---彼の母親は、男遊びが好きだった
子供達の事など省みず、若い男を漁り続け、しかも、金遣いも荒く
彼の父親は、それでも彼女を愛していたが……彼女の為に働き続け、とうとう過労で死んでしまった
父親が死ぬと、母親はもうこの家には用無しだ、とでも言うように、彼らを捨てて家を出た
子供達の事など省みず、若い男を漁り続け、しかも、金遣いも荒く
彼の父親は、それでも彼女を愛していたが……彼女の為に働き続け、とうとう過労で死んでしまった
父親が死ぬと、母親はもうこの家には用無しだ、とでも言うように、彼らを捨てて家を出た
---彼の姉もまた、母親に似た性格だった
あの母親のせいで散々苦労したと言うのに、母親と同じような事を繰り返そうとしていた
その苦労は、まだ少年だった彼に全て押し付けられた
あの母親のせいで散々苦労したと言うのに、母親と同じような事を繰り返そうとしていた
その苦労は、まだ少年だった彼に全て押し付けられた
憎かった
母親も、姉も
その憎しみは、世の中の女性全てに向こうとしていた
母親も、姉も
その憎しみは、世の中の女性全てに向こうとしていた
……しかし、彼はそこで考え直す
全ての女性が悪い訳ではない
汚れなき乙女には、罪はない
…悪いのは、男に対して尻軽な汚れた女共だ
全ての女性が悪い訳ではない
汚れなき乙女には、罪はない
…悪いのは、男に対して尻軽な汚れた女共だ
彼のその考えは、めったに人間の前に姿を現すはずなどない…それも、男の前に友好的に姿を現すはずもない、一頭の都市伝説を引き寄せた
その都市伝説とわかりあった彼は、そのままその都市伝説と契約する
自分の人生が、激的に変わる事など、その時予感などせずに
その都市伝説とわかりあった彼は、そのままその都市伝説と契約する
自分の人生が、激的に変わる事など、その時予感などせずに
Tさん達が、朝比奈 秀雄の潜伏先である雑居ビルに向かっていた、その時
「---っ!」
足を止めるTさん
舞が、その背中にぶつかって、わぷっ!?と小さく声をあげる
舞が、その背中にぶつかって、わぷっ!?と小さく声をあげる
どさっ!と
彼らの前方に、何者かが、弾き飛ばされてきた
その、体からは
彼らの前方に、何者かが、弾き飛ばされてきた
その、体からは
『グァァ………ク、クソ……!!』
にゅるにゅると、蛇の姿をした悪魔の囁きが、姿を表している
…悪魔の囁き憑きの、被害者だろう
朝比奈 秀雄が、派手な行動を見せ始めた
コーク・ロアの被害者達だけではなく…秀雄の管理下にはない悪魔の囁き憑き達も、暴れ出しているのだろうか
…悪魔の囁き憑きの、被害者だろう
朝比奈 秀雄が、派手な行動を見せ始めた
コーク・ロアの被害者達だけではなく…秀雄の管理下にはない悪魔の囁き憑き達も、暴れ出しているのだろうか
起き上がろうとする、悪魔の囁き憑きの被害者
悪魔の囁きが、発破をかける
悪魔の囁きが、発破をかける
『…アァ、畜生ガ!起キロ起キロ起キロ起キロ、早ク起キロ!!ジャネェト………------ッヒィ!?」』
…ぬぅ、と
悪魔の囁き憑きの…いや、悪魔の囁きの、前に、それは現れた
悪魔の囁き憑きの…いや、悪魔の囁きの、前に、それは現れた
2mを超える長身の…黒服
顔に、大袈裟な手術痕のようなつぎはぎが走っており、それが、見る者に強い威圧感を与える
その雰囲気に威圧されたのか、悪魔の囁きも、それに憑かれた被害者も、小さく悲鳴をあげて
顔に、大袈裟な手術痕のようなつぎはぎが走っており、それが、見る者に強い威圧感を与える
その雰囲気に威圧されたのか、悪魔の囁きも、それに憑かれた被害者も、小さく悲鳴をあげて
…その、直後
無造作に手を伸ばした男によって……悪魔の囁きは、あっさりと握りつぶされてしまった
悪魔の囁きに憑かれていた被害者は…ビクリ、一瞬体を震わせて目を見開くと…そのまま、意識を失ってしまう
無造作に手を伸ばした男によって……悪魔の囁きは、あっさりと握りつぶされてしまった
悪魔の囁きに憑かれていた被害者は…ビクリ、一瞬体を震わせて目を見開くと…そのまま、意識を失ってしまう
「…何?何があったんだ?」
「さて…どう、対応したらよいものか」
