「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

単発 - 見下ろして見降ろして

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見下ろしてあげる。

見降ろしてあげる。


くすくす……。

お兄ちゃんたち、気をつけてよ?

油断してると、みおろされちゃうよ?



――自分たちに。





「何なんだよ……これ……」
 彼は、呆然とつぶやいた。
 きっかけはいつも通り。組織からの依頼で、都市伝説の討伐に向かった事。
 人を死に招くという幽霊団地に、彼と都市伝説の「コックリさんに心を蝕まれた男」が到着した時。
 目の前に、異国の少女が立っていた。
「こんばんわ、お兄ちゃん」

 初めは問題の都市伝説かと思った。
 だが、心を蝕まれコックリさんの力を得た男が、彼女は人間だと告げる。
 人間。なら、彼女も都市伝説を退治しに来た契約者なのだろうか――
 そう思った、刹那。


 ぐしゃりと。
 相棒の都市伝説が潰された。
「なっ――!?」
 まるで、上から鉄筋でも落ちてきたかのように。
 血と臓器を、ぶちまけて。
「くすくす……」
 妖艶に少女が笑う。暗めの、闇に溶け入りそうな金髪が、対照的に、星のように青く光る瞳が、
恐ろしい悪魔のように見えた。
「弱いわ……ヤーパンの契約者って、こんなものなの……?」
 侮蔑がありありと入った言葉に彼は顔をゆがめるが、続く少女の動きに呆然とする。



 宙に浮いたのだ。
 浮遊。
 それは、瞬く間に団地の2階ほどまで達した。
「一体、何の――」
 契約者なんだ。
「いや――」
 それより。
「な、なんで俺たちを襲う!?」
 初撃でコックリ男は即死していたから、もはや俺「たち」ではないのだが、そんな事はどうでもいい。
 ただ、この少女の振る舞いが理解できない。
 契約した都市伝説に操られているのか。それとも――
「嫌いなの。あなたたちが」
 見下すような笑顔とともに、言葉が降ってきた。


「だから私は、『こっち』につくの」
 こっち。それは、都市伝説側ということなのか。
「馬鹿な! 君は、人間だろう!?」
 彼の言葉を聞いて、少女は心底おかしそうに笑った。
「うふふ……あははは……。―― 一緒だよ、どっちも」
 その青い瞳に込められた感情に、彼はぞくりとした。
 容赦がない。人をなんとも思っていないのではなく、人を人だとわかった上で、殺意を満面にたぎらせた目。
 殺される。このままいけば、彼は確実に殺される。ぺしゃんこにされた、相棒の都市伝説のように。
 ――ならば、やるべきことは一つ。
 相棒の死体に駆け寄り、その血で描く。それは――
「コックリさん、コックリさん、おいでください!」
 自分自身が「コックリさんに心を蝕まれた男」になる。正真正銘、最期の手段。
 敵うかどうかはわからない。だが、このまま犬死するよりは良い。ここで少女を止められなければ、 別の組織のメンバーが襲われる。
「うおおおおおおおおおっ!!」
 ぼやける思考の中、目の前の少女を倒すことだけを夢見、彼は意識を手放した。



 目の前の男が、突然雄たけびを上げて飛び上がってきた。
「ひっ……!?」
 人間では、とてもありえない高さへの跳躍。相手の都市伝説を倒したと思って油断していた少女は、
反射的に身をすくめた。
 それは致命的な隙。
 その一瞬で、男は少女の眼前へと接近していた。
「がああああああっ!!」
 先祖がえりしたかのような咆哮とともに、その硬い拳を振りかぶる。
「きゃあっ!!」
 少女は空中で頭を抱え、うずくまった。
 刹那、響き渡る轟音。



「…………?」
 己の身が無事である事に気づき、少女は恐る恐る顔を上げる。
 暗闇があった。
 いや、違う。闇夜だから判別しづらいが、よく目をこらせばわかる。巨大な手が、
少女と男とをさえぎるように、差し出されていたのだ。



「あ……」
 少女は、ゆっくりと横を見た。自分を肩に乗せる、黒い巨人の顔を。
 そこに表情はなかった。当然だ。眉も眼も口も、何もないのだから。
 その姿を確認し、ほっと、安堵したように笑う。
「ありがとう――――『ブロッケン』」
 巨人は、何も答えない。
「うがあああああああ!!」
 攻撃を防がれた男が、再び飛び上がってくる。
 しかし、今度の少女に隙はなかった。
「捕まえて!」
 言葉に応えるように、巨人の手が男を掴む。
「があああああああう!!」
 男が暴れるが、手はびくともしなかった。
 少女は、その光景を冷淡な目で見つめ――
「いいよ、潰して」
 命じた。
 締め付ける音がしばらく続いた後破裂音が響き、少女の顔にも赤いものが飛び散る。
 彼女はポケットからハンカチを取り出し、それをぬぐった。
 後悔はない。いや、ないことはないが、それは覚悟の範疇だ。
 そうしなければ、守れないのだから。

続く





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