうに肩を揺らし、
「―――なら、お兄さんが遊んでやろう」
そう宣言すると同時、Hさんの髪の毛が爆発したかのように四方八方に飛び散った。
圧倒的な量の髪の奔流がこっちの身体を飲み込み―――それが過ぎ去った後、こっちは大の字の姿勢で両手足を縛られ、宙に浮いていた。
圧倒的な量の髪の奔流がこっちの身体を飲み込み―――それが過ぎ去った後、こっちは大の字の姿勢で両手足を縛られ、宙に浮いていた。
「案外あっけなかったな、嬢ちゃん………罰ゲームだ」
勿論性的な意味で、と髪をうねらせながら付け足すHさん。
ていうかHさん、強いな……これは結構本気にならないとヤバそうだ。
そう思い、同時にあるワードが頭に引っ掛かる。そのワードとは"性的な意味で"。
なんだかその言葉についてのことで、Hさんに言いたいことがあったような…………あ。
ていうかHさん、強いな……これは結構本気にならないとヤバそうだ。
そう思い、同時にあるワードが頭に引っ掛かる。そのワードとは"性的な意味で"。
なんだかその言葉についてのことで、Hさんに言いたいことがあったような…………あ。
「そうだHさん、あれ嘘だったんじゃないですか!」
いきなり叫び出したこっちに首を傾げるHさん。
しかし構わず続ける。
あれでこっちがどれだけ恥ずかしい思いをしたことか!
しかし構わず続ける。
あれでこっちがどれだけ恥ずかしい思いをしたことか!
「だからあれですよあれ、しらを切ろうったってそうはいきません!」
「いや、本当に見当が………」
「だーかーら! あの、ふぇ…………」
「ふぇ?」
「あの、ふぇ、ふ、ふぇら………」
「ふぇら?」
「あの、その…………ふ、ふぇ○ちおの件についてです!」
「いや、本当に見当が………」
「だーかーら! あの、ふぇ…………」
「ふぇ?」
「あの、ふぇ、ふ、ふぇら………」
「ふぇら?」
「あの、その…………ふ、ふぇ○ちおの件についてです!」
顔が熱くなるのを感じながらも男らしく(注:あくまで女装少年にとっての男らしくです。あしからず)宣言するこっち。頑張った、言ってやった!
それを聞いたHさんは数秒考え込み……そしてポン、と手を打った。
それを聞いたHさんは数秒考え込み……そしてポン、と手を打った。
「成程、あの時の女装くんか。女体化してそうなるとは……素晴らしい」
「………………あ」
「………………あ」
そういえば、あれは男の時のこっちの話で今は女で、つまり今のは……………じ、自爆った…………!?
ああああああなにやってるんだ自分! 馬鹿なの、しぬの!?
数秒前の自分のこめかみに全力全開のブーメランフックを叩き込みたい衝動にかられる。
しかし縛り付けられた手足のせいで頭を抱えることもできない。正直泣きたい。
ああああああなにやってるんだ自分! 馬鹿なの、しぬの!?
数秒前の自分のこめかみに全力全開のブーメランフックを叩き込みたい衝動にかられる。
しかし縛り付けられた手足のせいで頭を抱えることもできない。正直泣きたい。
「……うむ、男の娘にロリ爆乳か。ナイスな趣味だ。中々の手錬れだな」
「言わないで!? っていうかあなたのせいで変態とか言われたんですよ、あんな嘘ひどいじゃないですか!」
「人類皆変態、人として生まれたからには一度は変態と称えられるべきだろう? よかったじゃないか」
「良くないです! っていうかうちの父さんとか友達みたいなこと言わないでください!?」
「言わないで!? っていうかあなたのせいで変態とか言われたんですよ、あんな嘘ひどいじゃないですか!」
「人類皆変態、人として生まれたからには一度は変態と称えられるべきだろう? よかったじゃないか」
「良くないです! っていうかうちの父さんとか友達みたいなこと言わないでください!?」
ダメだこの人、やっぱり父さんたちと同類な人だ!
