「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 恐怖のサンタ-b04

最終更新:

uranaishi

- view
だれでも歓迎! 編集

恐怖のサンタ クリスマス編 04


12月24日 午後のとある時分

 閑散とした廃ビルの一室。
 人間が活発に動き回る時間と言う事もあり、ほとんどのサンタは町へと展開していた。
 時折聞こえる爆音や叫び声から、彼らの活躍を伺い知る事が出来る。
 ――そして一方、部屋に残されたサンタはと言えば……

「暇だなぁ」
「…………だな」
「契約者も外に出かけてるし……」
「俺らの仕事、ただ定期的にサンタを送り出す事だけだもんなぁ」
「やる事無さ過ぎだろ、この仕事……」
「次の供給まで後30分もあるけど、どうするよ……いやマジで」
「どうするったってなぁ……」
「じゃああれか、第百三十二回ポーカー大会の開催か」
「ポーカーはもういいだろ、いい加減…………」

 暇をつぶそうと、互いにだべり始めるサンタたち。
 部屋には、外の騒ぎとは対極の穏やかで怠惰な空気が流れていた。
 ――――しかし

「う……うぅ…………」

 唐突に部屋に入ってきた一人のサンタによって、その空気は壊された。
 その姿を見て、室内にいたサンタ達が騒然とする。

「なっ……どうしたっ、サンタ684?!」
「傷だらけじゃないかっ!?」

 その身体に刻まれていたのは、全身を覆う痣に、打撲痕。
 さらに骨が折れているのか、所々皮膚から突き出たそれが、その姿を一層凄惨なものにしていた。
 そんな身体を引きずりながら、サンタが口を開く。

「わ、悪ぃ……契約者の男二人に……やられた…………」
「今はしゃべんなっ。傷が悪化するだろうがっ!」
「今は謝るより治療が先だろ、馬鹿」

 傷ついたサンタの側へと、続々と集まっていく別のサンタ達。
 みな一様に、その姿を見て顔をしかめた。

「随分と酷くやられたな……」
「骨が数本……いや、数十本はいっちまってるな」

 サンタたちの手によって、傷ついたサンタの身体が検分され、手当てされて行く。
 ――そんな中、ふと疑念を漏らすサンタが、一人。

「……にしても、『煙突飛行』を使えばすぐに逃げられただろうに……」
「…………確かに」
「いざという時には使っていい事になってたよな、一応」
「でも歩いて帰って来たし……」
「……空間移動に制限でもかけられたのか?」
「いや、そこまでするような奴から逃げるのは無理だろ、普通」
「俺ら弱いもんなぁ……」

 口々にサンタは意見を交わし合い、
 黙っている傷ついたサンタへと、その視線を向けた。

「……で、そこんとこどうなのよ」
「やっぱりあれか、結界か何かか」
「この町にならいそうだもんな、そういう都市伝説も」
「俺らみたいなローカルな都市伝説がいる位だもんな」
「………………」

 向けられた視線に、沈黙する傷ついたサンタ。
 しかし、やがて答えなければならない状況を悟ったのか、彼は渋々と口を開けた。

「いや……それが……」
「ああ」
「どうした」
「何があったんだ?」

 詰め寄るサンタ達に、彼は言いにくそうに、事実を伝える。

「その…………やられてるうちに、何かほら、段々言い知れぬ快感が――――」
「………………」
「………………」
「………………」
「………………」
「……戻るか」
「ああ」
「全く人騒がせな……」
「――――湧いてきて……ってちょっ、あれっ!? ちょっと治療はっ?! 怪我人放ってどこに行くのさっ、ねぇっ!?」

 離れていく仲間達を、傷ついたサンタは慌てて呼び止めた。
 しかしサンタ達はそれを無視して、持ち場へと戻っていく。

「自業自得だな……」
「やっぱり『メリー・クリスマス』なんて言ってるからMになったのか……」
「いや待て、それを言えば『サンタ』はSだぞ」
「……ってか、俺らの能力ってまんまSなのに……」
「まさかMが生まれるなんて……」
「いやでも、そういえ俺らやられっぱなしだよなぁ……」
「ねぇ、皆さん? おーい…………」

 部屋に入り靴に、ぽつんと一人残されたサンタ。
 暖かいはずのその部屋で……しかし彼は小さく身震いをして、呟いた。

「あぁ、何なのこの快感…………これが放置プレイなのかしら……」






【終】



タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
ウィキ募集バナー