「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 悪意が嘲う-07

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 獣の雄叫び夜道に響く
 血飛沫飛び散り命が消える
 届かぬ刃が空を切り
 それはただ、全てを見下す


 クールトーの能力で操られた無数の犬達が、黒服達に襲い掛かる
 純粋な「組織」の黒服である彼らは、光線銃でそれを迎撃していた
 犬達は次々と倒れていくが、しかし、目を爛々と光らせ、牙を剥き出しにした口からだらだらと涎をこぼし続けていく犬達は、臆する事無くその敵対者たちに襲い掛かっていった
 黒服達も、次々と喉笛に噛み付かれ、その命を散らしていっていた

「………」

 その様子を、朝比奈は灰色のコートをはためかせ、クールトーとともにつまらなそうに見下ろしていた
 自ら、悪魔の囁きの卵をばら撒こうと夜道を歩いていたところを、襲ってきた黒服達
 人間らしさの感じられないそれらは、まるでロボットのように動きが単調で、決まった攻撃しか繰り出してこない
 犬達の雄叫びと、黒服達が放つ光線銃や拳銃の音があたりに響き渡り、やかましい事この上ない
 こんなつまらない相手、クールトーに任せて己は卵をばら撒く事に集中するか
 朝比奈がそう考え出した、その時

 ……ぴくり
 クールトーの耳が、音を拾う
 その小さな音は、クールトーとの契約で、聴覚が強化されている朝比奈の耳にも届いた


 -------んせ、--------りゃんせ、ーーはーーーのーーーーじゃ


 聞こえて来たのは、歌声のような声
 それがどんな歌であるのか気づき…朝比奈は、ますますつまらなそうな表情を浮かべた
 声の発信元は……黒服達の、向こう側
 こちらを攻撃してきている黒服達は囮、という事なのだろう

「……見くびられたものだ」

 その程度の、肉の防壁で
 こちらの攻撃が防げるとでも、思っているのか

 じゃり、と一歩前に出た朝比奈
 その意図に気づき、クールトーが後ろに下がった

 銃弾が、光線が、襲い掛かってくる
 しかし、銃弾は朝比奈の皮膚に弾かれ、光線も大してダメージを与えられない

 ………すぅ、と
 息を吸い込む朝比奈

 直後
 その口から吐き出された紫色の吐息が……あっと言う間に、黒服達を
 黒服達に襲い掛かっていた、犬達を
 そして………黒服達を壁にして、歌い続けていた…元・人間の黒服を
 その全てを、包み込んでしまった


「ちょっと通してくだしゃんせ ご用のない者容赦せぬ…」

 --彼女は、元・人間の黒服だった
 強硬派に所属する彼女、A-No.497は、「とおりゃんせ」の契約者だった
 とおりゃんせは、神隠しを歌った歌だ、と言う都市伝説が存在する
 それに飲み込まれた彼女は、この歌を歌う事によって、唄を聴いた者全てを、神隠しにする事が……消失させる事ができる
 今、彼女がとっている作戦が成功すれば、当然、壁にしている黒服達も消えるが…知った事ではない
 ついでに言えば、この歌声をたまたま聞いた通りすがりの人間も巻き込まれるだろうが、知った事ではない
 ただ、目標である朝比奈 秀雄の抹殺だけが、彼女の目的だったからだ
 いつまでも、穏健派に大きな顔をさせているわけにはいかない
 悪魔の囁きとコーク・ロアを振りまく朝比奈を強硬派の自分が抹殺する事で、強硬派の発言権を再び強化する
 それが、彼女の願いだった


 だがしかし、それが叶う事はない


「行きはよいよい、帰りは怖い………っ!?」

 視界が、青紫色に染まる
 朝比奈が吐き出したそのブレスを、歌っていた彼女は、吸い込んでしまった
 直後……体の内側が、溶けていくような激痛を感じた

「----っが、これは…毒………!?」

 見れば、犬達が、壁にしていた黒服達が…次々と血を吐き、倒れていっている
 猛毒の吐息は彼女まで届き、容赦なくその体を蝕んでいく
 歌おうにも、声が出ない
 血を吐きながら、彼女は倒れ付した

 ……かつん、と足音が響いて
 灰色のコートを着た朝比奈が、彼女を見下ろしてきた

「…まだ、生きているか……やはり、離れると毒性が薄れるな…」

 冷たく見下ろしてくる眼差し
 獣のような双眸が、彼女を射抜いた

「………まぁ、いい」

 ゆっくりと
 その足が、あげられて

「すぐに、楽にしてやろう」

 -------ぐしゃり
 彼女の頭は、朝比奈によって、あっけなく踏み潰された
 それによって、彼女の命の炎は、あっけなく消えてしまったのだった




「……で?被害は?」
「A-No.497が死亡。純粋な「組織」の黒服も、ざっと30人は死にましたね」
「あー、これだから、強硬派の奴は……もうちょっと相手の戦力わかってから動けよ…」

 部下から、強硬派の黒服が勝手に朝比奈 秀雄の討伐に動いた、という話を聞いたG-No.0
 …止める事は、間に合わなかったようだ

「犬の死体が大量に落ちていたそうですが…回収前に、他の犬が来て」
「食い散らかした、か。全世界の犬好きを敵に回してるな。朝比奈は」

 やれやれ、とため息をつくG-No.0
 監視カメラが辛うじて捕えた戦闘の様子を何度もリピートしつつ、眉を潜める

「……毒の吐息まで吐くか。どこまで厄介な相手なんだ」

 怪力、高い防御力…特に炎や熱に対する無敵性。炎と毒の吐息
 わかってきた能力を並べるだけで、軽く眩暈がしてくる
 その戦闘力の高さと………そこから推察できる、三つ目の契約都市伝説の、正体に、だ

「………いざとなったら、どっかの海にでもおびき出して怪獣王に……………いや、そんな作戦に引っかかるほど莫迦ではないか。さて、どうする……?」

 A-No.497を踏み潰した瞬間の、朝比奈の様子を見つめながら
 G-No.0は、憂鬱に思考をめぐらせるのだった







to be … ?




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