「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 花子さんと契約した男の話-41b

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
「帰りたくない……だと……!?」
「なんと大胆な女子だ!?」
「若……立派になられて…!!」
「祝言だ!祝言の準備を!!」

 ……あー
 まずは、あれだ

「…ちょっと待っててくれ」
「あ、うん」

 ミニスカサンタの格好のままのこいつを残し
 俺は、バレバレの状態でこっちを窺っていた親父たちの方に向かって、駆けた
 こう言う時は、あれだ
 親父を一番に黙らせるに限る!!

「おごはっ!!??」

 ごずっ!!と
 俺が放ったとび膝蹴りは、親父の顔面に直撃して黙らせる事に成功したのだった



 突然走り出し、父親に飛び膝蹴りをかましている花子さんの契約者の姿に、若干あっけにとられている女装少年
 そこに、あらあら、とミニスカサンタの衣装をまとった、花子さんの契約者の母親が姿を現す

「あらあら、あの人ったら、いつも早とちりなんだから」

 ころころと、わりと容赦なく父親に攻撃しているように見える息子の様子に、母はたのしそうにわらっていた


 ……数分後

「悪い、待たせた」
「あ、う、うん」

 父親と組員を黙らせてきた花子さん契約者が戻ってきた
 なんだか、色々と疲れた表情だ

「で、泊まりの件なんだが」
「いいんじゃないかしら?」

 花子さん契約者の母親が、微笑みながら答えた
 何か言いたげな彼の代わりに、女装少年に告げる

「どうせ、お部屋は余ってるもの。それに、今日はクリスマスイブ。組の皆さんが集まるから、お料理もたくさん作ってるの」

 問題ないわよ、とそう言って笑ってくる

「い、いいんですか?」
「えぇ。ねぇ、あなた?」

 …廊下の向こう側で安らかに力尽きかけている己の旦那に声をかける母親
 父親は、力尽きた体勢のまま……しかし、ぐ!と親指を立ててきた
 OK、ということのようだ

「……どうやら、いいらしい」

 良かったな、との花子さん契約者の言葉に
 女装少年は、うん、と頷いたのだった



 お袋が、「どうせなら、お風呂に入ってしっかり温まった方がいいんじゃないかしら」と言ってきて
 風呂の準備ができていると言うので、こいつを風呂まで連れて行く事になった
 風呂を借りる事を申し訳なく思っているのか、こいつは小さくなっている

「ご、ごめんね、獄門時君、お風呂まで借りることになっちゃって…」
「気にするな」
「…それに、クリスマス会か何か、するはずだったんでしょ?…混ざっちゃっていいの?」
「親父たちがいいって言ったし、問題ないだろ」

 …むしろ、問題は
 濃い組の連中とこいつが顔を合わせるわけで
 トラウマを残さないか色々と心配だ

「…うちの組、わりと濃い連中多いから。一部は見なかった事にした方がいいかもしれない」
「あ、い、いや、そんな事ないと思うよ?」

 …その言葉、多分、後悔すると思う

「えっと、お父さん?の周りにいた人達って…」
「…組の構成員。まぁ、家にいる事多いし、家族みたいなもんだが」

 賑やかだね、といわれて、無駄にな、と答えておいた
 …もうちょっと
 もうちょっと、静かでもいいと思うんだ、色々と
 まぁ、一番煩いのは親父なんだが

 と、もうちょっとで風呂場、と言う所で

「あ、兄貴、帰ってきてたんだ。お帰り……って、その子、誰?」

 妹と、顔を合わせてしまった
 …あ、そう言えば、妹とこいつ、初対面か?

「クラスメイトだよ」

 簡潔にそう答えておく
 ふーん、と妹はやや疑わしげな視線をこいつにやって

「…まぁ、いいけど。兄貴が知り合い家に上げるなんて、何かあったの?」
「色々と」

 説明は、後にしておこう
 何と言うか…うん、簡単に説明するのが、ちょっと難しいぞ、うん

「ほら、お前は部屋の飾りつけあるんだろ?」
「あ、うん。花子さんにも手伝ってもらっていい?」
「まぁ、いいんじゃないか?炬燵ある部屋にいるから、声かけておけ」

 わかった、と答えて、妹はぱたぱたと廊下をかけていく
 …その後ろ姿を見送って、こいつが呟く

「妹さん?」
「あぁ」

 年々生意気になって困る
 思わずそう愚痴ると、こいつは笑って

「可愛い妹さんじゃない。大事にしないと駄目だよ?」

 そう言って、笑ってきて
 -------気のせいだろうか?
 そう言った、こいつの表情に、影がさしたような
 一瞬、言い表しようのない、寂しさのような、絶望のような、そんな表情が、見えたような気がしたのは?

「…言われなくてもそうするさ」

 家族だからな、と俺が答えてやれば

「うん、そうだよね」

 と、こいつは、先程の影など、まったく感じさせない笑顔を浮かべてきた

「ほら、ここ脱衣所だから。タオルはその辺にあるの適当に使って大丈夫だ」
「あ、うん、ありがとう」

 ぱたぱたと、脱衣所に入っていって…
 ………

「?どうかしたの?」
「…ちょっと待ってくれ」

 うん
 この気配は、あれだ
 俺は、脱衣所になぜか常備してあるドスに手を伸ばして

 ------っが!!!

 天井に向かって、投げつけた
 こいつが驚いているが、それに言い訳している暇はない

「蛇城さん、こいつは怪しい奴じゃないから、天井から見張る必要ないですから」
「…………わかりました、若がそう仰るなら」

 天井から帰ってきた返事
 やっぱりいたか…蛇城さん
 心配してくれるのはありがたいが、天井裏に潜んで見張るとか不審者だからやめてほしいんだが

 ずるずるずる
 天井を這っていく音に、こいつはきょとん、として

「個性的な人がいるんだね」

 と、正直な感想をしてくれて

「……あぁ、まったくだ」

 と、俺はかすかに頭痛を感じつつ、そう答えるしかないのだった




続くかどうかはわからない





タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
ウィキ募集バナー