…それは、ずっと昔の話
まだ、黒服Dが人間だった頃、皆が生きていた頃の話……
まだ、黒服Dが人間だった頃、皆が生きていた頃の話……
「おにーたん、おにーたん」
「ん?どうしたよ、さっちゃん」
「ん?どうしたよ、さっちゃん」
工事現場の仕事を終えて帰ってきたさっちゃんの契約者
彼に、さっちゃんは笑顔で駆け寄り、抱きついた
ひょい、と彼はさっちゃんを抱き上げる
彼に、さっちゃんは笑顔で駆け寄り、抱きついた
ひょい、と彼はさっちゃんを抱き上げる
「あのね、あのね、今日はバレンタインだから、おにーたんにチョコレートケーキを作ったの!」
「俺に?」
「俺に?」
うん!と無邪気に頷くさっちゃん
彼は、さっちゃんの頭を優しく撫でて笑った
彼は、さっちゃんの頭を優しく撫でて笑った
「それは、嬉しいな。食べてもいいのか?」
「もちろん!ほら!!」
「もちろん!ほら!!」
す、と
さっちゃんが、指差したテーブルの上には
さっちゃんが、指差したテーブルの上には
チョコレートケーキ、などとは到底呼べない、物体Xが鎮座していた
「本見ながら、いっしょーけんめー作ったの!」
読めない字もあったけど頑張った!と笑顔のさっちゃん
はじけんばかりの笑顔である
自分が作った物はチョコレートケーキだと、疑ってもいない
はじけんばかりの笑顔である
自分が作った物はチョコレートケーキだと、疑ってもいない
「そうか、頑張ったな、さっちゃん!じゃあ、早速食べるぞ!」
「うん!」
「うん!」
ぱくっ
………
…………
……………
………
…………
……………
「…うん、美味いぞ、さっちゃん!」
「わ~い!」
「わ~い!」
嬉しそうに、契約者に抱きつくさっちゃん
彼女の契約者もまた、笑顔で
彼女の契約者もまた、笑顔で
顔を青紫にしながらも、笑顔でチョコレートケーキという名の物体Xを食べきった彼を、友人達は勇者とたたえたそうな
fin