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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 首塚-72i

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だれでも歓迎! 編集
 ほらほら早く こっちにおいで?
 こちら側に踏み込んでおいで

 素敵に悲劇で喜劇な物語を見せておくれ?





                     ???







 肉の焼け焦げた臭い
 命が燃え尽きる臭い
 初めの頃は酷く恐怖したが、今は慣れ切ってしまった、それ
 じゅうじゅうと、焼け焦げる音を立てて…それは、静かに力尽きた

 「首塚」に牙剥く者
 自分達にとっての敵
 …「組織」の、強硬派
 D-No.962……大門 大樹と関わりがある
 それを理由に襲ってきた強硬派の黒服と契約者を、翼は容赦なく焼き殺した

 いつもの事だ
 前々から、やってきた事だ
 その行為自体に、罪悪感も感傷も感じやしない
 敵ならば殺す
 徹底的に、焼き尽くす
 都市伝説と契約し、大樹から都市伝説の存在を、この世界のからくりを教わってから、ずっとそうしてきたのだから

 そうしなければ、自分の身を護れない
 そうしなければ、護りたいと思う存在を護れない
 だから、容赦してはいけない
 迷いを抱いてはいけない
 自分の力は、相手を自在に焼き殺せる力
 殺しに特化した能力
 それを振るう事を、迷ってはいけないのだ

 だから
 これから、戦うべき相手とて
 決して、容赦してはいけない
 迷ってはいけない
 途惑ってはいけない
 それを、わかりきっている


「翼?」
「ん?…あぁ、望。今、帰りか?」

 死体の始末に関しては、死人部隊の中年に連絡をして、後を任せて
 路地から大通りに出ると、ちょうど望と顔を合わせた
 学校帰りだろうか
 その割には、詩織と一緒ではない

「詩織は?」
「今晩の夕食の買出し押し付けてきたわ。醤油とか、そろそろ切らしてたでしょ?」
「まぁ、そうだけど。押し付けてくる事ないだろうが」

 小さく苦笑する翼
 まぁ、醤油とか味噌とか、わりと重たいから持ちたくないのはわかるが
 何も、押し付けてこなくても

「大丈夫よ、詩織は特別能力使わなくとも腕力あるんだし」

 望みの言う通り、まぁ、都市伝説である詩織はその幼い見かけに反して力はあるが
 ………まぁ、いいか
 これ以上突っ込んでも堂々巡りだし
 せめて、今晩はその労を労って、詩織の分のおかずを少し多くしてやろう

「翼は、バイト?」
「あぁ。今から店のほうに戻る」

 …そう
 襲われたのは、出前の最中
 もっとも、店にいる間に襲われるよりはマシなのだが
 誰かを巻き込まずにすむ状況の方が、戦いやすい
 ただ、相手を単純に焼けばいいだけなのだから
 だが、傍に関係のない人間がいたならば…少し、戦いにくくなる
 そちらを護りながら、戦わなければならないし…戦いが終わった後の言い訳やら、大樹に記憶操作を頼まなければならない事やら、面倒なのだ

 他者を焼き殺す力
 容赦なき、殺す為の力
 それを使って、誰かを護り続ける事は、簡単なようで難しい

「…んじゃあ、望、帰り道、気をつけろよ?」

 …あの時、自分達の前に現れた父親の言葉から
 望や詩織が狙われる可能性を、翼は危惧している
 自分の目が届かない場所で、自分の家族が襲われる事を恐れている
 護るには、傍にいなければならない
 だが、24時間、常に傍にいられる訳ではない
 どうしても、目の届かない時間ができる
 ……それが酷く、恐ろしいのだ

「私は大丈夫よ、あんたこそ、気をつけなさいよ?」
「俺は大丈夫だって。むしろ、俺を直接狙ってきてくれた方が、戦いやすい」

 自分のせいで、誰かに迷惑がかかるよりも
 自分のせいで、誰かが危険な目にあうよりも

 己の身に災厄が降りかかる方が、ずっと楽だ

「あの糞親父が、俺の目の前に来てくれた方が……さっさと止められるから、それがいい」

 翼の、小さく呟くようなその言葉は
 しかし、望の耳に、しっかりと届いていて
 …望が、やや、表情を顰める

「……どうやって、止める気?」

 返って来るであろう答えを、予測しながらも
 それでも、あえて望は尋ねて
 それに、翼はあっさりと、答える

「いつも通りのやり方だよ。俺は、それ以外知らないし」

 殴って止められるなら、それで終わり
 それでも止まらなければ、徹底的に叩きのめす
 それでもなお、止まらぬと言うのなら…………殺す
 その命を、焼き尽くす

 今までも、ずっとそうしてきた
 今までと、何も変わらない
 たとえ、相手が誰であろうとも
 それ以外の方法を、翼は知らない

「…何も、あなたが手を下す事はないんじゃないの?」

 望の、その言葉に
 翼はきょとんとして、答える

「俺の親父が原因で、しかも、俺が狙われてるのが原因なんだから。俺がどうにかすべきだろ?誰かに任せる訳にはいかねぇし」

 自分が原因なら、自分で蹴りをつける
 翼は、それが当たり前だと考えている


 だから、一人で背負い込む
 己の父親を、この手で殺める事になろうとも


「……望」
「何よ」
「お前、本当に無茶するなよ?大樹が心配するからな」

 大樹が心配する
 その言葉に、望は反応を返した
 ……この一点に関してだけはわかりやすいよな、とこっそりと翼は考える
 こんなにもわかりやすいのに、一切気づかない大機が鈍すぎるのだ

「もうちょっと、俺や大樹を頼れよ?大樹は俺達の事を護ろうとしてくれているんだし……俺も、家族の事を護りたいからな」
「でも、黒服は戦闘向きじゃないでしょ」
「そりゃ、そうだけどよ」

 能力も、あの優しすぎる性格も
 確かに、戦闘向きではないが
 だが、それでも

「それでも、お前の背中を護るくらいは、できるんだぞ?」

 以前、大樹と一緒に戦った事がある
 あまりにも数が多すぎたその相手を、二人で倒した事がある
 命を奪う事を、大樹は良しとしないが……それが避けられぬのならば、手を下す事もある

 それでも、なるべく大樹に手を下させたくなかったから、なるべく自分が焼くようにはしたが
 大樹だって、全く戦えない訳じゃない
 自分達の背後を護ってくれるくらいは、できるのだから

「…大樹は、きっと、お前には、あまり戦って欲しくないと、考えていると思うから。もうちょっと、俺たちを頼れ。自分一人で戦おうとするなよ?」

 だからこそ
 自分達をもっと頼って欲しいと考える
 望一人に戦わせたくはない
 …どうしても、望の戦い方は容赦ないものとなって
 その手が、血で塗れてしまうから

 家族1人だけを、血で塗れさせるなど
 そんな事、できるはずもない
 それくらいなら


 自分が、それを全て請け負う方が、ずっとマシだ


「……人の事言えないでしょうに」
「え?」
「……何でもないわよ」

 呆れたような、望のそのため息に
 その直前の言葉が聞えなかった翼は、首をかしげたのだった



to be … ?




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