そんなくだらない会話の最中にもどんどんHさんの髪は伸びていく。もう、下手すると教室中を覆い隠せそうだ。
とんでもない量の髪の毛を自在に操りながら、Hさんは言う。
そんなくだらない会話の最中にもどんどんHさんの髪は伸びていく。もう、下手すると教室中を覆い隠せそうだ。
とんでもない量の髪の毛を自在に操りながら、Hさんは言う。
「そのあたりのことはともかくだ、とりあえず抵抗できなくなるまでイロイロやらせてもらおう」
その言葉とともに大量の髪の毛が蛇のように鎌首をもたげ、空中で身動きできないこっちに向かって殺到する。
勢いよく向かってきた髪の毛は、しかし何も捉えることなくお互いに絡まり合った。
勢いよく向かってきた髪の毛は、しかし何も捉えることなくお互いに絡まり合った。
「………よく避けたな、髪の強度にはそれなりに自信があったんだが。それは鎌か………何の都市伝説だ?」
「この鎌だけじゃあ切れませんでしたよ。でも、″今の″この鎌は鋼鉄だろうが切り裂きます。都市伝説は………秘密です」
「成程、多重契約者か。厄介だな」
「この鎌だけじゃあ切れませんでしたよ。でも、″今の″この鎌は鋼鉄だろうが切り裂きます。都市伝説は………秘密です」
「成程、多重契約者か。厄介だな」
髪の毛が向かってくる間に、両手に出現させた鎌で両手首を縛っていた髪の毛を断ち切り、続いて足の方の髪も切って離脱したのだ。
Hさんの顔を見据えながら周囲の髪の毛にも注意を払い、言う。
Hさんの顔を見据えながら周囲の髪の毛にも注意を払い、言う。
「先に謝っときます―――ごめんなさい。あなた強いんで、手加減とかできません」
そう言うのと同時にHさんの元へと一直線に走りだす。
攻撃のリーチも自由度もHさんのほうが上だ、距離をとって勝てる相手じゃない。
攻撃のリーチも自由度もHさんのほうが上だ、距離をとって勝てる相手じゃない。
「おいおい、男が女の子に手加減されてちゃ格好がつかないだろう?」
言葉とともに、四方八方から襲いかかる髪の毛。
急停止してバックステップ、なんとかかわす。
急停止してバックステップ、なんとかかわす。
「どうやら接近戦に持ち込みたいようだが……そう簡単には、近寄れないぞ?」
続いて後を追うようにして迫ってきた髪。
それを、
それを、
「…思い込んだら」
すぐさま生み出したローラーで叩き落とした。しかし、息をつく間もなく新たな髪の毛が襲ってくる。
………正直、分が悪い。状況的には多勢に無勢のようなもので、その上相手の数が減らないのだからどうしようもない。
――― 一度、仕切りなおすか。
そう考えた一瞬の隙に、足に髪が絡みつく。
………正直、分が悪い。状況的には多勢に無勢のようなもので、その上相手の数が減らないのだからどうしようもない。
――― 一度、仕切りなおすか。
そう考えた一瞬の隙に、足に髪が絡みつく。
「油断大敵だ―――って、おぉっ!?」
Hさんが驚いたような声を上げた。当然だろう……追い詰めたと思った瞬間に、自分の身体が宙を舞ったのだから。
足に絡みついた髪。それを足を無理矢理に振ることで引っ張り、Hさんをもそれに巻き込んだのだ。
そのままHさんは窓に突っ込み、複数の窓ガラスが割れる不協和音が教室内に響く。
が、
足に絡みついた髪。それを足を無理矢理に振ることで引っ張り、Hさんをもそれに巻き込んだのだ。
そのままHさんは窓に突っ込み、複数の窓ガラスが割れる不協和音が教室内に響く。
が、
「………やっぱり無傷、ですか」
「まぁ、この程度じゃあなあ? それなりに修羅場はくぐっているしな」
「まぁ、この程度じゃあなあ? それなりに修羅場はくぐっているしな」
何事もなかったかのように窓から顔を出すHさん。どうやら、髪の毛をクッションにして身を守ったようだ。
………うん、このままじゃジリ貧なだけだし、このへんで仕切りなおさせてもらおう。
そう考え、姿勢を中腰に。左手を腰あたりに回し、居合いのような構えをとる。
そして、忘れずにHさんに警告。
これを使うのは初めてなので、あまり勝手が分からないのだ。ただ、まともに食らったら洒落にならないとは思う。
