…学校町にて、とあるマッスル黒服が、手をつけられないほどの進化を遂げていた、その時
「~~~~~~~っ」
「ち、ちょっと黒服、大丈夫!?」
「…大丈夫、です」
「ち、ちょっと黒服、大丈夫!?」
「…大丈夫、です」
一人の黒服が、激しい胃痛と頭痛を覚えていた
ただでさえ、上空のカオスな地獄得ずを前に軽い胃痛と頭痛を覚えてはいたのだが
しかし、この瞬間のこの痛みは、それまでの比ではない
なぜか、この黒服には、胃痛と頭痛の原因がピンポイントでわかってしまった
……誰か、あの同僚を止められる勇者は「組織」内に存在しないのだろうか
祈るように、考えてしまう
ただでさえ、上空のカオスな地獄得ずを前に軽い胃痛と頭痛を覚えてはいたのだが
しかし、この瞬間のこの痛みは、それまでの比ではない
なぜか、この黒服には、胃痛と頭痛の原因がピンポイントでわかってしまった
……誰か、あの同僚を止められる勇者は「組織」内に存在しないのだろうか
祈るように、考えてしまう
「…すみません、もう大丈夫です」
「本当に?」
「酷い顔色だぞ」
「本当に?」
「酷い顔色だぞ」
先ほどまで、むしろ心配される側であった翼にまで心配され、黒服は小さく苦笑した
大丈夫、と二人を安心させるように笑いかける
大丈夫、と二人を安心させるように笑いかける
「私は大丈夫ですから…ほら、行きましょう」
「え、えぇ」
「え、えぇ」
二人と一緒に、歩き出す
はらはら、雪が降り続ける学校町
はらはら、雪が降り続ける学校町
上空にさえ目を向けなければ、ロマンチックなホワイトクリスマスといったところだろう
上空にさえ、目を向けなければ
「組織」による能力が動いているのだろう、幸い、一般市民は気づいていないようだが…自分たちのような都市伝説や都市伝説契約者の目までは、誤魔化せないようである
…上空を飛び回るものたちの三分の一は「恐怖のサンタ」だ
彼らに好き勝手されるわけにはいかないから、モンスの天使達の出動も、やむを得ないのかもしれない
上空にさえ、目を向けなければ
「組織」による能力が動いているのだろう、幸い、一般市民は気づいていないようだが…自分たちのような都市伝説や都市伝説契約者の目までは、誤魔化せないようである
…上空を飛び回るものたちの三分の一は「恐怖のサンタ」だ
彼らに好き勝手されるわけにはいかないから、モンスの天使達の出動も、やむを得ないのかもしれない
「………」
黒服は、隣を歩く翼に、気遣うように視線をや琉
恐怖のサンタによって、精神的苦痛を負ってしまった翼
もう大丈夫だ、とは言っているが、無理をしているのがわかる
恐怖のサンタによって、黒服と望の惨殺死体を見せられ
それによって、過去の辛い記憶まで、引きずり出されてしまったのだ
意識を失っていた翼は、うわ言で黒服と望の名前と…過去に思い焦がれ、そして救えなかったと考えている女性の名前を呼んでいた
精神的な不調が、体にまで影響を及ぼしている
恐怖のサンタによって、精神的苦痛を負ってしまった翼
もう大丈夫だ、とは言っているが、無理をしているのがわかる
恐怖のサンタによって、黒服と望の惨殺死体を見せられ
それによって、過去の辛い記憶まで、引きずり出されてしまったのだ
意識を失っていた翼は、うわ言で黒服と望の名前と…過去に思い焦がれ、そして救えなかったと考えている女性の名前を呼んでいた
精神的な不調が、体にまで影響を及ぼしている
…彼の、その記憶に関しては、黒服も覚えている
黒服も、あの時関わったから
黒服も、あの時関わったから
あの、真っ赤な真っ赤な光景を
黒服も、はっきりと覚えていた
黒服も、はっきりと覚えていた
だからこそ、黒服にも、翼の抱える傷の痛みがわかる
あの時、翼がどれだけ苦しみ傷ついたか、知っている
