〇月×日 14:00 北区教会
爆発する携帯電話を探して、少年達が最初に訪れたのは教会。話によると、彼はここで司祭や数人の仲間達と暮らしている筈なのだったが…
「オーナー、誰か居たか!?」
「いえ、誰も居ませんね」
「いえ、誰も居ませんね」
教会の中はもぬけの殻だった。少年は歯噛みする。……何故自分はあの時爆発する携帯電話を止められなかったのか、と。確かに体は動かなかった。立ち上がる事すら出来なかった。
それでも何か出来たのではないか?もっと必死に呼び止めていれば彼は振り向いてくれたかもしれない。這いずってでも引き止めていれば止められたかもしれない。
…もしも。もしも、だ。彼が、かつての同級生達や……あの少女と同じ様に……
ゾクリ、と少年の背筋が震えた。居ても立ってもいられなくなる。
それでも何か出来たのではないか?もっと必死に呼び止めていれば彼は振り向いてくれたかもしれない。這いずってでも引き止めていれば止められたかもしれない。
…もしも。もしも、だ。彼が、かつての同級生達や……あの少女と同じ様に……
ゾクリ、と少年の背筋が震えた。居ても立ってもいられなくなる。
「オーナー!他探すぞ!とりあえず次は「ちょっと待ちんさい」
「なんだよばーちゃん?早く行かないと!」
「ほれ」
「なんだよばーちゃん?早く行かないと!」
「ほれ」
走り出そうとしたところでひきこさんに呼び止めらる。少し苛立ちながら振り向くと、巨大な羽を突き出してきた。
「な、なんだこれ?羽?…にしてもデカすぎね?」
「もし、これの持ち主が鳥だとしたら、旅客機サイズは楽にあるでしょうね」
「教会の裏にいくつか落ちとったよ。あと何か大きな物が置かれてた跡があったねぇ」
「もし、これの持ち主が鳥だとしたら、旅客機サイズは楽にあるでしょうね」
「教会の裏にいくつか落ちとったよ。あと何か大きな物が置かれてた跡があったねぇ」
羽を見たまま考え込む少年。そしてある想像に思い至る。
「……っ!まさか携帯のにーちゃん達この鳥かなんかに襲われた!?」
「いんや、多分それはないぢゃろう。戦いがあったんなら、もうちょい場が荒れていそうなもんぢゃし」
「敵じゃ、ない?……だとしたら、ここの皆はこの鳥と一緒に居る?」
「その可能性は高いでしょうね」
「……つまりこっから先は下だけじゃなく上も見なきゃいけねー訳か」
「いんや、多分それはないぢゃろう。戦いがあったんなら、もうちょい場が荒れていそうなもんぢゃし」
「敵じゃ、ない?……だとしたら、ここの皆はこの鳥と一緒に居る?」
「その可能性は高いでしょうね」
「……つまりこっから先は下だけじゃなく上も見なきゃいけねー訳か」
少年は空を見上げるが、そこには雲以外何も見えない。
今、この町に何が起きようとしているのか。三人は何も知らぬまま走り出す。
今、この町に何が起きようとしているのか。三人は何も知らぬまま走り出す。
続