首なしライダー
ある道路を横断するようにピアノ線が張ってあり、そこに猛スピードのバイクで突っ込んだライダーは首をはねられてしまった。しかし、首のないライダーを乗せたままバイクはしばらく走り続けた。亡霊となった彼は夜な夜なその道路を猛スピードでさまよい続けている
ある道路を横断するようにピアノ線が張ってあり、そこに猛スピードのバイクで突っ込んだライダーは首をはねられてしまった。しかし、首のないライダーを乗せたままバイクはしばらく走り続けた。亡霊となった彼は夜な夜なその道路を猛スピードでさまよい続けている
その事故の瞬間、俺は何を考えていたのだろう
今となっては思い出せない
まあとにかく、何が起こったのかも分からずに俺の意識はそこで途切れた。
今となっては思い出せない
まあとにかく、何が起こったのかも分からずに俺の意識はそこで途切れた。
…で、しばらくして目が覚めた。
目の前に広がるのは硬いアスファルトと長く続いている道
そしてまず思った事が、たぶん事故を起こしたんだなという事
そう思いながら起き上がり辺りを見回し、少し離れた所にある倒れたままのバイクを起こした。
よかった、どうやらバイクは無傷なようだ。
俺は頭を打ったかもしれないなと思い、ヘルメットとって頭の状態を確認しようとしたんだが…どういう事なのだろうかこの状況は
目の前に広がるのは硬いアスファルトと長く続いている道
そしてまず思った事が、たぶん事故を起こしたんだなという事
そう思いながら起き上がり辺りを見回し、少し離れた所にある倒れたままのバイクを起こした。
よかった、どうやらバイクは無傷なようだ。
俺は頭を打ったかもしれないなと思い、ヘルメットとって頭の状態を確認しようとしたんだが…どういう事なのだろうかこの状況は
ヘルメットがない
ついでに俺の頭もない
正直笑えない
え、しかも普通この状態になったら人間って死なないか普通?
一人パニックになって慌てている首なしの俺であった。
ついでに俺の頭もない
正直笑えない
え、しかも普通この状態になったら人間って死なないか普通?
一人パニックになって慌てている首なしの俺であった。
「あなた…首なしライダーですか?」
そんなところに、俺は急に後ろから声をかけられた。
「ぎゃああ!」
突然の事で思わず叫んでしまう俺だったが、普通は逆な気がする
俺は慌てて後ろを振り向くとそこには、白いマスクをした女性が立っていた。
俺は慌てて後ろを振り向くとそこには、白いマスクをした女性が立っていた。
「首なしライダー…」
どこかでそんなような話を聞いた気がする
ああ、この間都市伝説を取り上げた番組でやっていた。
たしか首がないバイクのライダーが自分の首を捜して彷徨うという都市伝説だ。
ああ、この間都市伝説を取り上げた番組でやっていた。
たしか首がないバイクのライダーが自分の首を捜して彷徨うという都市伝説だ。
「貴方の事ですよ?」
マスクをした女性は俺の頭があった場所を見ながら言った。
「まてまて、俺が首なしライダーだと?」
そう言ってはみるが、たしかに今の俺は紛れもなく首なしライダーだった。
私の名は口裂け女、聞いた事はありますよね?」
「…はい?」
一体この女性は何を言っているのだろうか
正直、いきなり初対面の女性に口裂け女ですと名乗られてもリアクションがとりずらい
「…はい?」
一体この女性は何を言っているのだろうか
正直、いきなり初対面の女性に口裂け女ですと名乗られてもリアクションがとりずらい
「…ハァ」
口裂け女と名乗る女性はため息をつくと
顔にかかっていたマスクを取って俺に素顔を見せた。
顔にかかっていたマスクを取って俺に素顔を見せた。
「ギャアァァァァァ!!」
マスクの下にあったのはありえないほどに裂けた口
そう、たしかにこの女性は口裂け女だったのだ。
そう、たしかにこの女性は口裂け女だったのだ。
「いちいち叫ばないでください…恥ずかしいんですから」
そう言うと、口裂け女はまたすぐにマスクで口を隠した。
正直、怖くて今すぐにバイクに乗って家に帰って布団被って震えたい状況だ。
正直、怖くて今すぐにバイクに乗って家に帰って布団被って震えたい状況だ。
「さて、首なしライダーさん、貴方にプレゼントがあります」
口裂け女はそう言うと、一冊の本を差し出した。
受け取って見てみると表紙には
~今日から実戦!都市伝説の戦いマニュアル~
と書かれていた。
~今日から実戦!都市伝説の戦いマニュアル~
と書かれていた。
「は?なんだよこれ」
そう言いながら顔を上げたが、いつの間にか口裂け女は俺の前から姿を消していた。
残されたのは、一冊の本とバイクが所持品の首なしライダーだけだった。
残されたのは、一冊の本とバイクが所持品の首なしライダーだけだった。
