犬好き達に定評のあるペットショップ「ゲルマニア」
そこに、痩せこけた犬…否、狼を連れた少女が来店した
リュパンと、その契約者、戌神 沙紀だ
なじみ客である彼女達を、店内の犬たちが一斉に歓迎する
そこに、痩せこけた犬…否、狼を連れた少女が来店した
リュパンと、その契約者、戌神 沙紀だ
なじみ客である彼女達を、店内の犬たちが一斉に歓迎する
「こんにちはですー」
「おや、いらっしゃい」
「…いらしゃいませ、です」
「おや、いらっしゃい」
「…いらしゃいませ、です」
ちょうど、犬たちのブラッシングをしていた店長と、長い金髪の少女が、沙紀を出迎える
総統、などと呼ばれているその店長に、少女はてとてと駆け寄った
総統、などと呼ばれているその店長に、少女はてとてと駆け寄った
「これ、知り合いのお店で、今度から出すわんちゃん用のクッキーですー。評判を聞きたいそうなのですよー」
「おや、ありがとう。犬たちのおやつの時間に、食べさせておくよ」
「おや、ありがとう。犬たちのおやつの時間に、食べさせておくよ」
沙紀からクッキーの入った包みを受け取った総統
沙紀は、やや人見知りしている様子の金髪の少女の傍に、しゃがみこむ
沙紀は、やや人見知りしている様子の金髪の少女の傍に、しゃがみこむ
「この間、店長さんから聞いたですよー?わんこたちが、急に走り出したそうですねー?」
「…はい、です」
「…はい、です」
こくり
小さく頷く少女
むむむ、と沙紀は難しい顔をする
小さく頷く少女
むむむ、と沙紀は難しい顔をする
「…み、みんな、その時の事、よく覚えてないって、言ってるんだな」
以前、少女が散歩中、突然何者かに操られるように走り出し…少女は知らないが、人を喰らった犬達から話を聞いたリュパンが、そう通訳する
リュパンの正体は最早この店の者には知られて居る為、喋れる事を隠す事もない
リュパンの正体は最早この店の者には知られて居る為、喋れる事を隠す事もない
「た、多分…おいらと同じ状態、と、言うか…それより先の状態に、なったんだと思うんだな」
「……うん?どういう事だい?」
「……うん?どういう事だい?」
リュパンの言葉を聞いた総統が、膝に乗っていたグレートデーンの子犬のブラッシングを続けつつ、続きを促す
リュパンは、以前、自分達がコーク・ロア支配型の被害者たちに襲われた時…己の頭の中で、声が響いた事を、伝えた
リュパンは、以前、自分達がコーク・ロア支配型の被害者たちに襲われた時…己の頭の中で、声が響いた事を、伝えた
それは、酷く甘美な声だった
野生の本能を、呼び覚まさせようとする、声
人を喰らえという、そんな誘惑の声
野生の本能を、呼び覚まさせようとする、声
人を喰らえという、そんな誘惑の声
「おいら、は都市伝説だから、抗えたと思うんだな。普通の犬は、操られちゃうと思うんだな」
「なるほど…」
「なるほど…」
険しい表情を浮かべる総統
それは、誰かが犬達に、強制的に人食いをさせている証
その行いに、総統は怒りを覚える
それは、誰かが犬達に、強制的に人食いをさせている証
その行いに、総統は怒りを覚える
「それって、都市伝説の仕業なんでしょうかー?」
ブラッシングを手伝い始めつつ、首をかしげる沙紀
ふむ、と記憶を探り、総統が答える
ふむ、と記憶を探り、総統が答える
「…確か、フランスに、犬を操る能力を持つ都市伝説がいる、と聞いた事があるな」
「……く、クールトーの事、なんだな?」
「くーるとー、ですか?」
「…?」
「……く、クールトーの事、なんだな?」
「くーるとー、ですか?」
「…?」
沙紀と少女が、そろそろ話しについていけなくなってきつつある
リュパンは、あまり思い出したくない事なのか、話す事に迷いを見せたが…話す事で、沙紀を護る事に繋がるかもしれない、と考えたのだろうか
ゆっくりと、話し出す
リュパンは、あまり思い出したくない事なのか、話す事に迷いを見せたが…話す事で、沙紀を護る事に繋がるかもしれない、と考えたのだろうか
ゆっくりと、話し出す
