てくてく、てくてく
夜道を、旧式のゲームボーイを抱えた少年…竜宮 海造が1人、歩く
その表情は、やや不機嫌そうだ
夜道を、旧式のゲームボーイを抱えた少年…竜宮 海造が1人、歩く
その表情は、やや不機嫌そうだ
「…もう。何なんだよ…」
ぶつぶつと呟く海造
今日、彼は敗北した
完全敗北ではない
だが、逃亡せざるを得ない状況まで、追い詰められてしまったのだ
これは、敗北だ
カイザーを戦闘不能状態に陥れられたのは、二度目だ
空飛ぶ魔女を見つけておそってみたら、突然空から落ちてきた雷がカイザーに直撃して以来…二度目
今日、彼は敗北した
完全敗北ではない
だが、逃亡せざるを得ない状況まで、追い詰められてしまったのだ
これは、敗北だ
カイザーを戦闘不能状態に陥れられたのは、二度目だ
空飛ぶ魔女を見つけておそってみたら、突然空から落ちてきた雷がカイザーに直撃して以来…二度目
「やっぱり、技を調整しなきゃ………でも、四つまでしか覚えられないんだよな…」
げんきのかけらでカイザーを回復しつつ、考え込む海造
しばし、ぶつぶつ言いながら歩いていると
しばし、ぶつぶつ言いながら歩いていると
「………海造?こんな時間に、一人でどうした?」
「!!」
「!!」
声を駆けられ、警戒して顔をあげた海造
……が、声をかけてきた相手を確認し、すぐに警戒をといた
……が、声をかけてきた相手を確認し、すぐに警戒をといた
「若か。どうしたの?」
「…お前まで、その呼び方をするのはやめてくれ」
「…お前まで、その呼び方をするのはやめてくれ」
はぁ、とその相手はため息をついてきた
高校生ほどの少年……獄門寺 龍一だ
海造の叔父が龍一の父親の部下である為、海造は彼と何度か面識があった
その時、叔父が龍一を「坊ちゃん」だとか「若」と呼んでいたのを見て、海造も龍一を「若」と呼ぶようになっていたのだ
…龍一は、全力で嫌そうだが
そんな龍一の傍らに、首を傾げている、おかっぱ頭で白いブラウスで真っ赤な吊りスカートの女の子の姿がある事に、海造は気づいていたが…口には出さない
龍一が、海造には知られたくないように振舞っているようなので、気づかないふりをしているのだ
高校生ほどの少年……獄門寺 龍一だ
海造の叔父が龍一の父親の部下である為、海造は彼と何度か面識があった
その時、叔父が龍一を「坊ちゃん」だとか「若」と呼んでいたのを見て、海造も龍一を「若」と呼ぶようになっていたのだ
…龍一は、全力で嫌そうだが
そんな龍一の傍らに、首を傾げている、おかっぱ頭で白いブラウスで真っ赤な吊りスカートの女の子の姿がある事に、海造は気づいていたが…口には出さない
龍一が、海造には知られたくないように振舞っているようなので、気づかないふりをしているのだ
「…とにかく。小学生がこんな時間まで出歩くな。補導されるぞ」
「若だって、こんな時間に出歩いてるじゃないか。高校生だって補導されるよ」
「……だから、その呼び方はやめろ」
「若だって、こんな時間に出歩いてるじゃないか。高校生だって補導されるよ」
「……だから、その呼び方はやめろ」
はぁ、と
また、ため息をつく龍一
龍一は、昔から随分と、ため息をつく癖があるように、海造には見えた
あんまりため息ばかりついていると、幸せが逃げていくと思うのだが
また、ため息をつく龍一
龍一は、昔から随分と、ため息をつく癖があるように、海造には見えた
あんまりため息ばかりついていると、幸せが逃げていくと思うのだが
「…とりあえず、家まで送る。このところ物騒だしな」
「平気だよー。若に送ってもらうなんて恐れ多いよ」
「……俺は、そんな大層な存在じゃ、ない」
「平気だよー。若に送ってもらうなんて恐れ多いよ」
「……俺は、そんな大層な存在じゃ、ない」
海造の言葉に、龍一はやや憂鬱そうに、そう答えてきた
そんな事はない、と海造は思う
龍一は、いつか、あのたくさんの強面の男達を従える立場につくらしいのだ
叔父がそう言っていたからそうなのだろう、と海造は信じている
大分先のこととは言え、それは保証されているのだ
もし、朝比奈と接触する前にそれを知っていれば、海造は朝比奈の部下になる事よりも、身近な相手である龍一の部下を目指していたかもしれない
…もっとも、時、既に遅しなのだが
そんな事はない、と海造は思う
龍一は、いつか、あのたくさんの強面の男達を従える立場につくらしいのだ
叔父がそう言っていたからそうなのだろう、と海造は信じている
大分先のこととは言え、それは保証されているのだ
もし、朝比奈と接触する前にそれを知っていれば、海造は朝比奈の部下になる事よりも、身近な相手である龍一の部下を目指していたかもしれない
…もっとも、時、既に遅しなのだが
行くぞ、と言って歩き出した龍一
海造は、慌ててその後を付いていった
てくてく、てくてく
おかっぱ頭の女の子が隣に並んできたが、その存在には気づかないふりをする
海造は、慌ててその後を付いていった
てくてく、てくてく
おかっぱ頭の女の子が隣に並んできたが、その存在には気づかないふりをする
「ねー、若ー」
「…何だ」
「…何だ」
いい加減、訂正するのを諦めたのか
海造の言葉に、やや諦めた表情で、振り返ってきた龍一
その龍一に、海造は尋ねる
海造の言葉に、やや諦めた表情で、振り返ってきた龍一
その龍一に、海造は尋ねる
「若はさ、もし、世界の全部とか、十分の一を手に入れることができるようになったら、どうする?」
「………は?何だ、いきなり」
「もしもだよー」
「………は?何だ、いきなり」
「もしもだよー」
海造の、突然のその問いかけに、龍一は、やや面食らったようだったが
…すぐに、どこか面倒そうに、答えてきた
…すぐに、どこか面倒そうに、答えてきた
「…いらない。そんな物を背負える覚悟は、俺にはない」
----周りだけで、精一杯だ
小さく呟かれたその言葉は、海造の耳には届かない
小さく呟かれたその言葉は、海造の耳には届かない
「そっかー。欲がないんだね、若って」
ほっといてくれ、とそう言って、海造から視線をそらしてきた龍一
海造もそれ以上は特に話もせずに、彼の後をついていく
海造もそれ以上は特に話もせずに、彼の後をついていく
……竜宮が抱えているゲームボーイの中で
カイザーが、龍一が抱える「もう負けたくない」と言う思いに連動するように…脈動した事に
まだ、誰も、気づかない
カイザーが、龍一が抱える「もう負けたくない」と言う思いに連動するように…脈動した事に
まだ、誰も、気づかない
to be … ?