しばらく経って
とりあえず、状況把握のために読んでおいてもいいだろうと思い、俺は近くの公園までバイクを走らせた。
とりあえず、状況把握のために読んでおいてもいいだろうと思い、俺は近くの公園までバイクを走らせた。
ちなみに、ヘルメットもないしヘルメットを被るべき頭もないのでノーヘルだ。
公園の中にある明るく光る外灯の下で本を読んでみる
数ページしかない本だったが、そこに書かれていたのは
都市伝説は同じ都市伝説を狩る事で強くなる
そのため、貴方は様々な都市伝説から狙われます
まずやらなければいけないことは、契約できる人間を探すことです
数ページしかない本だったが、そこに書かれていたのは
都市伝説は同じ都市伝説を狩る事で強くなる
そのため、貴方は様々な都市伝説から狙われます
まずやらなければいけないことは、契約できる人間を探すことです
「人間と契約って…知り合いを訪ねてみようかな…」
そんな事を呟きながらページを捲っていると
手書きでこんなことが書かれていた。
首なしライダーは自分の首を見つける事が出来れば元に戻れる可能性があります。
そんな事を呟きながらページを捲っていると
手書きでこんなことが書かれていた。
首なしライダーは自分の首を見つける事が出来れば元に戻れる可能性があります。
…正直、胡散臭いと俺は思った。
そもそも、数時間前までは普通の人間だったのに、いきなり都市伝説の首なしライダーになって
しかも他の都市伝説から狙われると言われても実感がわかないのが本音だ。
そもそも、数時間前までは普通の人間だったのに、いきなり都市伝説の首なしライダーになって
しかも他の都市伝説から狙われると言われても実感がわかないのが本音だ。
そんな事を考えながら本を読むのに夢中で、俺はソイツの存在に全く気がつかなかった。
「あんた、首なしライダーだな?」
俺は声に気付き視線を上げて正面を見る
さっきから気になっていたが、頭がないのに今までと変らずに目で物を見れるのはどうしてなんだろうか
…まぁ、それはともかく
真正面には誰もいなかった。
俺は声に気付き視線を上げて正面を見る
さっきから気になっていたが、頭がないのに今までと変らずに目で物を見れるのはどうしてなんだろうか
…まぁ、それはともかく
真正面には誰もいなかった。
「下だよ下」
声の主を探して今度は視線を下げ足元を見てみると
足元には犬がいた。しかも人面の
足元には犬がいた。しかも人面の
「うわキモッ!」
首のない俺が言えた事ではないが、この人面犬かなり気持ち悪い
「首のないお前の方がよっぽど気持ち悪いわボケェ」
「首のないお前の方がよっぽど気持ち悪いわボケェ」
…思った通りの事を言われた。
この人面犬、よく見てみると顔は中年男性、体は中型犬だろうか
よく見る雑種の世間一般的な犬だ。
この人面犬、よく見てみると顔は中年男性、体は中型犬だろうか
よく見る雑種の世間一般的な犬だ。
「人面犬が俺に何の用事ですか?」
俺はしゃがんで人面犬を見た。
俺はしゃがんで人面犬を見た。
「あんなぁ兄ちゃん、その本持ってるなら後で解ると思うけどな…都市伝説は都市伝説を呼ぶんだよ」
そう言いながら不気味に笑う人面犬を見て、俺は何か嫌な予感がした。
そう言いながら不気味に笑う人面犬を見て、俺は何か嫌な予感がした。
「で、この公園は元々ホームレスと野良犬が多くてねぇ…」
そう言うと人面犬は突然大きな遠吠えをした。
「ど…どうしました人面犬さん?」
恐る恐る尋ねると
「今日の晩ご飯は首のない人間…だな」
人面犬は酷く不気味な笑みのまま姿勢を低くした。
そう言うと人面犬は突然大きな遠吠えをした。
「ど…どうしました人面犬さん?」
恐る恐る尋ねると
「今日の晩ご飯は首のない人間…だな」
人面犬は酷く不気味な笑みのまま姿勢を低くした。
あ、ヤバイ
そう考えて公園の外にあるバイクに向けて走りだすのと
人面犬が俺に向けて飛び掛かるのはほぼ同時だった。
そう考えて公園の外にあるバイクに向けて走りだすのと
人面犬が俺に向けて飛び掛かるのはほぼ同時だった。
「うぎゃああああああ助けてぇぇぇぇ!」
叫びながら不恰好に走っている俺の後ろから
「公園の外に出すな!」
十数匹の人面犬が追い掛けて来る
「囲め、囲んで動きを止めろ!」
俺の足元を数匹の人面犬が走り抜け、公園の外に続く唯一の道を塞いだ。
叫びながら不恰好に走っている俺の後ろから
「公園の外に出すな!」
十数匹の人面犬が追い掛けて来る
「囲め、囲んで動きを止めろ!」
俺の足元を数匹の人面犬が走り抜け、公園の外に続く唯一の道を塞いだ。
つまり、逃げ場がない挟み撃ち状態、絶体絶命だ。
「なんで俺がこんな目に…」
頭があったらきっと涙目になっていただろう
