「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者-34e

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匿名ユーザー

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「よぉ」
「あ、Hさん」

 白い蛇にセクハラ紛いの事を色々された後
 三面鏡契約者の少女の前に、再び黒服が姿を現した
 ……しゅるりっ
 少女の巫女姿を見た瞬間、黒服はまた、髪を伸ばす
 いつもの事なので慣れてしまった自分がちょっぴり悲しい少女である

「迷子の子、見付かりました?」
「あぁ、おかげさんでな。それを伝えに来た」
「そっか。良かった」

 ほっと、笑みを浮かべる少女
 Hの言っていた迷子が無事見付かったその事実に安堵する
 迷子になった女の子がどんな相手なのか、少女は知らない
 けれど、迷子と言う状態は、少なからず不安な状態のはずだ
 心細さと隣り合わせ、そんな状態
 その女の子が、そんな状態から解放された
 その事実を、少女は素直に喜ぶ
 ……まぁ、実際の所、その迷子は迷子の自覚などカケラもなく、心細さなんてこれっぽっちも抱いていなかったのはさておき、だ

「悪いな。お前さんにも探させるような事して」
「いえ、いいんですよ」

 …「組織」の仕事があまり手伝えないから、これくらい
 そうとでも言うように、少女は微笑む
 ……セクハラしてきてばかりの印象の黒服Hだが、少女が知っている限り、彼は積極的に働いているように見えた
 実際には、サボったりサボったりサボったり同僚部下上司にセクハラしている事も多い事実を少女は知らない訳で
 そんな彼や、少女が他に面識ある黒服である、某過労死候補生の黒服のように常に働いている者を見ていて…自分は、役に立てているだろうか?と少女は悩んでしまうのだ
 だからこそ、少しでも役に立てたなら、嬉しい

 ……と
 そうして、話していて…少女は気づく

「?Hさん??」

 じ……っ、と
 黒服Hが、少女を見つめてきている
 頭の天辺からつま先まで、じっくりと
 …どうしたのだろう?
 既に、この巫女衣装を見ているのは二回目
 何を、そんなにじっくり見ているのだろう
 不思議に想い、思わず首をかしげていると…

「…お前さん、何をつけてる?」
「ふぇ??」

 え?と
 黒服Hの言葉に、少女はさらに首をかしげる

「つけてる、って…」
「体に、何か纏わりついてるな?気づいてないのか?」

 …黒服Hの言葉に、はっとする少女
 確かに、今、少女の体には、トイレで出会ったあの白蛇が巻きついている
 …巫女衣装に隠れて見えないはずだと言うのに、平面化して刺青のように少女の体に張り付いているその白蛇に、黒服Hは気づいたのだ

 何故、気づけたか?
 普通に考えれば、「組織」の黒服としての、都市伝説探知能力が働いたと思うのが普通だろう
 ……しかし、この黒服H、「組織」の黒服としての能力はかなり低い
 都市伝説探知能力は持っていない訳ではないが、意識して集中しなければ使いこなせないのだ
 よって、こうやって少女と話している最中、突然その能力が発動して、少女に巻きつく白蛇に気づくという事は、まずない

 ………ならば、何故、気づいたか?
 それは、彼が黒服Hであるが故である
 少女の体に…それも、服や下着ごしではなく、素肌に直接張り付いている蛇
 エロい
 はっきり言って、エロい
 すなわち……彼のエロセンサーが働いた
 ただ、それだけの酷く単純な理由である
 酷い理由だが

「あ、えっと、これは」

 わたた
 急いで、説明しようとした少女
 …が

 しゅるり
 それよりも先に、黒服Hの髪が少女に向かって伸びてきた

「にゃ!?え、Hさん!?」
「まぁ、危険なものだったらアレだし。調べるぞ?」
「し、ししししししし、調べるって!?」

 不味い
 なんと言うか、心配してくれているのはわかる
 わかる、けど
 ……同時に、セクハラする気満々だ!?
 ものすっごいいい笑顔してる!?

「あ、あの、私、アルバイトの最中で」
「安心しろ。「組織」ってのはそう言うのを誤魔化すのは得意分野でな」
「にゃーーーーーーーーーっ!!??」

 しゅるるるるるるるる
 巻き付いて来る、髪
 酷く優しく、労わるように巻きついてくるのだが…それが、逆にくすぐったく、ぞくぞくとした感触を覚えてしまう

「っちょ、ままま、待って……にゃーーーーーっ!!??は、袴の下はだ……」

 思わず、悲鳴をあげる少女


 ----その時
 悲鳴を聞きつけた救世主が!!!


「…何か、今、こっちから逢瀬の悲鳴が聞こえてきた…よう………な…」

 ………
 …沈黙
 ふらりと、この場に現れた救世主…袴を来た少年の姿に、ぴし、と少女は固まった
 …その少年が、クラスメイトだったからだ
 休み時間は寝ているか教室にいないかのどちらかなので、話した事はあまりないが……そこにいるのは間違いなく、少女のクラスメイトの獄門寺で
 獄門寺は、少女の現状を見て…

「…………邪魔したな」

 と、ふっ、と
 遠い目をして、少女に背を向けた

「にゃーーーーーーーーっ!!??じゃ、邪魔じゃない!邪魔じゃないよ!?だから助けてーーーっ!?」
「…他人の趣味とか性癖に、口突っ込む気はないんで。ただ、そう言うプレイはもっと人気のない場所でするのをオススメする」
「にゃーーーーーーーっ!!??」

 違う!?
 何か色々と誤解されている!?
 少女は、必死に誤解を解こうとするが

「話がわかるじゃないか。それじゃあ、俺たちはちょっと場所を移動しようか」
「にゃーーーーーーっ、っちょ、Hさん待って、待ってーーーーっ!?そして獄門寺君も待ってー!お願い助けてーーーー!!??」

 …救世主は、救世主ではなかったようで
 が、ここで救われなければ、自分は救われない!!
 色々と見なかった事にしようとしている獄門寺を、少女は必死に退きとめようとしていたのだった








「H-No,360は何をやっているのじゃ?」
「…お嬢様は知らなくとも良い事です」

 そんな様子を、少し離れた所から見ている二人がいたことに
 少女はこれっぽっちも気づかぬままだったそうな





おわれ





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