「さて、注文はどうします?私としては、店長のオススメ定食を薦めたいところですが」
「コーラ」
「コーラ」
にっこり
目の前の青年は、こちらの言葉を遮ってそう言ってきた
にこにこ、何の迷いもない、笑顔
目の前の青年は、こちらの言葉を遮ってそう言ってきた
にこにこ、何の迷いもない、笑顔
「…おすすめ定食を、薦めたいのですが」
「コーラ」
「コーラ」
にこにこにこにこ
……店長が、泣いているような気がするのだが
……店長が、泣いているような気がするのだが
「…では、私はアイスコーヒーで」
結局、飲み物だけを注文する事にした
…っち、引っかからなかったか
ここの店長の料理は、普通に作れば美味いがアレンジを加えた時、凶器と化すと評判であったからこいつに食わせようと思ったのだが
にこにこにこ
青年はそんなこちらの思惑などお見通しだ、と言うように笑っている
…っち、引っかからなかったか
ここの店長の料理は、普通に作れば美味いがアレンジを加えた時、凶器と化すと評判であったからこいつに食わせようと思ったのだが
にこにこにこ
青年はそんなこちらの思惑などお見通しだ、と言うように笑っている
「君が奢るだなんて、絶対、何かあるからね」
「…まぁ、否定はできませんが」
「…まぁ、否定はできませんが」
こちらの言葉に、やっぱり、と青年は笑ってくる
…不幸にも不運にも、このヤンデレ青年の担当を任せられることになってしまって、一ヶ月
この青年に対する対処にも、大分慣れてきてしまった
慣れたくなど、なかったのだが、慣れるしかなかった
自分がこの青年を組織に引き込んでしまったからには、自分が責任をとれ、ということなのだろう
あぁ、くそ
どうして、自分がこのヤンデレを見つけてしまったのか
見つけても、放っておくべきだったのかもしれない
いや、放っておいて、組織に敵対する存在になられても困るのだが
…不幸にも不運にも、このヤンデレ青年の担当を任せられることになってしまって、一ヶ月
この青年に対する対処にも、大分慣れてきてしまった
慣れたくなど、なかったのだが、慣れるしかなかった
自分がこの青年を組織に引き込んでしまったからには、自分が責任をとれ、ということなのだろう
あぁ、くそ
どうして、自分がこのヤンデレを見つけてしまったのか
見つけても、放っておくべきだったのかもしれない
いや、放っておいて、組織に敵対する存在になられても困るのだが
「…それで、今日はどんな厄介事を持ってきたの?」
「厄介事に関してはあなたに言われたくありません…それは、さておき。少々、厄介な都市伝説が、この街に近づいている情報がありまして…」
「厄介事に関してはあなたに言われたくありません…それは、さておき。少々、厄介な都市伝説が、この街に近づいている情報がありまして…」
…自分が所属している組織は、世界中に広がっている
世界中で、様々な都市伝説の情報を集め、時に広め、監視している
そして、その監視網に…ある都市伝説が、引っかかった
世界中で、様々な都市伝説の情報を集め、時に広め、監視している
そして、その監視網に…ある都市伝説が、引っかかった
「あなたは、サーカスを見たことはありますか?」
「うん、あるよ。兄さんがね、最初のお給料が入った時に、連れて行ってくれたから」
「うん、あるよ。兄さんがね、最初のお給料が入った時に、連れて行ってくれたから」
…サーカス
人は、それにどんなイメージを抱くだろうか?
もちろん、普通に考えれば、サーカスは楽しいものだ
観客に、夢を与えるべきものであろう
人は、それにどんなイメージを抱くだろうか?
もちろん、普通に考えれば、サーカスは楽しいものだ
観客に、夢を与えるべきものであろう
…だが、同時に
ほの暗い、不穏な噂を聞いた事がある者も、いるのではないだろうか?
ほの暗い、不穏な噂を聞いた事がある者も、いるのではないだろうか?
