暗い暗いその部屋に、灰色のコートを着た男が帰ってきた
尾なしの犬を引き連れ、部屋に戻った男は……部屋の中にいた先客に、機嫌悪そうな表情を浮かべる
尾なしの犬を引き連れ、部屋に戻った男は……部屋の中にいた先客に、機嫌悪そうな表情を浮かべる
「……何の用だ」
「つれないですね。私は、あなたの協力者だと言うのに」
「つれないですね。私は、あなたの協力者だと言うのに」
その女は、男…朝比奈 秀雄に、楽しげにそう、笑いかけた
白い髪が、ぱさぱさと揺れている
白い髪が、ぱさぱさと揺れている
H-No.9を名乗る、「組織」の黒服だ
もっとも、黒いスーツの上に白衣を纏うと言うやや珍妙な出で立ちのせいで、「組織」の黒服と呼ぶには、やや違和感も覚える
しかし、彼女は間違いなく「組織」の黒服であり…朝比奈に、「都市伝説との契約書」を「組織」から持ち出し、与え続けた女である
とは言え…最早、その事実は「組織」にバレてしまった
消される前に「組織」を抜け出し、その際に持ち出してきた「都市伝説の契約書」が全て使い尽くされたならば…この女は、朝比奈にとってもはや用無しである
こちらの事情を知る相手は出来る限り少ない方がよい
使えなくなった駒は、消すに限るのだ
もっとも、黒いスーツの上に白衣を纏うと言うやや珍妙な出で立ちのせいで、「組織」の黒服と呼ぶには、やや違和感も覚える
しかし、彼女は間違いなく「組織」の黒服であり…朝比奈に、「都市伝説との契約書」を「組織」から持ち出し、与え続けた女である
とは言え…最早、その事実は「組織」にバレてしまった
消される前に「組織」を抜け出し、その際に持ち出してきた「都市伝説の契約書」が全て使い尽くされたならば…この女は、朝比奈にとってもはや用無しである
こちらの事情を知る相手は出来る限り少ない方がよい
使えなくなった駒は、消すに限るのだ
「用があるのなら、さっさと言え。化け物が」
「まぁまぁ、そう言わずに……どうでしょう?私の契約都市伝説の力、あなたの計画に役立てるよう、使って差し上げましょうか?」
「まぁまぁ、そう言わずに……どうでしょう?私の契約都市伝説の力、あなたの計画に役立てるよう、使って差し上げましょうか?」
形のいい唇を釣り上げ、重たそうな胸を支えるように腕を組みながら、そう言って来たH-No.9
…確か、この女の能力は…
…確か、この女の能力は…
「…「病は気から」、か」
「そうです。この力を使えば……あなたがその権力を欲する家の今の当主の、三日以内にその命、終わらせる事ができますよ?」
「……余計な事をするな」
「そうです。この力を使えば……あなたがその権力を欲する家の今の当主の、三日以内にその命、終わらせる事ができますよ?」
「……余計な事をするな」
低く、そうH-No.9に告げる朝比奈
彼の不機嫌な思考に連動するように、クールトーが唸り声を上げる
彼の不機嫌な思考に連動するように、クールトーが唸り声を上げる
「あの男に、今の状態で死なれては困る……翼が、次期当主に着く事を、確定させるまでは」
「他の当主候補を全員殺してしまえばいいのでは?」
「それでは、世間から不審の目を向けられる。それでは意味がない。なりふり構わぬのなら、それでも良いが」
「他の当主候補を全員殺してしまえばいいのでは?」
「それでは、世間から不審の目を向けられる。それでは意味がない。なりふり構わぬのなら、それでも良いが」
冷酷に、そう口にする朝比奈
目的の為ならば、己の息子すら平気で利用する男だ
かつて伴侶にした女の家族すらも、目的の為ならば容赦なく殺せる冷酷さは持っている
目的の為ならば、己の息子すら平気で利用する男だ
かつて伴侶にした女の家族すらも、目的の為ならば容赦なく殺せる冷酷さは持っている
だが、それでは、目的を達する上で、不都合なのだ
だから、まだ殺さない
ただ、それだけだ
だから、まだ殺さない
ただ、それだけだ
「こちらの役に立つというのなら、その能力で街に不幸でもばら撒いておけ…ただし、日景の家以外にな」
「そうですか。それならば、そうしましょう」
「そうですか。それならば、そうしましょう」
笑い、H-No.9は部屋を後にしようとする
その直前、朝比奈とすれ違い……どこか妖艶に、笑った
その直前、朝比奈とすれ違い……どこか妖艶に、笑った
「…ところで。いい加減、あなたの三つ目の都市伝説、教えていただいても宜しいのでは?」
「……私が貴様を殺す事になったならば、その瞬間に知る事になるのだから、必要はない」
「………酷い人」
「……私が貴様を殺す事になったならば、その瞬間に知る事になるのだから、必要はない」
「………酷い人」
肩をすくめ、部屋を後にしたH-No.9
朝比奈は、忌々しげに彼女が出て行った扉を見つめた
朝比奈は、忌々しげに彼女が出て行った扉を見つめた
「……化け物が………増長するようだったら、さっさと消してしまうか…?」
…いや
あの能力には、まだ使いどころがある
あの女が、裏切ったり、敵の手に落ちるようならば、その時に消せばいいだけのことだ
利用価値がある限りは、生かしておいてやってもいいだろう
その価値がなくなるまで、使い潰してやればいい
あの能力には、まだ使いどころがある
あの女が、裏切ったり、敵の手に落ちるようならば、その時に消せばいいだけのことだ
利用価値がある限りは、生かしておいてやってもいいだろう
その価値がなくなるまで、使い潰してやればいい
「…しかし、コーク・ロアの兵が増えぬのは不便だな……対策を考えておくか」
兵は多ければ多い方がいい
だが、所詮は使い捨てだ
使えば減るのだから、増やす方法も考えねばならぬ
さて…どうしようか?
だが、所詮は使い捨てだ
使えば減るのだから、増やす方法も考えねばならぬ
さて…どうしようか?
朝比奈は、どこか残酷な笑みを浮かべながら、思考をめぐらせるのだった
to be … ?