アットウィキロゴ

「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - わが町のハンバーグ-44

最終更新:

meat

- view
だれでも歓迎! 編集
「というわけで、雪ちゃんと買出し言ってきてくれ。ちょうど卵切らしちまって」


「全く、どういうわけだ店長め…」「わぁ、あそこ、ハトしゃんいっぱいれすよ~!」

店長からの急な指令によって雪歩とおつかいに行かされた友人。
本人はただ食材の配達に来ただけなのだが…。どうにも店長の強引な頼みは断れないらしい。
「…定食だけは勘弁してくれ」「わぁい、待て待て~!」「って、雪歩ちゃん離れちゃ駄目だって!」


「全く…どこに危険があるか分からんってのに…」「わぁ、しゃかなしゃんいっぱい泳いでます~!」「って、言ってるそばから!…ッ!」


突然、彼の能力が働いた。危機察知能力『虫の知らせ』が。

虫の知らせには、大きく分けて二つの効果がある。一つは、予知的な危機察知。もう一つは直感的な危機察知。
前者は危機の対象とその危機が起こりうる期間が、後者は危機が向かってくる方向が分かる。
今回働いたのは、明らかに後者。そして彼の直感の示した危機の方向、そちらを見ると…



右側から、軽トラが猛スピードで前進してくる…!そして雪歩ちゃんが車道へと飛び出しているわけで…!


「あぶねぇっ!」「ひゃ、ひゃわっ!?」
友人は、雪歩を抱きかかえるようにして反対側の車道へと転がり込む。


「つつ…大丈夫か…?」「は、ひゃい…」
…間一髪、ぶつからずに済んだようだ。

……なお、友人は雪歩を抱きしめたままである。無論雪歩の頬は赤くなっている。


「…あー、まぁとりあえず立って。ほら運転手に謝りに行かなきゃ」
軽トラのほうを見ると、歩道によって止まっていた。そりゃいきなり人轢きそうになったら止まるわな。


「あ、あのー…すいません、俺の不注意で…ほら雪歩ちゃんも謝って」「ぁ、ぁぅー…すいまへん…」
立ちあがり、謝罪の言葉を述べる。彼らの言葉を聞いてか、運転手が軽トラのドアを開けた…



その直後、中から拳が飛んできた。

バキィ!「ぐはっ!」


そのパンチを顔面にくらい、吹っ飛ぶ友人。

「わわ、ゆ、友人しゃん!ら、らいじょうぶれすか…?」「ん、あぁ…急所は何とか避けた…」


拳の主は、まぎれもなく軽トラの運転手であった。

…若干、いやものすごく目が虚ろであるが。
「クケケ…ケラケラ…ケタケタ」「…コイツ、完全に頭が大変な方向に傾いてやがる…」「あ、あぶらいひと…」

「…クヒヒ…みんなでいっしょに、逝ってみよう!殺ってみよう!」


ヤバイ人のヤバイ掛け声と共に、ビルの影や軽トラの荷台に隠れていたらしい同じくヤバイ人がやばいくらいぞろぞろと出てくる…

「こりゃあ…今流行の『コーク・ロア』かね?…雪歩ちゃん、危ないから離れないようにな」「…ひゃい…」
「フヘヘ…では、みんなで一緒に、ボッコボコだ!」
おそらくリーダーと思われる男の声と共にゆっくり、ゆっくりと友人たちを囲み、近づいてくる。


「質より量、ってか。だったらこっちも量で対抗してやろうじゃないか!」


ゴトゴト。ゴトゴト。
突如、道端にあるポリバケツが振動を始める。

ゴトゴト、ゴトゴtバカンッ!


