恐怖のサンタ クリスマス編 03
12月24日 某時刻
サンタたちの潜む廃ビルの、とある一室。
電気の供給など既に断たれたはずのその部屋は、しかし煌々と照らし出されていた。
その光源となっているのは、部屋の天井に張り巡らされた無数の照明と……部屋の中央に鎮座する、巨大なスクリーン。
そのスクリーン上には、学校町全土の地図が映し出され、さらに幾つもの赤い点がその中を動き回っていた。
スクリーンの前ではその点と同色の赤い服を着たサンタたちが忙しそうに駆けずり回り、己が担当する「部隊」についての報告を逐次、行っている。
電気の供給など既に断たれたはずのその部屋は、しかし煌々と照らし出されていた。
その光源となっているのは、部屋の天井に張り巡らされた無数の照明と……部屋の中央に鎮座する、巨大なスクリーン。
そのスクリーン上には、学校町全土の地図が映し出され、さらに幾つもの赤い点がその中を動き回っていた。
スクリーンの前ではその点と同色の赤い服を着たサンタたちが忙しそうに駆けずり回り、己が担当する「部隊」についての報告を逐次、行っている。
「サンタ1~20、南区繁華街に到着! 現地宣伝用サンタの中へと紛れ込みを開始しました!」
「サンタ21~40、同区商店街内に到着! 各店舗の開店と共に行動を開始します!」
「サンタ61~80、学校町各小・中・高校付近に展開! 生徒が登校するまでの潜伏に入ります」
「西区、東区にも同様に展開中! 順調に陣を整えています!」
「サンタ遊撃隊、学校町全域に展開完了! 『プレゼント』を開始しました!」
「サンタ21~40、同区商店街内に到着! 各店舗の開店と共に行動を開始します!」
「サンタ61~80、学校町各小・中・高校付近に展開! 生徒が登校するまでの潜伏に入ります」
「西区、東区にも同様に展開中! 順調に陣を整えています!」
「サンタ遊撃隊、学校町全域に展開完了! 『プレゼント』を開始しました!」
…………その喧嘩から離れ、その場を一人眺めるサンタが、一人。
サンタAと呼ばれるそのサンタは、飛び交う怒声と、スクリーンに映し出された地図を見て、満足そうに目を細めた。
サンタAと呼ばれるそのサンタは、飛び交う怒声と、スクリーンに映し出された地図を見て、満足そうに目を細めた。
「万事順調。これと言った問題もない……のだが」
そう呟いて、彼はつっと部屋のある場所へと目を向けた。
その一角、照明の光の届かない部分に置かれた、小さなソファー。
その上で丸くなっている男を見て、サンタAは小さくため息をついた。
その一角、照明の光の届かない部分に置かれた、小さなソファー。
その上で丸くなっている男を見て、サンタAは小さくため息をついた。
「……元気を出して下さい、契約者」
サンタAの言葉に、しかし男は何も答えない。
そのままさらに丸くなった男はさめざめと泣きながら、うわ言のように何かを呟いていた。
そのままさらに丸くなった男はさめざめと泣きながら、うわ言のように何かを呟いていた。
「何故血濡れのサンタじゃないんだ…………なぜ恐怖のサンタなんだ…………」
それを見て、契約者から一時的に指揮権を預かっているサンタAは、一層深いため息をついた。
何か対策を講じるべきか……?
そんな事を考え、しかし彼はすぐに首を振った。
……今は契約者よりもこの状況、だ。
そして、そんな彼の考えに呼応するかのように――――
何か対策を講じるべきか……?
そんな事を考え、しかし彼はすぐに首を振った。
……今は契約者よりもこの状況、だ。
そして、そんな彼の考えに呼応するかのように――――
「……緊急報告! 南区で行動していた遊撃隊員、サンタ238が消滅! ほぼ同時に、周辺にいた遊撃隊メンバーも続々と消滅していきます!」
画面を見ていたサンタの叫びが、室内へと響き渡った。
その叫びの最中にも、画面から赤い点が消え、何か別の白い点へと塗り替えられていく。
その叫びの最中にも、画面から赤い点が消え、何か別の白い点へと塗り替えられていく。
「……始まったか」
その状況を見て、しかしサンタAは慌てなかった。
……元々この町にはただでさえ都市伝説が多いのだ。
それだけに「組織」の目も当然、それ相応の厳しさを持っている。
大量の空飛ぶサンタなど、すぐに駆られる対象となった事だろう。
……しかしそれを知っているからこそ、サンタAは冷静に支持を出していく。
……元々この町にはただでさえ都市伝説が多いのだ。
それだけに「組織」の目も当然、それ相応の厳しさを持っている。
大量の空飛ぶサンタなど、すぐに駆られる対象となった事だろう。
……しかしそれを知っているからこそ、サンタAは冷静に支持を出していく。
「近辺にいる遊撃隊に戦闘の開始を伝え、隊員全てを戦場へ向かわせろ! 戦況を見て本部(ここ)からも援軍を出す!」
「はっ!」
「これから向かう遊撃隊に伝えておけ! もし足止めすらできないようなら即座に『煙突飛行』を使って退却しろ! 敵はあくまで学校町中のカップルであり、『組織』にそこまでの戦力は裂けん!」
「了解致しました!」
「はっ!」
「これから向かう遊撃隊に伝えておけ! もし足止めすらできないようなら即座に『煙突飛行』を使って退却しろ! 敵はあくまで学校町中のカップルであり、『組織』にそこまでの戦力は裂けん!」
「了解致しました!」
敬礼し、連絡室へとサンタが一人向かう。
その後ろ姿を少しの間サンタAは見送り……その姿が扉の外へと消えるのを見ると、視線をスクリーンへと移した。
最初の死亡者が出てから数分。
たったそれだけの時間で、スクリーン上の赤い点は大分その数を減らしていた。
その後ろ姿を少しの間サンタAは見送り……その姿が扉の外へと消えるのを見ると、視線をスクリーンへと移した。
最初の死亡者が出てから数分。
たったそれだけの時間で、スクリーン上の赤い点は大分その数を減らしていた。
「……やはり直接的な攻撃力を持たないサンタには限度がある、か…………」
そう言うサンタの顔には、しかし全く落胆の色がない。
今、スクリーンを見ている彼の関心は遊撃隊ではなく、全く別の部隊にあった。
その部隊は、この2日間の戦争に勝利するため編成された、特別部隊。
今の彼らの主戦力、偽兄貴に欠けた「何か」を見つけるべく、今この時も彼らは学校町中をある神を求めて探索を続けているはずだった。
……その部隊、サンタたちの全ての希望と夢の詰まったその名は――――
今、スクリーンを見ている彼の関心は遊撃隊ではなく、全く別の部隊にあった。
その部隊は、この2日間の戦争に勝利するため編成された、特別部隊。
今の彼らの主戦力、偽兄貴に欠けた「何か」を見つけるべく、今この時も彼らは学校町中をある神を求めて探索を続けているはずだった。
……その部隊、サンタたちの全ての希望と夢の詰まったその名は――――
「マ 神 捜 索 隊」
彼らに課せられた使命は二つ……マ神を見つける事、そしてその身体情報を本部へと伝える事である。
サンタAは、彼ら、たった一つのミスが(貞操の)死を意味するその任務へと着いた者たちに小さく祈り
サンタAは、彼ら、たった一つのミスが(貞操の)死を意味するその任務へと着いた者たちに小さく祈り
「マ神のデータを手に入れ、それを元に偽のマ神を製造できさえすれば……」
次々と減っていくサンタの点を見て小さく、呟いた。
「――――この戦争、俺たちの勝ちだ……!」
【終】