ドクター28
「……し……死ぬかと思った……何だ今の臭いは」
涙目で鼻を押さえ、四つん這いになりぜーはーと荒い息をついているバイトちゃん
「ははは、元気そうだねバイトくん」
その声は、なんら何時もと変わらない
変わらなさ過ぎるほどの何時もの笑み混じりの声
「死ぬかと思った、か。ボクもザクロくんがいなければ死んでたかもな?」
「ど……ドク、ター?」
目を合わせるどころか顔さえ向ける事も出来ずに、なんとか声を搾り出す
「『スパニッシュフライ』の影響は記憶には及ばないそうだが。何か言いたい事はあるかね?」
「い、いや、その……今回の行動はあくまで私憤であって、ドクターに迷惑を掛けるべきじゃないと」
「その結果として、ボクが深夜に学校くんだりまでやってきて、ホルマリンプールに沈められるわ血の池に落とされるやら楽しい経験をさせてもらったわけだが」
後者は自業自得なのだがそれは敢えて伝えない
行動を共にしていて事情を知っているザクロは、本来の同行者のところで気付け薬の被害を慰められている
「血の池って……『十三階段』の? え、あいつなんでここにいるんだ、『爆発する携帯電話』の子まで」
今まで気絶していたせいで、状況がまったく掴めていないバイトちゃん
「マッドガッサー一味の、他の連中は無事なんですか!?」
「気懸かりなのはそちらか。まだ『スパニッシュフライ』の影響下かね? ん?」
ドクターはバイトちゃんの頭をこつこつと小突きながら、その顔を見詰める
「まあいい。ボクもあまり状況は把握できてないが、同行者の話を統合すると……」
掻い摘んだ状況説明を受け、バイトちゃんは安堵の溜息を吐く
「……討伐じゃなく説得の流れになってて安心しました」
「君に言われたくはないと思うがね、最初から彼らを止めに来た人達からすれば」
「しょうがないでしょう、通りすがりに襲われただけの被害者だったんですから、俺は……まあそういう意味では止めてくれたあの黒服には多少感謝しても」
そこまで言ったところで、バイトちゃんの顔がじわじわと赤くなっていく
「ふむ、どうしたのかね?」
「……いえ、何でもないです」
どこかもじもじとした様子のバイトちゃんを見て、内心は察しているもののとりあえずは黙っておくドクター
「ともあれ、ボク達は説得にはあまり役に立てそうにない。『十三階段』の彼にもそうだったが、『第三帝国』の悪評や日本支部の知名度不足が辛い」
いつも何らかの笑みを浮かべているドクターが、珍しく表情を曇らせる
「受身ではいかんと、今度『総統』に進言しておこう。組織改革の頃合だとな」
涙目で鼻を押さえ、四つん這いになりぜーはーと荒い息をついているバイトちゃん
「ははは、元気そうだねバイトくん」
その声は、なんら何時もと変わらない
変わらなさ過ぎるほどの何時もの笑み混じりの声
「死ぬかと思った、か。ボクもザクロくんがいなければ死んでたかもな?」
「ど……ドク、ター?」
目を合わせるどころか顔さえ向ける事も出来ずに、なんとか声を搾り出す
「『スパニッシュフライ』の影響は記憶には及ばないそうだが。何か言いたい事はあるかね?」
「い、いや、その……今回の行動はあくまで私憤であって、ドクターに迷惑を掛けるべきじゃないと」
「その結果として、ボクが深夜に学校くんだりまでやってきて、ホルマリンプールに沈められるわ血の池に落とされるやら楽しい経験をさせてもらったわけだが」
後者は自業自得なのだがそれは敢えて伝えない
行動を共にしていて事情を知っているザクロは、本来の同行者のところで気付け薬の被害を慰められている
「血の池って……『十三階段』の? え、あいつなんでここにいるんだ、『爆発する携帯電話』の子まで」
今まで気絶していたせいで、状況がまったく掴めていないバイトちゃん
「マッドガッサー一味の、他の連中は無事なんですか!?」
「気懸かりなのはそちらか。まだ『スパニッシュフライ』の影響下かね? ん?」
ドクターはバイトちゃんの頭をこつこつと小突きながら、その顔を見詰める
「まあいい。ボクもあまり状況は把握できてないが、同行者の話を統合すると……」
掻い摘んだ状況説明を受け、バイトちゃんは安堵の溜息を吐く
「……討伐じゃなく説得の流れになってて安心しました」
「君に言われたくはないと思うがね、最初から彼らを止めに来た人達からすれば」
「しょうがないでしょう、通りすがりに襲われただけの被害者だったんですから、俺は……まあそういう意味では止めてくれたあの黒服には多少感謝しても」
そこまで言ったところで、バイトちゃんの顔がじわじわと赤くなっていく
「ふむ、どうしたのかね?」
「……いえ、何でもないです」
どこかもじもじとした様子のバイトちゃんを見て、内心は察しているもののとりあえずは黙っておくドクター
「ともあれ、ボク達は説得にはあまり役に立てそうにない。『十三階段』の彼にもそうだったが、『第三帝国』の悪評や日本支部の知名度不足が辛い」
いつも何らかの笑みを浮かべているドクターが、珍しく表情を曇らせる
「受身ではいかんと、今度『総統』に進言しておこう。組織改革の頃合だとな」