「何だ、お前、クリスマスは彼女と過ごさないのか?」
『生憎、僕にはそんな浮いた存在はいないよ。クリスマスは姉さんと一緒に過ごすと決めている』
『生憎、僕にはそんな浮いた存在はいないよ。クリスマスは姉さんと一緒に過ごすと決めている』
友人と電話で会話しつつ、モンスの天使の契約者は呆れた表情を浮かべる
彼の数少ない友人は、この一大イベントを前に彼女の一人も作っていなかったらしい
まぁ、引き篭もり気味なところがあるから、彼女を作るなど無理そうではあったが
彼の数少ない友人は、この一大イベントを前に彼女の一人も作っていなかったらしい
まぁ、引き篭もり気味なところがあるから、彼女を作るなど無理そうではあったが
「…あれ?お前の姉ちゃん、恋人いなかったっけ?」
『あぁ、いるな。むしろ、姉さんとあいつが二人きりになるのを邪魔する勢いで』
「このシスコンめ」
『冗談だ。むしろ、クリスマスに姉弟で過ごすと言い出したのは姉さんの方だ。マステマの奴には同情する』
『あぁ、いるな。むしろ、姉さんとあいつが二人きりになるのを邪魔する勢いで』
「このシスコンめ」
『冗談だ。むしろ、クリスマスに姉弟で過ごすと言い出したのは姉さんの方だ。マステマの奴には同情する』
どこまでが本気やら、よくわからない声だ
モンスの天使の契約者は、ごろりベッドに横たわりつつ、友人との会話を続ける
モンスの天使の契約者は、ごろりベッドに横たわりつつ、友人との会話を続ける
『君は、クリスマスは……あぁ、聞くまでもないか。言わなくてもいい。むしろもげろ』
「もげろって何だよもげろって!?…ま、俺は天使達と一緒だよ。どうせ謹慎中だし」
『君の場合、自業自得だろう。少しは大人しくしたまえ」
「もげろって何だよもげろって!?…ま、俺は天使達と一緒だよ。どうせ謹慎中だし」
『君の場合、自業自得だろう。少しは大人しくしたまえ」
うるせぇ、とモンスの天使契約者はやや不機嫌に答えた
…くそ、Hナンバーの癖に、あの野郎…!
「組織」に、未だにのうのうと所属している黒服Hに対し、殺意のような物を漲らせる
マッドガッサー達の騒動の翌日、突然担当の黒服を変えられるし…これは、誰かの陰謀に決まっている
自分は、その陰謀に屈してなるものか
…くそ、Hナンバーの癖に、あの野郎…!
「組織」に、未だにのうのうと所属している黒服Hに対し、殺意のような物を漲らせる
マッドガッサー達の騒動の翌日、突然担当の黒服を変えられるし…これは、誰かの陰謀に決まっている
自分は、その陰謀に屈してなるものか
『…さて、すまんが、電話を切るぞ。これから、友人たちと約束があるのでね』
「あぁ、高校の時だかの知り合いか?一人、学校町に帰ってきたんだって?」
『あぁ…おかげで、また三人でバカ騒ぎできるのが楽しみだ』
「あぁ、高校の時だかの知り合いか?一人、学校町に帰ってきたんだって?」
『あぁ…おかげで、また三人でバカ騒ぎできるのが楽しみだ』
バカ騒ぎ?