あの時、翼がどれだけ苦しみ傷ついたか、知っている
救えなかったと苦しんだ
実る事のなかった、伝える事すらできなかった初恋に苦しんだ
実る事のなかった、伝える事すらできなかった初恋に苦しんだ
その苦しみを、二度と味わう事のないように
もう、後悔をしないように
翼が、強くなろうとし続けた事も知っている
もう、後悔をしないように
翼が、強くなろうとし続けた事も知っている
----自分も
強くならねば、と黒服は考える
翼と、望、二人の契約者を護る為にも
強くならねば、と黒服は考える
翼と、望、二人の契約者を護る為にも
強いようで脆い翼と、「顎砕き飴」の契約者に狙われている望
二人とも、護ってみせる
自分の契約者であるから、という理由以上に
…二人は、大切な家族だから
何があっても、必ず護りぬいてみせる
二人とも、護ってみせる
自分の契約者であるから、という理由以上に
…二人は、大切な家族だから
何があっても、必ず護りぬいてみせる
「…黒服?どうしかしたのか?」
黒服の視線に気付いたのだろう
翼が、不思議そうに首をかしげてきた
…望が、やや面白く無さそうに、黒服の手をぎゅう、と握る
翼が、不思議そうに首をかしげてきた
…望が、やや面白く無さそうに、黒服の手をぎゅう、と握る
「いえ、何でもありませんよ」
「そうか?」
「そうか?」
首をかしげたままの翼
黒服や望など、周りを心配してばかりで、翼は自分の身など気にしないから、心配されているのがわからないのかもしれない
……その点に関しては、黒服も人の事は言えないのだが
黒服や望など、周りを心配してばかりで、翼は自分の身など気にしないから、心配されているのがわからないのかもしれない
……その点に関しては、黒服も人の事は言えないのだが
「…このまま、今日は外を回りましょうか?夕食は、私がどこかで奢りますから」
「え?…夕食、俺が作るぞ?」
「え?…夕食、俺が作るぞ?」
黒服の、この提案に少し慌てたようにそう言って来た翼
…今日はクリスマスイブだから、何か料理を作って、それをクリスマスプレゼントにでもするつもりだったのかもしれない
それは、黒服も何となく、感づいてはいたのだが
…今日はクリスマスイブだから、何か料理を作って、それをクリスマスプレゼントにでもするつもりだったのかもしれない
それは、黒服も何となく、感づいてはいたのだが
「しかし、あなたは今日は疲れていらっしゃるでしょう?ゆっくりお休みになった方が」
「でも…」
「いいから、あんたは休んでなさい」
「でも…」
「いいから、あんたは休んでなさい」
ぴしゃり
望が、翼を見上げて、黒服の代わりに続ける
望が、翼を見上げて、黒服の代わりに続ける
「…クリスマスプレゼントなら、明日でも大丈夫よ。無理して倒れられたら、そっちの方が迷惑」
「ぁ………」
「ぁ………」
…ようやく、心配されていたのを自覚したらしい
御免、と翼は小さく苦笑した
御免、と翼は小さく苦笑した
「…それじゃあ、明日。何か、好きな料理、作ってやるから」
「楽しみにしてるわよ?」
「楽しみにしてるわよ?」
翼と望の様子に、黒服はほっとしたように微笑む
「…さて、それでは行きましょうか」
望と手を繋ぎ、翼と並んで
黒服は、雪ふる街を歩いていく
黒服は、雪ふる街を歩いていく
せめて
せめて、今日だけでも、いや、残りの時間だけでも
二人に、心穏かでいて欲しい
戦いに明け暮れる宿命に囚われているかのような、この二人に
せめて、この聖夜だけでも………穏やかでいて欲しい
せめて、今日だけでも、いや、残りの時間だけでも
二人に、心穏かでいて欲しい
戦いに明け暮れる宿命に囚われているかのような、この二人に
せめて、この聖夜だけでも………穏やかでいて欲しい
黒服は、そう願わずにはいられないのだった
fin