「さて…どう、対応したらよいものか」
明らかに、「組織」の黒服と思われる
できれば、「組織」の者とはあまり関わりあいたくないのだが…
……道を、変えるか
Tさんが、そう考え出した、その直後
できれば、「組織」の者とはあまり関わりあいたくないのだが…
……道を、変えるか
Tさんが、そう考え出した、その直後
「む?お前ら、何をしておるのじゃ?」
…ひょこん
大柄な黒服の、その背後から…黒いゴスロリ服の少女が姿を現した
Tさん達とも、面識のある少女…ヘンリエッタだ
てちてちと、ヘンリエッタがTさん達に駆け寄ろうとすると
大柄な黒服の、その背後から…黒いゴスロリ服の少女が姿を現した
Tさん達とも、面識のある少女…ヘンリエッタだ
てちてちと、ヘンリエッタがTさん達に駆け寄ろうとすると
「…お嬢様」
大柄な黒服が、ヘンリエッタを押し止めた
むぅ、と、ヘンリエッタは、やや不機嫌に顔をあげる
むぅ、と、ヘンリエッタは、やや不機嫌に顔をあげる
「そう警戒するでない。この者達は悪魔の囁きにはとり憑かれておらぬし、この騒ぎに応じて悪事を働くような者ではない」
「………」
「………」
ヘンリエッタの言葉に、大柄な黒服はヘンリエッタを静止する手を止めた
てちてちと、ヘンリエッタはそのまま、Tさん達に駆け寄ってくる
てちてちと、ヘンリエッタはそのまま、Tさん達に駆け寄ってくる
「嬢ちゃん?あのデカいの、ひょっとして嬢ちゃんを担当してるって言う黒服なのか?」
「う………む、そうなのじゃ」
「う………む、そうなのじゃ」
舞に尋ねられて、頷くヘンリエッタ
…頷くまで、ややタイムラグがあったように思えたが、Tさんはあえて、それを指摘しなかった
じ、とヘンリエッタは、やや心配そうに二人とリカちゃんを見上げてくる
…頷くまで、ややタイムラグがあったように思えたが、Tさんはあえて、それを指摘しなかった
じ、とヘンリエッタは、やや心配そうに二人とリカちゃんを見上げてくる
「…それよりも、お前達。悪魔の囁きやコーク・ロアの被害者達が、暴れ出しておる。街中を動き回るのは、危険じゃ」
「危険は承知だ…知り合いが巻き込まれているからな」
「ほっとくわけにはいかねぇだろ」
「なの」
「危険は承知だ…知り合いが巻き込まれているからな」
「ほっとくわけにはいかねぇだろ」
「なの」
ヘンリエッタの言葉に、そう答えるTさん達
むぅ、と、ヘンリエッタは、やや困ったような表情を浮かべてくる
むぅ、と、ヘンリエッタは、やや困ったような表情を浮かべてくる
「ヘンリエッタ嬢は、「組織」として動いているんだな?」
「うむ……できれば、元を叩きたいところなのじゃが。D-No.962…大門が、何やら関わりがあるようで、そちらに向かっておるしの。妾達が、うかつに関わる訳にもいかぬ」
「……我々の今の役目は、コーク・ロア支配型の契約者を確保する事だ」
「うむ……できれば、元を叩きたいところなのじゃが。D-No.962…大門が、何やら関わりがあるようで、そちらに向かっておるしの。妾達が、うかつに関わる訳にもいかぬ」
「……我々の今の役目は、コーク・ロア支配型の契約者を確保する事だ」
ヘンリエッタの言葉に続いて、大柄な黒服が口を開いた
感情の薄い声、その表情にも、感情らしい感情はあまり感じられない
…もっとも、見る者によっては、それは無理矢理に感情を押し殺すよう、振舞っているようにも見えたかもしれないが
感情の薄い声、その表情にも、感情らしい感情はあまり感じられない
…もっとも、見る者によっては、それは無理矢理に感情を押し殺すよう、振舞っているようにも見えたかもしれないが
「コーク・ロアの契約者を?」
「……H-No.9が「組織」を追われて以降、コーク・ロア支配型の被害者の姿は目撃されているが、肝心の契約者の姿が全く見つからない。どこかに潜んでいるものと思われる」
「じゃから、その契約者を確保すれば、せめて、街中で暴れているコーク・ロアの被害者達を抑えられるのじゃ」
「……H-No.9が「組織」を追われて以降、コーク・ロア支配型の被害者の姿は目撃されているが、肝心の契約者の姿が全く見つからない。どこかに潜んでいるものと思われる」