どちらかと言うと常に淡々としていると言うか、感情の起伏が乏しく思えるあの友人がバカ騒ぎしている様子など想像できず、モンスの天使契約者は笑った
どちらかと言うと常に淡々としていると言うか、感情の起伏が乏しく思えるあの友人がバカ騒ぎしている様子など想像できず、モンスの天使契約者は笑った
天使系の都市伝説繋がりで知り合った友人
「組織」所属でない都市伝説契約者の知り合いらしい知り合いは、その友人しかいない
もっとも、初対面以降顔を合わせた事があるのは数回で、普段はこうやって電話で話す程度だ
しょっちゅう暴れすぎて「組織」から謹慎を喰らっている彼の、暇つぶしの電話に一々対応してくれる存在は、この友人しかいない
「組織」所属でない都市伝説契約者の知り合いらしい知り合いは、その友人しかいない
もっとも、初対面以降顔を合わせた事があるのは数回で、普段はこうやって電話で話す程度だ
しょっちゅう暴れすぎて「組織」から謹慎を喰らっている彼の、暇つぶしの電話に一々対応してくれる存在は、この友人しかいない
「んじゃあ、またな」
『あぁ。暇つぶしなら、いくらでも付き合おう』
『あぁ。暇つぶしなら、いくらでも付き合おう』
通話を切る
と、ちょうどいいタイミングで…お使いに行かせていた天使達が、帰ってきた
と、ちょうどいいタイミングで…お使いに行かせていた天使達が、帰ってきた
「ただいまです、ご主人様~!」
「ちゃんとお使いできましたです!」
「褒めて褒めて~!!」
「ちゃんとお使いできましたです!」
「褒めて褒めて~!!」
きゃあきゃあきゃあ
三人の天使が、一斉にモンスの天使契約者に抱きついた
家に入った途端、人間の姿から天使の姿に戻った彼女たち
冬でも、相変わらずの膝上ミニスカートで、スカートの中身が見えることなどお構いなしに勢いよくモンスの天子契約者に抱きつく
三人の天使が、一斉にモンスの天使契約者に抱きついた
家に入った途端、人間の姿から天使の姿に戻った彼女たち
冬でも、相変わらずの膝上ミニスカートで、スカートの中身が見えることなどお構いなしに勢いよくモンスの天子契約者に抱きつく
「あぁ、えらいなお前たち」
「えへへ~…」
「褒められたです、嬉しいです!」
「撫でて、撫でて~!」
「はいはい」
「えへへ~…」
「褒められたです、嬉しいです!」
「撫でて、撫でて~!」
「はいはい」
頭を撫でてやれば、天使達は嬉しそうに笑う
自分の契約している都市伝説は最強で、世界一の存在だ
モンスの天使契約者は、そう信じて疑わない
だから、モンスの天使達を、いつもべったり甘やかしているのだ
もげろ
そんな言葉をかけられてもおかしくない、いつもの光景である
自分の契約している都市伝説は最強で、世界一の存在だ
モンスの天使契約者は、そう信じて疑わない
だから、モンスの天使達を、いつもべったり甘やかしているのだ
もげろ
そんな言葉をかけられてもおかしくない、いつもの光景である
「もう少しでクリスマスだしな。お前ら、欲しいプレゼントとかないのか?用意してやるぞ」
「プレゼント?」
「私は、ご主人様が欲しいです!」
「ご主人様とイイ事したいです~!!」
「プレゼント?」
「私は、ご主人様が欲しいです!」
「ご主人様とイイ事したいです~!!」
むぎゅう
どさり
三人のモンスの天使に押し倒される契約者
あぁ、これはいつものパターンか
どさり
三人のモンスの天使に押し倒される契約者
あぁ、これはいつものパターンか
「わかったわかった、順番に」
「私が一番~!」
「ううん、あたし~!」
「僕なの!!」
「ご主人様、ワタクシをどうか一番に」
「ボク!ボクが最初!」
「っちょ、お前ら全員出るな……っ!?」
「私が一番~!」
「ううん、あたし~!」
「僕なの!!」
「ご主人様、ワタクシをどうか一番に」
「ボク!ボクが最初!」
「っちょ、お前ら全員出るな……っ!?」
きゃいきゃいきゃい
出していなかった天使達まで、姿を現して
モンスの天使契約者は、自分が契約している都市伝説達に、一斉に圧し掛かられたのだった
出していなかった天使達まで、姿を現して
モンスの天使契約者は、自分が契約している都市伝説達に、一斉に圧し掛かられたのだった
もげろと言いつつ終わる