「む、昔…パリの周りで恐れられた、狼なんだな。悪魔のような性質を持っていて、100頭以上の群れのボスだったらしいんだな」
「当時は、パリから旅立つ人間に対して「クールトーに気をつけて」と挨拶が交わされるほど、恐れられたらしいね」
「…なんだな」
「当時は、パリから旅立つ人間に対して「クールトーに気をつけて」と挨拶が交わされるほど、恐れられたらしいね」
「…なんだな」
総統の捕捉に、頷くリュパン
同じフランス出身で、同じ狼の姿の都市伝説同士ではあるが…リュパンは、クールトーと言う存在が苦手あd
臆病な気質の自分と違い、クールトーは積極的に人を遅い、喰らう存在だ
とある有名寺院に押し入り、複数の聖職者を食い殺したという恐ろしい実績も持っている
同じフランス出身で、同じ狼の姿の都市伝説同士ではあるが…リュパンは、クールトーと言う存在が苦手あd
臆病な気質の自分と違い、クールトーは積極的に人を遅い、喰らう存在だ
とある有名寺院に押し入り、複数の聖職者を食い殺したという恐ろしい実績も持っている
戦う事に、なったら
自分では勝てない、とリュパンは情けない確信をもててしまっていた
100頭以上の群れのボスであった、という言い伝えの拡大解釈により、クールトーは犬科の生き物を操る能力を持っているのだ
…そして
契約者でも、得たのだろうか
以前は、自分のような都市伝説相手に、操るような能力はなかったはず
しかし、あの時の自分は、一歩間違えば、あの力に操られていた
確実に、能力が増している
自分では勝てない、とリュパンは情けない確信をもててしまっていた
100頭以上の群れのボスであった、という言い伝えの拡大解釈により、クールトーは犬科の生き物を操る能力を持っているのだ
…そして
契約者でも、得たのだろうか
以前は、自分のような都市伝説相手に、操るような能力はなかったはず
しかし、あの時の自分は、一歩間違えば、あの力に操られていた
確実に、能力が増している
「ク、クールトー、って名前は、尾なし、って意味なんだな。名前の通り、クールトーは尻尾がないんだな……そ、そう言う大柄な犬を見たら、気をつけた方が、いいんだな」
「あぶない、ですか?」
「そうみたいですねー…」
「あぶない、ですか?」
「そうみたいですねー…」
よしよし、金髪の少女を撫でてあげている沙紀
どうも、この少女と一緒にいると、姉にでもなった気分になるらしい
犬以外どうでもいいという考えの彼女にしては、わりと面倒見がいい
どうも、この少女と一緒にいると、姉にでもなった気分になるらしい
犬以外どうでもいいという考えの彼女にしては、わりと面倒見がいい
「こちらでも、警戒しておこう。君達も、気をつけるんだぞ?」
総統の言葉に、はいですー、と頷く沙紀
リュパンも、ゆっくりと頷いた
リュパンも、ゆっくりと頷いた
…そして、思う
あのクールトーが、契約者を得たならば、それはどれだけ恐ろしい人間なのだろう、と
あのクールトーが、契約者を得たならば、それはどれだけ恐ろしい人間なのだろう、と
かつて、リュパンはクールトーと会った事がある
それと同一の存在かどうかはわからないが…少なくとも、リュパンが出会ったクールトーは、酷く残忍で、人間を見下した性格をしていた
あれが、人間と契約するとは、到底思えず
…もし
もし、契約をしたのなら
それは、クールトーと同じくらい残忍な性格か
もしくは、何らかの力でクールトーを屈服させたに、違いないのだ
それと同一の存在かどうかはわからないが…少なくとも、リュパンが出会ったクールトーは、酷く残忍で、人間を見下した性格をしていた
あれが、人間と契約するとは、到底思えず
…もし
もし、契約をしたのなら
それは、クールトーと同じくらい残忍な性格か
もしくは、何らかの力でクールトーを屈服させたに、違いないのだ
できれば、遭遇したくない
もし、遭遇したならば…
もし、遭遇したならば…
(…おいらは、命に変えても、沙紀を護るんだな)
その想いは、口には出さず
リュパンはそっと、沙紀に寄り添ったのだった
リュパンはそっと、沙紀に寄り添ったのだった
to be … ?