「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - ドクター-26

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ドクター 26


手を握り、抱き締め、怨嗟の言葉を受け止め慈しみの言葉で返す
そんな一時の安らぎを与える事は、本当に良い事なのだろうかと疑問に思った事は何度もある
それが苦しみの中の一時の救いとなるのか、一時しか救われる事のない絶望となるのか
「一時凌ぎでも手を尽くす。医者とは因果な商売だよ、まったく……今日はサービスデーだ、男性でも生の温もりを感じたければ来るといい」
己を血の池に沈めようと迫る亡者達に慌ても怯えもせず、むしろ自ら歩みより手を伸ばす
「君達はもう元の生活には戻れない。だが都市伝説の一部として、契約者と共に歩む事は出来るんだ」
聞こえているか、理解されているか
そんな事は気にしない
「君達を陥れて苦しめていた彼もまた、陥れられ追い詰められ苦しんでいたのだろう。どうか、彼を赦して欲しい。そして彼にも君達を赦して欲しい。都市伝説と契約者は共に歩む存在なのだから」
戸惑う亡者達に、柔らかい笑みを浮かべ
丁度その時――その襟首を誰かに掴まれた
身体にまとわりつくような濃密な感触から解放され、たっぷりと赤黒い液体を染み込ませた白衣が重く身体にへばりつく
一瞬で周囲の光景が切り替わり、ドクターは夜の校舎へと引き戻されていた
「おや?」
亡者達を説き宥め安らぎを与える事ができれば、『十三階段』にも多少は影響がないだろうか
単純に、医者として苦しんでいる者達を少しでも救いたかった
亡者女性に囲まれる状況をもう少し堪能したかった
そんな考えが2:3:5ぐらいでブレンドされた微妙な表情で、自分を救い出してくれたであろう存在に意識を向ける
少なくとも敵ではない
雰囲気からすれば、マッドガッサー達を始末しに来たというよりは止めに来たという雰囲気だ
内訳は、少年、少女、少女、美女
よし、比率的にはまずまず問題なし
少女達はまだ愛でる範囲内の年齢として、自分を異空間から救出してくれたであろう美女は――実に良い
などと考えていたのが伝わったのか、支えられていた手を放されて床に尻餅をついてしまう
「痛いじゃないか」
もう少し丁寧に扱ってくれてもいいだろうと思ったが、思考が漏れ出していただろう自分の非を内心で咎めておく事にする
そして、既に白衣とは呼べない代物に成り果てた衣服を見て、僅かに溜息を漏らす
「後日、同じサイズのものを買って返すとして。当面の着替えをどう調達したものか」


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