ふたが開くとともに、中から大量のアレが出現する。


カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ…
数えるのもおぞましいほどにポリバケツから無限に現れ友人の元に集っていく。
洗脳された者のうち何人かがその波にのまれ、川へと落ちていく。

「ゲハハ…やるきか」「……といっても、多人数戦苦手だし…逃げようぜ!」
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ…Gが、友人を包み込み…弾ける。



……姿を現した友人には、茶色い翼が背中から生えていた。
遠くから見ると光沢がありまるで堕天使の翼のようであるが、近くで見るとGがびっしりとひしめいていてとても気持ち悪い。

「グフフ…逃がさないよ、とっとと捕まえてやろうぞな!」洗脳者がどんどんと近づいてくる。

「しっかりつかまってろよ雪歩ちゃんっ!」「ふぇ?…ひゃわっ!」


友人は、茶色き翼で、空を飛んだ。
洗脳者たちの手の届かないような天空まで、雪歩をお姫様だっこした格好で舞い上がった。



……



「よし、ここまで来れば逃げられただろ」
既にコーク・ロア洗脳者達に囲まれた所は見えなくなっている。足元あたりにも人影は見えない。
「んじゃ、このまま帰ろうか?」「…ぁ、あの…」「んあ?」
頬を赤らめ俯きながら、雪歩は静かに口を開いた。

「…もう少し、空からのけひきを、み、見たいのれす…」
「ん、おk。んじゃあもうちょっと空の旅をバリィ!…え?」何かが破れるような音がした右のほうを見る。


……茶色い翼に、ぽっかりと。大きな穴が開いていた。
まるで、光の速さで何かが貫通したかのように。



「……っでぇぇぇぇぇぇ!!?」「ひゃわぁぁぁぁぁぁ!??」

彼らを支える翼は、最早使い物にならないわけで…

二人は、真っ逆さまに地上へと落ちていく…
「まずいっ…!このままじゃ…」「わぁぁ!!これが『スカイダイビング』っていうのれすか!」
「ちょ雪歩ちゃんそんなこと言ってる状況じゃないこれ!?」
生きるか死ぬか…そんなまじめな場面でもなおこの状況を楽しむ(?)雪歩。

だが友人のほうは楽しんでもいられないわけで。
「っくっ!穴をふさげば何とかなるか!?」
そう言って友人は右翼の穴を補修するため左翼のGを右へと移動させ始める。


「……っ、コレじゃ…ブレーキもできねぇ…」
補修が終わるころには、両翼は一回り小さくなっており飛ぶどころか速度制御もできない。


「何か無いか何k「『天使の聖杯』!」

突然、遠くのほうから声がした。
声がしたかと思うと、その方向から何かがものすごい速さでこちらへと向かってきて。
向かってきたかと思うと、今度は自分たちの足元から何かがせり上がってきて。


ぽよーん。


何とも間抜けな音を出して、二人はせり上がってきたトランポリンのようなものに受け止められた。

「…これは」「ごめんねー。考え事してたら思いっきりぶつかった、というか貫通しちまったみてーで」

先ほどものすごい速さで迫ってきていたもの…というか人。どうやらこの人が翼に穴をあけた犯人のようで。



……


「しっかし、すげぇ量のGだな……てか、俺はそのGの大群の中に突っ込んだという訳か…おぉこわ」
おどけたように身を震わす。…なんか、思いだしてきた…


「あんた…確か『首塚』の」「おっ、俺を知ってるか。いやぁ俺も顔が売れたもんだねぇ」
「友人しゃん、知り合いれすか?」「ん、いやまぁ知り合いというか、知ってる同士というか…」
確か『厨二病』の契約者とかいったか。実際に会ったことも話したこともないので知り合いではない。だがうわさでは聞いている。

そんな微妙な間柄が理解できずに、雪歩ちゃんは首を傾げてうなっている。

「まぁなんにせよ空中デート中のとこを申し訳ないな」「……で、デートではない。うん、決して」
「またまたぁ、お熱いねぇ…ま、邪魔するのも悪いしぃ?この埋め合わせはまたいつかするからよ、んじゃ!」

それだけ言うと、ものすごい速さでどこかへと飛んで行ってしまった…


「……何だったんだ」
噂には聞いていたが、本当に俺より年上なのかと思ってしまうくらいに子供っぽかった。

「…とりあえず、帰ろうか」「…ひゃい」



……

「………あ、卵忘れてた」……終わり



タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
最近更新されたスレッド
ウィキ募集バナー