………うん、このままじゃジリ貧なだけだし、このへんで仕切りなおさせてもらおう。
そう考え、姿勢を中腰に。左手を腰あたりに回し、居合いのような構えをとる。
そして、忘れずにHさんに警告。
これを使うのは初めてなので、あまり勝手が分からないのだ。ただ、まともに食らったら洒落にならないとは思う。
「あの、次の一発、絶対に全力で防いでくださいね? ……たぶんマジで危ないですから」
言うだけ言った後、返事を聞くまでもなく行動に移る。
Hさんはかなり腕が立つようだし………大丈夫だろう、たぶん。
Hさんはかなり腕が立つようだし………大丈夫だろう、たぶん。
「―――思いこんだら、思い込んだらっ!」
左腕を居合いのように振りながら叫び、二つのローラーをともに左手に出現させる。
そして新しく手に入れた《重いコンダラ》の能力―――このローラーの場合は重量の選択―――を発動。
これはこのローラーの重量を百キロから一トンまでの範囲で、変化させることのできる能力だ。
二トンというあまりの重さに悲鳴をあげる左腕。その痛みを我慢し、Hさんの両脇………Hさんの身体を支えているその髪の毛を狙ってローラーを投げ放った。
そして新しく手に入れた《重いコンダラ》の能力―――このローラーの場合は重量の選択―――を発動。
これはこのローラーの重量を百キロから一トンまでの範囲で、変化させることのできる能力だ。
二トンというあまりの重さに悲鳴をあげる左腕。その痛みを我慢し、Hさんの両脇………Hさんの身体を支えているその髪の毛を狙ってローラーを投げ放った。
「―――っ!」
Hさんは咄嗟に反応し、狙われた箇所の髪の毛の密度を一気に上げる。
しかしその髪も、二トンという重量プラスぶん投げられた勢いのついたローラーの衝撃には流石に耐えられなかったようだ。
ぶちぶちっという嫌な音が響き―――支えを失ったHさんはローラーの重さに引きずられ、窓の外へと落ちて行った。
しかしその髪も、二トンという重量プラスぶん投げられた勢いのついたローラーの衝撃には流石に耐えられなかったようだ。
ぶちぶちっという嫌な音が響き―――支えを失ったHさんはローラーの重さに引きずられ、窓の外へと落ちて行った。
それを確認すると、こっちは急いで教室を出る。
今すぐまたHさんとやりあうのは、二重の意味でごめんだ。
一つは、こっちの攻撃はほぼ全てが純粋物理攻撃なのでHさんに近寄ることすら困難なこと。まあ、こっちはなんとかやってやれないことはないと思う。
問題は、もう一つの方だ。
自分の左手へと目をやる。ぷらぷらと力なく揺れている。動かそうとする。しかし動かない。
あまりの重量に耐えきれなかったのだろう―――それはもう見事に脱臼していた。
歯をくいしばって痛みをこらえながら、外れた肩を嵌めなおす。
なんとか動くようにはなったが………それでも動かすたびに激痛が走る。これじゃあ戦闘では使えないだろう。
今すぐまたHさんとやりあうのは、二重の意味でごめんだ。
一つは、こっちの攻撃はほぼ全てが純粋物理攻撃なのでHさんに近寄ることすら困難なこと。まあ、こっちはなんとかやってやれないことはないと思う。
問題は、もう一つの方だ。
自分の左手へと目をやる。ぷらぷらと力なく揺れている。動かそうとする。しかし動かない。
あまりの重量に耐えきれなかったのだろう―――それはもう見事に脱臼していた。
歯をくいしばって痛みをこらえながら、外れた肩を嵌めなおす。
なんとか動くようにはなったが………それでも動かすたびに激痛が走る。これじゃあ戦闘では使えないだろう。
「…………どうしようかなあ、これ」
一応操られている人を止めようとは思う。
けれど、この腕では下手に戦えない。返り討ちにあって自分が操られたら本末転倒だ。
………仕方ない、これから会う人が怪我を治せる人だというのに賭けよう。
そう考え、校舎内の様子を窺うこっちなのだった。
けれど、この腕では下手に戦えない。返り討ちにあって自分が操られたら本末転倒だ。
………仕方ない、これから会う人が怪我を治せる人だというのに賭けよう。
そう考え、校舎内の様子を窺うこっちなのだった。