「新年、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
「あ、こちらこそよろしく…と言うか、Dさん、そんな深々と頭下げなくてもいいですから」
「あ、こちらこそよろしく…と言うか、Dさん、そんな深々と頭下げなくてもいいですから」
深々と頭を下げた黒服に、かごめかごめと契約している青年は慌ててそう言った
丁寧なのは悪い事ではないと思うのだが…彼は、黒服にここまで丁寧に新年の挨拶をされるような身ではない、と思ってしまう
禿の事とか禿の事とか禿の事とかで、この黒服には色々と迷惑をかけているのだし
丁寧なのは悪い事ではないと思うのだが…彼は、黒服にここまで丁寧に新年の挨拶をされるような身ではない、と思ってしまう
禿の事とか禿の事とか禿の事とかで、この黒服には色々と迷惑をかけているのだし
「近頃は「組織」内でも妙な動きが多いそうですから…何かありましたら、相談に乗ります」
「……そのセリフ、そっくりそのまま返させてもらいます」
「……そのセリフ、そっくりそのまま返させてもらいます」
「組織」内で問題が起きた場合、どう考えても危険なのは黒服のほうだ
強硬派や過激派に「邪魔者」と認定されてしまっているらしい彼は、「組織」内で味方も多いが敵も多いのだから
黒服に付き添ってきていた望と翼も、かごめかごめの青年と同じ事を考えたのだろう
心配そうな視線を送っている
強硬派や過激派に「邪魔者」と認定されてしまっているらしい彼は、「組織」内で味方も多いが敵も多いのだから
黒服に付き添ってきていた望と翼も、かごめかごめの青年と同じ事を考えたのだろう
心配そうな視線を送っている
「…それじゃあ、行きましょう、黒服」
「あぁ、はい…それでは」
「あぁ、はい…それでは」
と、黒服達が帰ろうとした、その時
「あけましておめでとー」
「おとしだまちょうだいー」
「おとしだまちょうだいー」
ちょーん、と
可愛らしく手を伸ばしてきた、ロリ二人
可愛らしく手を伸ばしてきた、ロリ二人
……場が、沈黙に包み込まれる
「…新年早々、何やってるんですか、あなたたちは!?年齢詐欺してまでお年玉が欲しいですか!?」
始めに正気に戻ったのは、かごめかごめの青年だった
何をやっているのだ、この狐二人は!?
何をやっているのだ、この狐二人は!?
そう、このロリ二人、青年と契約しているハクとコンだ
ちゃかり、子供の姿でお年玉をゲットしようとしている
二匹相手に突っ込んでいる青年の様子に、黒服は小さく苦笑して…コートから、それを取り出す
ちゃかり、子供の姿でお年玉をゲットしようとしている
二匹相手に突っ込んでいる青年の様子に、黒服は小さく苦笑して…コートから、それを取り出す
「はい、どうぞ」
「え」
「え」
す、と
ハクとコンに、お年玉が渡された
ハクとコンに、お年玉が渡された
「っちょ、黒服!?」
「こいつら、子供じゃないんだろ?」
「こいつら、子供じゃないんだろ?」
望と翼が突っ込むの、だが
「いえ、お二人にも、去年お世話になっていますし。「組織」内でしっかりと働いてくださっているのですから」
…特に、ハク相手には、顎砕き飴の契約者の情報を提供してもらった恩もある
黒服としては、そう考えているのだ
かごめかごめの青年と、ハクとコンに、黒服の柔らかな笑みが向けられる
黒服としては、そう考えているのだ
かごめかごめの青年と、ハクとコンに、黒服の柔らかな笑みが向けられる
「少ない額で申し訳ありませんが。どうぞ、受け取ってください」
黒服Dの善意の笑顔!
ハクとコンの良心に9999のダメージ!!!
ハクとコンの良心に9999のダメージ!!!
が、それでも渡されたポチ袋は放さない狐二人
…ここで話したら、逆に黒服に失礼である
…ここで話したら、逆に黒服に失礼である
黒服達が帰った後、じと目でかごめかごめに睨まれ
「…新年早々。少しは反省してください」
「「…………はい」」
「「…………はい」」
と、ハクもコンも、珍しく素直に頷いたのだった
終われ
オマケ
コン「うわ、一万円も入ってる!?」
かごめかごめ「っちょ、どこが少ない額なんだ!?」
ハク「…そう言えば彼、元々趣味らしい趣味もないから給料ほぼ手付かずで溜まってて、結構な小金持ちだとか…」
かごめかごめ「っちょ、どこが少ない額なんだ!?」
ハク「…そう言えば彼、元々趣味らしい趣味もないから給料ほぼ手付かずで溜まってて、結構な小金持ちだとか…」