テケテケ少女「ふぅ…やっとこの縄にも慣れてきました」
教授「やっとマゾの才能が目覚めてきたか」
テ「ごはん、いらないんですか?」
教「この期にを及んで作ってくれないと言うのなら、流石の俺もお前を食べざるを得ない」
テ「……教授さんってエッチです」
教「♂がエロいのは本能だ。エロいからこそ、生殖行為にはしり子をつくろうとするんじゃないか」
テ「私は幽霊で、しかも下半身がないから赤ちゃんもつくれないカラダなんです。たからすこしは自重してください」
教「ノーセンキューだバカ」
テ「ば、バカとはなんですか!」
教「この世界に“幽霊を愛しちゃいけない”だなんて倫理が、法律があるか? あまり俺をなめるなよ。死んだヒトだって、愛される権利くらい当然にあるんだ」
教授「……それに、体の事情で子供ができないヒトなんてのも、この世界にはいくらでもいる。だから……その、あんまり自分を悲観するなってことだ」
テケテケ少女「教授さん…」
教「さてさて、話しはここまでにして早く飯をつくってくれないか。もう21時も半をきってるぞ」
テ「あっ…そうですね、チャチャっと作っちゃいましょう!」
そしてテケテケ少女は丁寧に調理をこなし、教授はテケテケの指示する方向、または行きたそうな方向へと体を動かし、ちょっとした二人羽織のような、はたまた阿修羅様のような雰囲気で、存外スムーズに料理を完成させた。
そして。
教「ごちそうさまーっと」
テ「はいっ、お粗末さまでした」
教「まさか幽霊の手料理が食べられるとわ……うぅむ、感慨深い」
テ「うーふーふーふーふー」
教「ドラえもんみたいに笑うな」
教授「あ、そう言えばテケ子、手ぇ見せてみろ」
テケテケ少女「……誰のことですかテケ子って」
教「お前に決まってるだろ」
テ「イヤですそんな名前」
教「いつまでも『お前』って呼ぶのも悪いから、折角考えてやったと言うのに」
テ「お気持ちは嬉しいですけど、そのネーミングセンスは嬉しくないです。だいたい、私にはちゃんとヒトだったころの名前が…」
教「駄目だ」
テ「…はい?」
教「お前は、『幽霊の都市伝説』として存在しているんだろ? だったら、生前の名前に執着したら駄目だ、個人の存在を強めたら駄目だ。」
テ「きょ、教授…?」
教「……すごく、キツい言い方になるが、いま、俺の目の前にいるのは“テケテケ”のお前だ。俺が出会って、可愛いなと思ったのは“テケテケ”のお前だ。…自分を否定しないでくれ、けど、個人を肯定しないでくれ。」
テケテケ少女「な…なん、ですか、それ。…すご、すごく…かって…です、身勝手です」
教授「……わるい」
ギュウ…
ギュウ…
テ「わ、わたしは、ヒト“だった”だけなんですね。わたしは、もう、ただのバケモノなんですね」
教「違う違う。お前は、『テケ子』だ。“都市伝説テケテケ”に、俺がつけた名前だ。…お前がヒトのころに執着していると、お前はいつかきっと消えちまう気がするんだ。だから、お前は『テケ子』として生きろ。“都市伝説テケテケ”の『テケ子』、ここに爆誕!!!」
テ「『テケ子』……『テケ子』…」
教「ふふんっ、気に入ったか?」
テケ子「……ふふっ…教授さん、やっぱりこの名前、ちょっとダサいです」
教授「さて、他人のネーミングセンスにケチをつけた愚か者には相応の罰が下ったところで」
テケ子「はうぅ……もうお嫁に逝けない…」
教「テケ子、手を見せてみろ」
テ「…? はい」
教「………」
テ「……な、なんですかもぅ、そんなにジロジロ見ないでくださいよぉ」
教「手、料理の時から気になってたんだが」
テ「はい? …あー、コレですか。確かに皮破けたり爪割れちゃったりしてますけど、“テケテケ”はコレがデフォルトみたいなので治らないんですよねぇー」
教「痛く…ないのか?」
テ「常日頃日常的なので、さすがにもう慣れちゃいました」
教「……ありがとうな、痛いの我慢して、料理作ってくれて」
テ「教授さんのためですからっ」
教「フハハ、こいつめっ。お礼に撫で撫でしてやろう」
ナデナデ
ナデナデ
テ「えへへ…」