「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 仲介者と追撃者と堕天使と-11

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だれでも歓迎! 編集
 彼女は、可愛い物が好きである
 彼女曰く「かぁいいもの」が好きである
 それは、生物無生物を問わない
 かぁいいものを見つけると、彼女はそれはもう、メロメロになってしまって
 時として、理性のタガが外れてしまう

 …無生物相手ならば、それが店の売り物などであるならば、それを手に入れるべく努力するという真っ当な手段をとってくれるのに
 どうして、都市伝説とか都市伝説契約者相手だと、その辺りの理性のタガが見事に外れてしまうのか

 彼女の弟と彼女の恋人は、そう悩まざるを得なかった


「…少年、本当に申し訳ない」

 深々と頭を下げる、中性的な外見の青年、玄宗 直希
 直希に深々と頭を下げられて、少女…否、女装少年は、困ったような表情を浮かべる

「流石に、家まで誘拐されてくると、ちょっと事情を聞きたいです」
「OK。君が思ったよりも冷静で助かった」

 ほっと息を吐いている直希
 …苦労してるんだなぁ、と女装少年はそんな様子を見てしみじみと考える

 ……と、そうしていると
 部屋の扉が開き、女装少年をお持ち帰りしてしまった女性と、そんな女性を正気に戻そうと悪戦苦闘していた青年…マステマが、よろりと部屋に入ってきた

「……御免なさいっ!また、迷惑かけちゃって」
「っふ……やっと、エリカを正気に戻した、ぞ…」

 女装少年に頭を下げてくるエリカと、割と本気で力尽きそうなマステマ
 …一体、向こうの部屋で何があったのだろう
 想像しようとした女装少年だが、うまく想像できなかった

 ……そのまま事情を聞いた所によれば
 彼女は、かぁいいものが好き、との事
 そのかぁいいものには、世間一般が認めるかぁいいもの以外にも、ネコミミつけた成人男子やら、女装した男やらも含まれるらしい

 …まぁ、つまり
 女装した少年、しかも、女装がとってもとっても似合っている女装少年などは、見事にどストライクだった訳である
 女装少年にとっては、迷惑極まりない事実だが

「あの…」
「なぁに?」

 正気に戻った女性…エリカは、あの暴走時の様子など嘘のように、穏かに女装少年に対応していた
 お茶等淹れて来て、ケーキまで出してくれて
 …いいのかなぁ、と思いつつ、女装少年はそれらをご馳走になっていた

「その、エリカさんは…お持ち帰りしたものを、どうするん、ですか…?」
「あぁ、そうそう。その事で、あなたに話があるのよ」

 にっこり、微笑むエリカ
 …綺麗な人、なんだけどなぁ、と思う
 あの暴走さえなければ、多分、モテるのではないだろうか

「あなた、私の絵のモデルになってくれない?」
「…………もでる??」

 きょとんとする女装少年
 えぇ、とエリカは微笑みながら続ける

「あなた、とってもいい素材なの!構想がモリモリ沸いてくるわ」
「…画家、なんですか?」
「姉さんは、業界ではそれなりに知られている画家だよ」

 紅茶のお代わりを持ってきた直希が、女装少年の問いに答えた
 そして、少し呆れたような表情浮かべて、続ける

「姉さん曰く、かぁいいものは素晴らしい素材らしいな。絵画的に」
「そうよ。かぁいいものを見てるとね、絵に残したくなるの」

 キラキラと瞳を輝かせて、エリカは言い切る
 うーん、と、女装少年は考え込んだ
 絵のモデル
 どうやら、エリカは真剣に、女装少年をモデルじ絵を描きたいらしい
 その真剣な様子は、はっきりと伝わってくる

「もちろん、お礼はするわよ?」
「う~ん…」

 考えて、考え込んで
 …やがて、答える

「夕食の時間までには、帰らないと駄目ですけど…」
「構わないわ。出来れば、絵が描き上がるまで通ってくれるとありがたいけど……」
「いいですよ」

 真剣な思いを、無碍にするのも悪い
 それに…自分がモデルをやっている間は、少なくとも他にお持ち帰り被害者は出ないのではないか
 そう考えて、女装少年はそれを承諾した
 嬉しそうに、嬉しそうに、エリカは満面の笑みを浮かべてくる

「ありがとっ!それじゃ、おねーさん準備してくるわね!」

 すっく!と立ち上がり、ぱたぱたと部屋に向かう女性
 その後ろ姿を見送り、直希が女装少年に視線を向けてくる

「本当に、良かったのか?」
「はい。あの、エリカさんは、真剣に僕を描きたい、って言ってくれていたみたいだし…」
「……本当、申し訳ないな」

 苦笑し、直希が女装少年に頭を下げる
 ……なお、マステマは結局、力尽きてソファーに寝かされていた
 どうやら、彼女相手に色々と苦労しているようである

 もぐ、とケーキを食べ終えて、女装少年は直希の案内で、エリカのアトリエに向かう
 がちゃり、アトリエの扉が開かれ…わぁ、と女装少年は、小さく感嘆の声をあげた
 いくつものキャンパスが並ぶアトリエ
 完成済みの絵もあれば、途中で描く事をやめてしまったのか、やけに中途半端な絵もある
 完成済みの絵に描かれている人物は、生き生きとした表情をしていて…まるで、今にも絵から飛び出しそうだ

「あ、もうケーキ食べ終わっちゃった?ちょっと待ってね、あともうちょっとだから…」

 ぱたぱたと、何やら準備をしているエリカ
 待っている間…女装少年は、何気なく、周囲の完成済みの絵を見回して

(………あれ?)

 …その中の、一枚
 その絵に描かれている、仲の良さそうな三人の高校生くらいの少年
 その中の一人に…見覚えが、あるような気がした
 正確に言えば、三人全員に見覚えがある
 一人は、女装少年をこのアトリエまで案内してきた直希によく似ているし
 もう一人は、マッドガッサー騒動の時、ちらりと姿を見たような気がするし
 最後の一人は

(……チャラ男、さん?)

 絵の中心に描かれている、その少年は
 何度か顔を合わせたことのある、「日焼けマシンで人間ステーキ」の契約者…その姿に、酷似していたのだから





続きそうだけど続く予定はない





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