「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 仲介者と追撃者と堕天使と-22

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だれでも歓迎! 編集
 犬好き達に定評のあるペットショップ「ゲルマニア」
 そこに、痩せこけた犬…否、狼を連れた少女が来店した
 リュパンと、その契約者、戌神 沙紀だ
 なじみ客である彼女達を、店内の犬たちが一斉に歓迎する

「こんにちはですー」
「おや、いらっしゃい」
「…いらしゃいませ、です」

 ちょうど、犬たちのブラッシングをしていた店長と、長い金髪の少女が、沙紀を出迎える
 総統、などと呼ばれているその店長に、少女はてとてと駆け寄った

「これ、知り合いのお店で、今度から出すわんちゃん用のクッキーですー。評判を聞きたいそうなのですよー」
「おや、ありがとう。犬たちのおやつの時間に、食べさせておくよ」

 沙紀からクッキーの入った包みを受け取った総統
 沙紀は、やや人見知りしている様子の金髪の少女の傍に、しゃがみこむ

「この間、店長さんから聞いたですよー?わんこたちが、急に走り出したそうですねー?」
「…はい、です」

 こくり
 小さく頷く少女
 むむむ、と沙紀は難しい顔をする

「…み、みんな、その時の事、よく覚えてないって、言ってるんだな」

 以前、少女が散歩中、突然何者かに操られるように走り出し…少女は知らないが、人を喰らった犬達から話を聞いたリュパンが、そう通訳する
 リュパンの正体は最早この店の者には知られて居る為、喋れる事を隠す事もない

「た、多分…おいらと同じ状態、と、言うか…それより先の状態に、なったんだと思うんだな」
「……うん?どういう事だい?」

 リュパンの言葉を聞いた総統が、膝に乗っていたグレートデーンの子犬のブラッシングを続けつつ、続きを促す
 リュパンは、以前、自分達がコーク・ロア支配型の被害者たちに襲われた時…己の頭の中で、声が響いた事を、伝えた

 それは、酷く甘美な声だった
 野生の本能を、呼び覚まさせようとする、声
 人を喰らえという、そんな誘惑の声

「おいら、は都市伝説だから、抗えたと思うんだな。普通の犬は、操られちゃうと思うんだな」
「なるほど…」

 険しい表情を浮かべる総統
 それは、誰かが犬達に、強制的に人食いをさせている証
 その行いに、総統は怒りを覚える

「それって、都市伝説の仕業なんでしょうかー?」

 ブラッシングを手伝い始めつつ、首をかしげる沙紀
 ふむ、と記憶を探り、総統が答える

「…確か、フランスに、犬を操る能力を持つ都市伝説がいる、と聞いた事があるな」
「……く、クールトーの事、なんだな?」
「くーるとー、ですか?」
「…?」

 沙紀と少女が、そろそろ話しについていけなくなってきつつある
 リュパンは、あまり思い出したくない事なのか、話す事に迷いを見せたが…話す事で、沙紀を護る事に繋がるかもしれない、と考えたのだろうか
 ゆっくりと、話し出す

「む、昔…パリの周りで恐れられた、狼なんだな。悪魔のような性質を持っていて、100頭以上の群れのボスだったらしいんだな」
「当時は、パリから旅立つ人間に対して「クールトーに気をつけて」と挨拶が交わされるほど、恐れられたらしいね」
「…なんだな」

 総統の捕捉に、頷くリュパン
 同じフランス出身で、同じ狼の姿の都市伝説同士ではあるが…リュパンは、クールトーと言う存在が苦手あd
 臆病な気質の自分と違い、クールトーは積極的に人を遅い、喰らう存在だ
 とある有名寺院に押し入り、複数の聖職者を食い殺したという恐ろしい実績も持っている

 戦う事に、なったら
 自分では勝てない、とリュパンは情けない確信をもててしまっていた
 100頭以上の群れのボスであった、という言い伝えの拡大解釈により、クールトーは犬科の生き物を操る能力を持っているのだ
 …そして
 契約者でも、得たのだろうか
 以前は、自分のような都市伝説相手に、操るような能力はなかったはず 
 しかし、あの時の自分は、一歩間違えば、あの力に操られていた
 確実に、能力が増している

「ク、クールトー、って名前は、尾なし、って意味なんだな。名前の通り、クールトーは尻尾がないんだな……そ、そう言う大柄な犬を見たら、気をつけた方が、いいんだな」
「あぶない、ですか?」
「そうみたいですねー…」

 よしよし、金髪の少女を撫でてあげている沙紀
 どうも、この少女と一緒にいると、姉にでもなった気分になるらしい
 犬以外どうでもいいという考えの彼女にしては、わりと面倒見がいい

「こちらでも、警戒しておこう。君達も、気をつけるんだぞ?」

 総統の言葉に、はいですー、と頷く沙紀
 リュパンも、ゆっくりと頷いた


 …そして、思う
 あのクールトーが、契約者を得たならば、それはどれだけ恐ろしい人間なのだろう、と

 かつて、リュパンはクールトーと会った事がある
 それと同一の存在かどうかはわからないが…少なくとも、リュパンが出会ったクールトーは、酷く残忍で、人間を見下した性格をしていた
 あれが、人間と契約するとは、到底思えず
 …もし
 もし、契約をしたのなら
 それは、クールトーと同じくらい残忍な性格か
 もしくは、何らかの力でクールトーを屈服させたに、違いないのだ


 できれば、遭遇したくない
 もし、遭遇したならば…

(…おいらは、命に変えても、沙紀を護るんだな)

 その想いは、口には出さず
 リュパンはそっと、沙紀に寄り添ったのだった



to be … ?



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