「じゃから、その契約者を確保すれば、せめて、街中で暴れているコーク・ロアの被害者達を抑えられるのじゃ」
ヘンリエッタの言葉に、なるほど、とTさんは頷く
…悪魔の囁き憑きの被害者やクールトーに操られた犬達を抑えるには、朝比奈 秀雄をどうにかすべきだが…コーク・ロアの被害者達を一気に抑えるには、それが一番だろう
ただ、問題は
…悪魔の囁き憑きの被害者やクールトーに操られた犬達を抑えるには、朝比奈 秀雄をどうにかすべきだが…コーク・ロアの被害者達を一気に抑えるには、それが一番だろう
ただ、問題は
「その、コーク・ロア契約者の潜伏先は、わかっているのだろうか?」
「…わからぬ。朝比奈 秀雄の膝元にいるとは限らぬでな。「組織」で把握しているこのところの連中の動きを見ると、むしろ、別の場所におると思うのじゃが…」
「…わからぬ。朝比奈 秀雄の膝元にいるとは限らぬでな。「組織」で把握しているこのところの連中の動きを見ると、むしろ、別の場所におると思うのじゃが…」
…だからこそ、こうやって、怪しい場所をしらみつぶしに探している、といったところか
その途中、悪魔の囁き憑きなどに襲われたら対処している
そんなところだろう
その途中、悪魔の囁き憑きなどに襲われたら対処している
そんなところだろう
「妾達は、このままコーク・ロア契約者を探すが………お前達も、気をつけるのじゃぞ?」
「嬢ちゃん達もな?」
「妾達は大丈夫じゃ!妾はこう見えても戦えるし、ジェラルドも強いのじゃ!」
「嬢ちゃん達もな?」
「妾達は大丈夫じゃ!妾はこう見えても戦えるし、ジェラルドも強いのじゃ!」
舞の言葉に、そう答えたヘンリエッタ
言葉の中に、どうやらジェラルドという名前らしい、大柄な黒服への強い信頼が透けて見える
言葉の中に、どうやらジェラルドという名前らしい、大柄な黒服への強い信頼が透けて見える
「では、行くぞ、ジェラルド」
「…了解いたしました、お嬢様」
「…了解いたしました、お嬢様」
歩き出したヘンリエッタの後を、付き従っていついていくジェラルド
…気絶した悪魔の囁き憑き被害者を放置しているのが、いいのだろうか
…気絶した悪魔の囁き憑き被害者を放置しているのが、いいのだろうか
「やっぱ、「組織」も動いてるんだな」
「だろうな…黒服さんは「組織」から朝比奈 秀雄の居場所の情報を得たようだしな」
「だろうな…黒服さんは「組織」から朝比奈 秀雄の居場所の情報を得たようだしな」
…さて、彼らは、もう目的地に辿り着いただろうか?
いや、恐らくまだ、だとは思うが…
いや、恐らくまだ、だとは思うが…
「少し、急ごう。時間がかかればかかるほど、途中で厄介ごとに巻き込まれる可能性が高い」
「ん、わかった」
「ん、わかった」
Tさんの言葉に頷き、舞はTさんの後をついて駆け出す
路地裏から、少し、大きな道へと出ようとした
路地裏から、少し、大きな道へと出ようとした
…その、瞬間だった
何者かが、二人の前に踊り出る
その、人形のように整った容姿を見て…げ、と、舞が若干、嫌そうな声をあげた
その、人形のように整った容姿を見て…げ、と、舞が若干、嫌そうな声をあげた
「麗しきレディ!三度も出会えるなどこれもきっと運命!!…だが、残念ながら今宵は訳ありで少々街中は危険で満ち溢れている。よって、膝枕は後日という事でここはせめてレディを安全圏まで送り届がはっ!!??」
ユニコーン の とっしん !!
きゅうしょ に あたった !!
きゅうしょ に あたった !!
…一方的に捲くし立てていた西洋人男性は、突如現れたユニコーンによって、容赦なく突き飛ばされた
ひひん
ユニコーンが、期待に満ちた眼差しを、舞に向けてくる
「---痛ぅ………この、エロホース!時と場合を考えろ!!確かに乙女の膝枕を逃すのは惜しいが、今はそれどころではないだろう!」
……ひひひん
契約者たる青年の言葉など、知るか、とでもいった様子で
ユニコーンは、あっけに取られていると言うか呆れている舞に、期待の眼差しを送り続けているのだった
ユニコーンは、あっけに取られていると言うか呆れている舞に、期待の眼差しを送り続けているのだった
to be … ?