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連載 - 恐怖のサンタ-b01

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uranaishi

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恐怖のサンタ クリスマス編 01



 西区にあるとある廃ビルの一室。
 月明かりの届かないその部屋を、数本の蝋燭が照らしていた。
 その仄かな明かりの前に立つ人間が、一人。
 隙間風に揺らめくその炎を見つめて、その人物は小さく呟いた。

「♪クーリスマスが今年もやってくる……か」

 その言葉、その息に合せて、炎が揺れる。

「ふん……何がクリスマスだ。何が聖夜だ。何が恋人たちの夜、だ」

 延々と紡がれる彼の恨み言に答える人間は、いない。

「全部壊してやる……何もかもだ」

 そう言って、男は何かを探すかのように、ぐしゃぐしゃと着ていたコートポケットを漁り始めた。
 ……少しして、目当てのものが見つかったのか、男がコートがら手を引き抜く。
 その手には写真が一枚、握りしめられていた。
 今それと握りしめている男と、一人の女性が寄り添うように写っている写真。
 男はそれをじっと見つめ……何かを断ち切るように、写真から目を逸らした。

「恋人なんて……この世には必要ない。俺が粛清してやる」

 そのまま、写真を宙へと放る。
 初めしばし停滞していたそれは、風に煽られ、ひらひらと舞い、
 それが蝋燭に照らされた僅かな空間から抜け出た、その時――――

 パンパンパンパンパンパンパンッ!

 ――――唐突に銃声が数発、部屋の中に響き渡った。
 それによって生じた風が、蝋燭の灯りを一瞬部屋の隅、壁の側にいる人物にまで届せる。
 一瞬照らし出されたのは、赤い装束を纏い、顔に白い髭を蓄えた男達。
 彼らが手に持った拳銃から放たれた球と共に、写真は舞い、貫かれ、小さくなっていく。
 …………そして

「血濡れのサンタ……この能力で俺は今宵、モテない男の神となる」

 床へと散らばった写真の破片を見て、男は小さく、呟いた。
 時刻は23時54分。血に濡れた狂乱の宴が始まるまで、後数分――――





【続】



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