そんな絶望的状況の中で俺は
頭があったらきっと涙目になっていただろう
そんな絶望的状況の中で俺は
バイクがあれば直ぐに逃げられるのに
と、なぜか強く思った。
「一斉に行くぞ」
人面犬は前後からじりじりと迫ってくる
人面犬は前後からじりじりと迫ってくる
その時
グォォォン
突然鳴り響いたのは
独特で聞きなれた音
突然鳴り響いたのは
独特で聞きなれた音
公園入り口からヘッドライトの光が俺と人面犬の群れを照らす
そして表れたのは一台のバイク
そのバイクは公園入り口から人面犬の群れに向かってスピードを落とさずに突っ込んだ。
突然の事に人面犬は散り散りになって逃げ惑う
その中をバイクは真っすぐと
俺の横を目指して来る
その中をバイクは真っすぐと
俺の横を目指して来る
そして俺の真横で止まった見覚えのあるバイク
正真正銘俺のバイクだ。
「こんな便利な能力もあるのか…さすが都市伝説」
俺はそう呟くと即座にバイクに乗ろうとした。
俺はそう呟くと即座にバイクに乗ろうとした。
「な、何してるんだお前ら、さっさとそいつを殺せ!」
人面犬が叫んでいる
人面犬が叫んでいる
俺はバイクに飛び乗ると、即座にバイクを発進させる
バイクは目の前にいた数匹の人面犬を轢きながら公園から夜の道に向かって飛び出した。
バイクは目の前にいた数匹の人面犬を轢きながら公園から夜の道に向かって飛び出した。
「危なかった…」
公園から無事に逃げ出す事ができ、俺はしばらくバイクで町の中を走っていた。
「こんな状況がずっと続くのか…都市伝説も大変だな…」
今後同じように他の都市伝説から命を狙われるとなると、早く誰かと契約をしないと危険かもしれない
「でも、こんな姿じゃな…」
交差点の赤信号で停まりながら、本来頭があるべき場所を手で触ろうとしたが、触れるのは空気のみだった。
こういう場合、普通ならため息でも出るのが普通だが、今の俺には出来ない
公園から無事に逃げ出す事ができ、俺はしばらくバイクで町の中を走っていた。
「こんな状況がずっと続くのか…都市伝説も大変だな…」
今後同じように他の都市伝説から命を狙われるとなると、早く誰かと契約をしないと危険かもしれない
「でも、こんな姿じゃな…」
交差点の赤信号で停まりながら、本来頭があるべき場所を手で触ろうとしたが、触れるのは空気のみだった。
こういう場合、普通ならため息でも出るのが普通だが、今の俺には出来ない
…あ、そうだ。
そういえば一人心あたりがあった。
ファンタジーやオカルトに詳しい部活の後輩がこの辺りに住んでいた事を思い出した。
「いや…でもさすがにこの姿じゃ叫ばれて警察呼ばれるのがオチだな」
ちなみに、公園を出てから普通の人間とたびたび遭遇しているが
全員が悲鳴をあげた。
ファンタジーやオカルトに詳しい部活の後輩がこの辺りに住んでいた事を思い出した。
「いや…でもさすがにこの姿じゃ叫ばれて警察呼ばれるのがオチだな」
ちなみに、公園を出てから普通の人間とたびたび遭遇しているが
全員が悲鳴をあげた。
明日ぐらいにはニュースにでもなっていそうだ。
「でも頼れるのはあの後輩のみか…」
俺は道端にバイクを停め、携帯電話を取り出すと………
「って、頭がないのにどうやって電話するんだよ」
どうやって電話をするか考えるだけで約5分かかった。
で、思いついたのは
「あ、もしもし、朝野さん?」
自分の胸に携帯電話を押し付けて会話をおこなうという方法だった。
傍から見るとおかしな状態だが、けっこう使える
「ちょっと困った事になってさ、たしか朝野さんオカルトとか都市伝説に詳しかったよね?」
そうですけど?と電話のむこうで声がする
「悪いんだけどさ、ちょっと今からお邪魔していいかな?」
今からですか?と声がする
ちなみに、今はおよそ夜の十時半
「って、頭がないのにどうやって電話するんだよ」
どうやって電話をするか考えるだけで約5分かかった。
で、思いついたのは
「あ、もしもし、朝野さん?」
自分の胸に携帯電話を押し付けて会話をおこなうという方法だった。
傍から見るとおかしな状態だが、けっこう使える
「ちょっと困った事になってさ、たしか朝野さんオカルトとか都市伝説に詳しかったよね?」
そうですけど?と電話のむこうで声がする
「悪いんだけどさ、ちょっと今からお邪魔していいかな?」
今からですか?と声がする
ちなみに、今はおよそ夜の十時半
「頼む、けっこうやばいんだよ」
けっこうやばいという言葉が効いたのか、後輩の朝野はわかりましたと承諾してくれた。
俺は後輩の朝野の家に向かってバイクを走らせた。
けっこうやばいという言葉が効いたのか、後輩の朝野はわかりましたと承諾してくれた。
俺は後輩の朝野の家に向かってバイクを走らせた。