……ことん、と
それが、机の上に置かれた
黒服はその小さな箱を受け取り、中身を確認し…
彼、カーバンクルの契約者たる 宝塚 紅治に、どこか申し訳無さそうな表情を浮かべた
それが、机の上に置かれた
黒服はその小さな箱を受け取り、中身を確認し…
彼、カーバンクルの契約者たる 宝塚 紅治に、どこか申し訳無さそうな表情を浮かべた
「…確かに、お借りします……無理を言って、申し訳ありません」
「いいんだよ。ただ仕舞いこまれているより、何かの役に立てる方が、それも嬉しいだろうから」
「いいんだよ。ただ仕舞いこまれているより、何かの役に立てる方が、それも嬉しいだろうから」
そう言って、紅治は笑った
紅治の膝の上で、カーバンクルがくぅ、と小さく声をあげる
紅治の膝の上で、カーバンクルがくぅ、と小さく声をあげる
…そして、ふと
紅治は心配そうに、黒服を見つめる
紅治は心配そうに、黒服を見つめる
「……でも、さ。本当に大丈夫かい?もし、その朝比奈 秀雄の三つ目の契約都市伝説が、君が予測している通りの存在だったとしたら。それの退治の専門家を呼んだ方が…」
「確かに、そうかもしれませんね」
「確かに、そうかもしれませんね」
けれど、と
黒服は、ゆっくりと続ける
黒服は、ゆっくりと続ける
「まだ、確証がありませんし…それに、そう言った方に任せる事になると、確実に、朝比奈 秀雄は死亡するでしょうから」
あんな男でも、翼の実の父親なのだ
殺さずにすむのなら、その方法を選びたい
…それ以外の手段を見つける事が、実行する事が、限りなく難しいその状況であってでも、黒服はそう考える
殺さずにすむのなら、その方法を選びたい
…それ以外の手段を見つける事が、実行する事が、限りなく難しいその状況であってでも、黒服はそう考える
結果として、翼を本来の家族から奪ってしまったような形になっているから、こそ
余計に、そう考えるのかもしれない
余計に、そう考えるのかもしれない
「……もしかして、同情してる?」
「………?」
「朝比奈 秀雄が。僕らと同じ、施設の出身だったから」
「………?」
「朝比奈 秀雄が。僕らと同じ、施設の出身だったから」
…「組織」が、朝比奈 秀雄の事を調べている間にわかった、事実
……彼もまた、自分達が幼少期に過ごした、あの施設の出身者だった
年代的に、同じくらいの世代のはずなのだが…黒服は、彼のことを覚えていない
それは、都市伝説化した際に失われた記憶が完全には戻っていないせいなのと…朝比奈 秀雄は、黒服達と違い、年齢が二桁になる前に、引き取り手が見付かって引き取られていったいせいだ
あの施設での過酷な環境と、引き取られていった先での生活が、彼の性格形勢に影響を及ぼした事もわかっている
……彼もまた、自分達が幼少期に過ごした、あの施設の出身者だった
年代的に、同じくらいの世代のはずなのだが…黒服は、彼のことを覚えていない
それは、都市伝説化した際に失われた記憶が完全には戻っていないせいなのと…朝比奈 秀雄は、黒服達と違い、年齢が二桁になる前に、引き取り手が見付かって引き取られていったいせいだ
あの施設での過酷な環境と、引き取られていった先での生活が、彼の性格形勢に影響を及ぼした事もわかっている
「…わかりません」
紅治の問いかけに、黒服は少し困ったような表情を浮かべて、そう答えた
…全く、同情していない訳ではないのだと想う
だが、だとしてでも、朝比奈 秀雄が原因となっている一連の騒動を、許す訳にもいかないのだ
己の家族を追い詰めようとしている朝比奈 秀雄を、黒服は許す気にはなれない
倒すべき相手である、とそう認識している
…命まで、奪うべきかどうか
それは、これから決める事だ
…全く、同情していない訳ではないのだと想う
だが、だとしてでも、朝比奈 秀雄が原因となっている一連の騒動を、許す訳にもいかないのだ
己の家族を追い詰めようとしている朝比奈 秀雄を、黒服は許す気にはなれない
倒すべき相手である、とそう認識している
…命まで、奪うべきかどうか
それは、これから決める事だ
「ただ、私はあの子達を護る為にも、戦うだけです」
「……大樹兄」
「相手の牙をもいで。それでも、彼が悪意を振りまくと言うのなら………………その時は」
「……大樹兄」
「相手の牙をもいで。それでも、彼が悪意を振りまくと言うのなら………………その時は」
…翼に、手を下させはしない
自分が、手を下す
自分が、手を下す
「あなたの協力のお陰で、相手の牙をもぐ手段が手に入りました。本当に、ありがとうございます」
黒服に、そう礼を言われて
膝の上のカーバンクルを撫でながら、紅治は答える
膝の上のカーバンクルを撫でながら、紅治は答える
「……それくらいしか、僕は君に協力できそうにないからね。「薔薇十字団」でも、ヨーロッパの方でばら撒かれていた悪魔の囁きの駆除で大変みたいだし。君の家族の実家の人達の警備に人を回すので手一杯だよ」
「本当、無茶をさせてしまって申し訳ありません」
「だから、いいんだよ。大樹兄の力になれるなら、僕はそれで満足だし」
「本当、無茶をさせてしまって申し訳ありません」
「だから、いいんだよ。大樹兄の力になれるなら、僕はそれで満足だし」
…彼女も、喜ぶだろうから
こっそりと、紅治は心の中で付け足した
それを感じ取ったのか、カーバンクルはぱたぱたと尻尾を振りながら、くぅ、と鳴く
こっそりと、紅治は心の中で付け足した
それを感じ取ったのか、カーバンクルはぱたぱたと尻尾を振りながら、くぅ、と鳴く
「…あ、そうそう。学校町に来ているユニコーンの契約者の事もわかったよ。ヘンリー・ギボンヌ。どうも、「教会」お抱えの契約者みたいだね」
「……「教会」、ですか?」
「……「教会」、ですか?」
…あまり、関わりたくない組織の名前が出て、黒服はかすかに眉をひそめた
その反応に、紅治は苦笑する
その反応に、紅治は苦笑する
「大丈夫、お抱え、ってだけで、正式に所属している訳ではないみたいだからね。むしろ、今回の騒動に関わっている事が「教会」にバレたら、大変な事になるのは彼だろうから」
「つまり、「教会」自体は、今回の事には関わっていないのですね?」
「うん、それは間違いないね。「教会」でも、ヘンリーの行方が急につかめなくなって、困ってるみたいだから」
「つまり、「教会」自体は、今回の事には関わっていないのですね?」
「うん、それは間違いないね。「教会」でも、ヘンリーの行方が急につかめなくなって、困ってるみたいだから」
……あそこが関わっていないなら、少しほっとした
「教会」までが悪魔の囁きに抱きこまれていたら、大変な事になってしまう
一応、学校町には不可侵の立場をとっているとはいえ、いざと言う時はなにをしてくるかわからないから
「教会」までが悪魔の囁きに抱きこまれていたら、大変な事になってしまう
一応、学校町には不可侵の立場をとっているとはいえ、いざと言う時はなにをしてくるかわからないから
「こっちから渡せる情報は、それくらいかな…………大樹兄、絶対に無理はしたら駄目だよ?」
「………はい」
「………はい」
心配そうな、紅治に対し、黒服は小さく笑って答えた
…牙をもぐ手段は手に入れた
後は、その時に備えるだけだ
後は、その時に備えるだけだ
to be … ?