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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 首塚-65c

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 光が舞い降り、鉄の箱が展開され……フィラデルフィア計画の契約者は、そこに姿を現した
 ぱちぱち、屋敷の傍から煙が上がっている
 ふわり、漂う食欲を誘う香り

「あ、フィラちゃんだー!」
「フィーちゃ~ん!」

 …あぁ、正月に知れ渡ったその呼び名は、とっくにチミッコ達の間で浸透しているようだった
 後者は許すとして、前者に関してはチャラ男、あとで改めて殴る
 ぱたぱた駆け寄るちみっこたちに優しく微笑みながら、彼女はそんな事を考えた

 どうやら、子供達は屋敷の傍で焚き火をして、焼いもをしていたようだ
 傍に、旧日本軍の亡霊が何人かついているから、火の始末は大丈夫だろう

「…?おねーちゃん、それなぁに?」
「なになに~??」

 きゃいきゃいきゃい
 子供達は、彼女が持っている大きな箱に、視線を奪われた
 かすかに、甘い匂いがするせいかもしれない
 くすり、彼女は優しく、子供達に笑いかけてやった

「今日はバレンタインでしょ?チャラ男が、あなたたちの為にチョコレートケーキ作ったって言ったから、持ってきたわよ」
「ケーキ??チョコレート??」
「チャラ男の手作りー?」
「はだかえぷろんでつくってくれたのー?」

 一番最後の質問は、さておき
 子供達は、無邪気に瞳を輝かせてきた
 やっぱり子供、皆、甘い物が好きなのだ

「私も、チョコレート買ってきたから。両方とも冷蔵庫に入れてくるから。後でみんなでしっかり分けて食べるのよ?」
「「「「は~い!!!」」」」

 無邪気に、しかし素直に答えてきた子供達
 彼女はそんな子供達に見送られながら、屋敷に入った
 長い廊下を進んでいき、途中、何人かの子供達と顔を合わせ、屋敷の前でしたのと同じような会話をしていく

 しばし、そうやって進んでいくと

「…おや、フィラデルフィア計画の…」
「あら、黒服さん」

 「組織」から担当契約者と共に逃亡し、「首塚」に保護を求めてきた黒服が、洗濯籠を抱えて姿を現した
 黒服、と言っても、ここに来てからは黒いスーツをまとう機会も減っており、黒服らしさは随分と薄まっている 
 それでも、やはりどこか、「組織」の黒服らしさは残っているが

「…あぁ、土門 大吾だったかしら。その名前で呼んだ方が良かった?」
「いえ、呼びやすい方で構いませんよ」

 彼女の言葉に、その黒服は軽く微笑み、そう答えてきた
 D-No.427
 それが、「組織」での彼のナンバー
 だが、彼には人間としての偽名も存在している
 元・人間である彼だから、それはもしかしたら本来、人間であった頃の名前なのかもしれないが、彼女はその辺りの事情は知らないし、踏み込むつもりもない

「どうなさったのです?」
「バレンタインだから。チャラ男から預かって来たチョコと私が買ったチョコを持ってきたのよ」
「チャラ………あぁ、D-No.926が気にかけていた…」

 そう、口にして 
 その黒服は、ふと、表情を暗くした
 それは、ほぼ一瞬だけの変化
 だが、彼女はそれに気づいた

「…?どうかしたの?」
「あ、いえ、何も」

 慌てて、誤魔化してきた黒服
 だが、はっきり言って、誤魔化しきれていない

 …確か、こいつが使う都市伝説の能力は……

 それを思い出し、彼女は続ける

「チャラ男に何かありそうなら、言ってしまった方がいいわよ?あれ、一応将門様のお気に入りだから」
「…いえ、彼に死の気配が近づいている…と、言う訳では、ないのですが」

 K-No.427こと、土門 大吾が、人間時代契約した…契約してしまった、都市伝説
 それは、「運命の赤い糸」と、「死神」
 元々は、前者とだけ契約していたのだが、ちょっとした偶然と不幸により後者と多重契約してしまい、容量オーバーで飲み込まれて黒服と化したのだ


 こんな話を、聞いた事はあるだろうか?
 夢の中で、その人は馬車に乗ろうとしていた
 しかし、定員オーバーだと断られる
 断った御者は、髑髏の顔をした死神だった
 夢から覚めたその日、彼はエレベーターに乗ろうとした
 しかし、定員オーバーで乗れなかった 
 扉が閉まる瞬間、中にいた客の一人の顔が、夢の中の髑髏の死神に変わって
 そのエレベーターは事故を起こし、乗っていた客の全員が死亡した
 ----その死亡者達は、エレベーターに乗れなかった者が夢で見た馬車に乗っていた人々と、同じ顔をしていた………


 土門が契約している「死神」は、そんな都市伝説に由来する死神だ
 彼自身はその夢を見た訳ではないが…たまたま、その都市伝説と遭遇したがために、契約してしまった
 その能力は、他人の死期が見える、と言うもの
 …彼が、担当契約者である「ケムトレイル」の契約者の少女を連れて「組織」を脱出する事を決めたのは、その少女に濃い死期が見えたかららしかった
 それは、「首塚」に保護された事で既に消えたらしいが

 …彼女が、土門にあぁ言ったのは、彼の表情が暗くなったのが、「日焼けマシンで人間ステーキ」の契約者に死期が見えたからでは、と思ったからだ
 だが、違う、と彼は首を振る

「…あまり、よくない縁が見えるんです、彼」
「縁?……あぁ、もしかして、運命の赤い糸の能力で見えるもの?」

 はい、と頷く土門
 「運命の赤い糸」は、その名前の通り、運命の恋人同士が赤い糸で繋がっているのが見える、という能力だ
 彼の場合、それだけではなく、解けそうなっているその糸を修復したり…
 …「恋愛以外」の縁も、糸として見えるらしい
 つまり、土門は「日焼けマシンで人間ステーキ」の契約者に、あまりよくない縁が見えたのを、思い出したらしい
 あのお人好しで慈悲深い同僚の契約者でもあるから、気になっていたようだ

「あくまでも、あまり良くない縁の糸が、彼に絡み付いている、というだけです。その糸の先の相手が彼と出会わない限りは、問題はないと思いますが…」
「でも、気になる、って事ね……まぁ、今度チャラ男と顔合わせたら、伝えておくわ」
「…すみません、お願いします」

 小さく苦笑し、頭を下げてきた土門
 洗濯籠を抱えなおし、屋敷内の物干し場へと向かって行った

「……良くない縁、ねぇ……」

 ……悪い事が起きなければ良いのだけれども
 そう考えつつも、彼女はとりあえず、当初の目的を果たすべく、台所に向かったのだった









 ………二人の懸念は、後に現実となる
 だが、それを、まだ誰も予感してなどいないのだ







to be … ?




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