我輩は百獣の王の息子である
名前はまだない
名前はまだない
そう、名前はまだ、ないはずなのだ
しかし、何故だろうか
昔、昔……ずぅっと、昔に
何らかの名前を持っていたような気がするのだ
しかし、何故だろうか
昔、昔……ずぅっと、昔に
何らかの名前を持っていたような気がするのだ
だが、我輩はこの通り、まだまだ幼き百獣の王の息子
そのような昔から存在していたはずなどないのだが
はて、これが前世の記憶とか言う奴であろうか
そのような昔から存在していたはずなどないのだが
はて、これが前世の記憶とか言う奴であろうか
時折、ふと、妙な夢を見るたびに
血塗れの夢を見るたびに
そのようなことを考えるのである
血塗れの夢を見るたびに
そのようなことを考えるのである
ぎゃしゃー
てちてち、てちてちと、子ライオンが街を駆ける
てちてち、てちてち、てちてちてちてち
最早、日課となっている散歩である
春めいた暖かい気候が続く最近では、炬燵に篭る回数もめっきり減って、毎日外を駆け回っているようだ
…余談だが、山田家で炬燵を仕舞う機会を逃し続けているのは、この子ライオンのせいらしい
てちてちてちてちてちてちてち
ぽかぽかなお日様の光を浴びながら、調子よく走っていた子ライオン
てちてち、てちてち、てちてちてちてち
最早、日課となっている散歩である
春めいた暖かい気候が続く最近では、炬燵に篭る回数もめっきり減って、毎日外を駆け回っているようだ
…余談だが、山田家で炬燵を仕舞う機会を逃し続けているのは、この子ライオンのせいらしい
てちてちてちてちてちてちてち
ぽかぽかなお日様の光を浴びながら、調子よく走っていた子ライオン
………が
突然、ピタリ、脚を止めた
く、と視線をあげて……そこを見あげる
突然、ピタリ、脚を止めた
く、と視線をあげて……そこを見あげる
そこは、小さなビルだ
何か、小さな企業が、そこのビルを丸まる全部使っているようで、企業名も書かれているのだが…この子ライオン、人間の文字は理解できない
何か、小さな企業が、そこのビルを丸まる全部使っているようで、企業名も書かれているのだが…この子ライオン、人間の文字は理解できない
しかし、何故だろうか
子ライオンは、じっとそのビルを見上げて、動かない
じぃっと、じぃっと
何かを、見つけようとするように見あげて…
子ライオンは、じっとそのビルを見上げて、動かない
じぃっと、じぃっと
何かを、見つけようとするように見あげて…
「ふぅ、捕まえた」
ひょいっ
……しゃぎゃ??
……しゃぎゃ??
持ち上げられた体
ふぅ、と未来がほっとした表情で子ライオンを抱き上げる
ふぅ、と未来がほっとした表情で子ライオンを抱き上げる
「そろそろ、帰る時間ですよ?」
…しゃぎゃー
じたばた、じたばた
未来の腕の中で暴れる子ライオン
いつもと少し違う様子に、未来は首をかしげる
未来の腕の中で暴れる子ライオン
いつもと少し違う様子に、未来は首をかしげる
「…?どうしたんですか?」
ぎゃしゃー
子ライオンは、じっとビルを見上げている
未来も、そのビルを見上げてみたが…何の特徴もない、普通のビルだ
怪しい点は見当たらない
未来も、そのビルを見上げてみたが…何の特徴もない、普通のビルだ
怪しい点は見当たらない
……少なくとも、表向きは
「ほら、帰りましょう?」
…ぎゃしゃー!
じたばた、じたばた、子ライオンは暴れるのだが
未来によって、そのまま帰路に着くことになったのだった
未来によって、そのまま帰路に着くことになったのだった
-----同時刻
その、ビルの一室で
ぴちゃり、ぐちゃり
肉を食いちぎり租借する音が響き
その、ビルの一室で
ぴちゃり、ぐちゃり
肉を食いちぎり租借する音が響き
「…………?」
巨大な、鬣のないライオンが
懐かしい気配を感じたような気がして、首をかしげていた
懐かしい気配を感じたような気がして、首をかしげていた
to be … ?