悪い子はサーカス団に売られる
子供を連れ去っていって、どこかで売り払う
などなど…他にも、色々と
子供を連れ去っていって、どこかで売り払う
などなど…他にも、色々と
この街に近づいてきているのは、そんな都市伝説
サーカス関連の都市伝説の、集合体だ
サーカス関連の都市伝説の、集合体だ
「あなたに対処をお願いするかどうかは、決定事項ではありません。ただ、その可能性もあると言う事を、考慮しておいてください」
「えー、面倒だなぁ」
「えー、面倒だなぁ」
そう言いながら、運ばれてきたコーラに口をつける青年
こちらも、アイスコーヒーに口をつけた
…まぁ、面倒であろう
相手は、複数である事が決定事項なのだ
……こいつだったら、もしかしたら、テントごとコーラで全部溶かすとかできそうなのが嫌だが
こちらも、アイスコーヒーに口をつけた
…まぁ、面倒であろう
相手は、複数である事が決定事項なのだ
……こいつだったら、もしかしたら、テントごとコーラで全部溶かすとかできそうなのが嫌だが
「まぁ、頼まれたら対処するけどね。兄さんが巻き込まれても嫌だし」
「……お願いしますね」
「……お願いしますね」
…あぁ、良かった
今だけの口先だけの返事かもしれないが、一応、請け負ってくれるようだ
誰が、あの都市伝説を相手にするのか…まだ、決定事項ではないが
一応、こちらに仕事が回ってきても、大丈夫そうだ
今だけの口先だけの返事かもしれないが、一応、請け負ってくれるようだ
誰が、あの都市伝説を相手にするのか…まだ、決定事項ではないが
一応、こちらに仕事が回ってきても、大丈夫そうだ
「ねぇ。ついでだから聞いていい?」
「禁止事項以外でしたら」
「そう?それじゃあ聞くけど……君は、何の都市伝説と契約しているの?」
「禁止事項以外でしたら」
「そう?それじゃあ聞くけど……君は、何の都市伝説と契約しているの?」
…ぴたり
アイスコーヒーを飲もうとしていた手が、止まる
じ、と、サングラス越しに、その青年を見つめた
アイスコーヒーを飲もうとしていた手が、止まる
じ、と、サングラス越しに、その青年を見つめた
「…何の事です?」
「契約、してるんじゃないかな、君は。何かの都市伝説と」
「契約、してるんじゃないかな、君は。何かの都市伝説と」
すぅ…と、体の体温が、急激に下がっていくような錯覚
だと言うのに、じわり、背中に嫌な汗をかく
だと言うのに、じわり、背中に嫌な汗をかく
「…何故、そう思われるので?」
「えっとね。何となく」
「えっとね。何となく」
にこにこ
青年は、そう言って笑うだけだ
…はぁ、と
小さく、ため息をつく
青年は、そう言って笑うだけだ
…はぁ、と
小さく、ため息をつく
「…できれば、組織には内密に」
「あ、やっぱり、契約してたんだ」
「あ、やっぱり、契約してたんだ」
…かつては、人間であったらしい、自分
一応、都市伝説と契約しており…その契約は、まだ生きている
だからこそ、今でも時折、その都市伝説を利用してはいるのだが
一応、都市伝説と契約しており…その契約は、まだ生きている
だからこそ、今でも時折、その都市伝説を利用してはいるのだが
「…世界各地にある、夢の国。そこに関しては、複数の都市伝説があるのはご存知で?」
「そう言えば、色々聞いたことがあるね。地下に大きなカジノがあるとか」
「そう言えば、色々聞いたことがあるね。地下に大きなカジノがあるとか」
…そう
夢の国
世界中に存在し、また、様々な都市伝説で彩られた世界一有名なテーマパーク
その名は、へたに口するのは危険でもあるが、それはさておき
夢の国
世界中に存在し、また、様々な都市伝説で彩られた世界一有名なテーマパーク
その名は、へたに口するのは危険でもあるが、それはさておき
「私が契約しているのは、その夢の国に関する都市伝説の一つです。あそこには、秘密の地下トンネルがある…と言う噂は、ご存知ですか?」
「聞いたことあるよ。でも、それは実在するんだよね?」
「…まぁ、そうなのですが」
「聞いたことあるよ。でも、それは実在するんだよね?」
「…まぁ、そうなのですが」
複数ある、夢の国関連の都市伝説
その中でも、「夢の国には秘密の地下トンネルがあり、それは世界中の夢の国と繋がっている」というもの
その中でも、「夢の国には秘密の地下トンネルがあり、それは世界中の夢の国と繋がっている」というもの
実際、地下トンネルの存在は、夢の国側の認めている
ただし、世界中で繋がっているという夢のある答えではなく…従業員が使う通路として、だが
…しかし、事実がどうであれ
噂されたからには、それは生まれた
『夢の国の地下トンネル』
…それが、自分が契約した都市伝説だ
どこでも瞬時に地下トンネルへと逃げ込む事ができる能力
…問題は、逃げた先は必ず夢の国になってしまうと言うことだが
こちらの説明を聞いて、青年はへぇ、と声をあげた
ただし、世界中で繋がっているという夢のある答えではなく…従業員が使う通路として、だが
…しかし、事実がどうであれ
噂されたからには、それは生まれた
『夢の国の地下トンネル』
…それが、自分が契約した都市伝説だ
どこでも瞬時に地下トンネルへと逃げ込む事ができる能力
…問題は、逃げた先は必ず夢の国になってしまうと言うことだが
こちらの説明を聞いて、青年はへぇ、と声をあげた
「攻撃的ではないけど、保身の為には便利な能力だね」
「えぇ、まぁ。一応、他人も引き込めますから、移動にも便利ですよ…行き先は世界のどこかの夢の国、に変わりはありませんが」
「そうか……残念だね。万が一、そのサーカスの仕事が回ってきた時には、君も巻き込もうと思ったけど。そんな能力だったら、巻き込んでも君だけ逃げちゃうね」
「何を考えてやがったんですか、あんたは」
「えぇ、まぁ。一応、他人も引き込めますから、移動にも便利ですよ…行き先は世界のどこかの夢の国、に変わりはありませんが」
「そうか……残念だね。万が一、そのサーカスの仕事が回ってきた時には、君も巻き込もうと思ったけど。そんな能力だったら、巻き込んでも君だけ逃げちゃうね」
「何を考えてやがったんですか、あんたは」
心の底から残念だ、という表情を浮かべているその青年に、思わず突っ込む
この野郎、そんな事を考えてやがったのか
自分は、戦闘能力はからきしなのだ
頼むから、勘弁してくれ
この野郎、そんな事を考えてやがったのか
自分は、戦闘能力はからきしなのだ
頼むから、勘弁してくれ
「ま、いいや。諦めて、回ってきた時には自分で戦うよ」
残念そうに、コーラを飲んでいる青年の姿に
大きく、ため息を吐く事しか出来ないのだった
大きく、ため息を吐く事しか出来ないのだった
fin