街中を駆ける、ヘンリエッタとG-No.1
都市伝説の気配を探りながら進むのだが…コーク・ロア契約者は、まだ見つからない
代わりに、悪魔の囁き憑きの被害者が次々と見付かり、見つけては、暴れるそれを取り押さえる作業に追われていた
都市伝説の気配を探りながら進むのだが…コーク・ロア契約者は、まだ見つからない
代わりに、悪魔の囁き憑きの被害者が次々と見付かり、見つけては、暴れるそれを取り押さえる作業に追われていた
「むぅ………やはり、表を動き回ってはおらぬのだろうか。どこかの建物の中にでもおるか…?」
ぐしゃ、と被害者の体内から排出した悪魔の囁きを踏み潰しつつ、呟くヘンリエッタ
と、なると、建物内の気配に集中しなければならない
……しかし、この騒ぎに感づき、隠れている契約者や都市伝説、と言う可能性も捨てきれないのだ、建物内の気配となると
そう言った者達と、無用な騒ぎは起こしたくない
と、なると、建物内の気配に集中しなければならない
……しかし、この騒ぎに感づき、隠れている契約者や都市伝説、と言う可能性も捨てきれないのだ、建物内の気配となると
そう言った者達と、無用な騒ぎは起こしたくない
………だからと言って、動かない訳には、いかないのだ
「ジェラルドよ、屋内の都市伝説の気配に集中するのじゃ」
「……了解いたしました、お嬢様」
「……了解いたしました、お嬢様」
気絶させた悪魔の囁き憑き被害者の記憶を操作していたG-No.1…ジェラルドが、立ち上がった
一定範囲内の都市伝説の気配を感知し、屋内のそれを厳選して、位置を確認していく
一定範囲内の都市伝説の気配を感知し、屋内のそれを厳選して、位置を確認していく
「ここからさほど離れていない空きビルの中に、都市伝説契約者の気配を二つ。都市伝説の気配を三つ、確認しました」
「む…多重契約者なのか、それとも、囁きに憑かれておるのか…とにかく、そこに急ぐか」
「む…多重契約者なのか、それとも、囁きに憑かれておるのか…とにかく、そこに急ぐか」
再び、駆け出す
少しでも早く、コーク・ロアの契約者達を抑えたい
それがすめば、朝比奈 秀雄の元に向かっているであろう者達の手伝いもしたいのだが…
少しでも早く、コーク・ロアの契約者達を抑えたい
それがすめば、朝比奈 秀雄の元に向かっているであろう者達の手伝いもしたいのだが…
しかし
それを妨害するかのような気配が、二人に近づく
それを妨害するかのような気配が、二人に近づく
「…っ、お嬢様、都市伝説と契約者の気配が、こちらに接近……悪魔の囁き憑きです」
「む………接触は避けられぬか?}
「明確に我々を狙って移動しているわけではないようです。接触を避ける事も可能でしょう」
「む………接触は避けられぬか?}
「明確に我々を狙って移動しているわけではないようです。接触を避ける事も可能でしょう」
ジェラルドのその言葉に、ヘンリエッタは悩む
……自分達は、急がなければならないのだ
だが、だからと言って、悪魔の囁き憑きの被害者を放っておく気にはなれない
自分達がそれを放っておけば、犠牲者が出る可能性もあるのだ
……自分達は、急がなければならないのだ
だが、だからと言って、悪魔の囁き憑きの被害者を放っておく気にはなれない
自分達がそれを放っておけば、犠牲者が出る可能性もあるのだ
「……ジェラルド、接触を避けようとした場合、目的地到着にかかる時間に、どれほどの差が出る?」
「ほんの数分程度かと。相手と接触した方が、時間をロスします」
「………それでも…放っておく訳にはいかぬ、か。接触を避けぬ。悪魔の囁き憑き被害者と遭遇したならば、その場で払おう」
「…了解いたしました」
「ほんの数分程度かと。相手と接触した方が、時間をロスします」
「………それでも…放っておく訳にはいかぬ、か。接触を避けぬ。悪魔の囁き憑き被害者と遭遇したならば、その場で払おう」
「…了解いたしました」
ヘンリエッタの言葉を受けて、警戒モードに入るジェラルド
いつ、相手と遭遇しても……その瞬間に、相手がヘンリエッタに攻撃してきたとしても即座に対応できるよう、備える
気配は、どんどん近づいてきて
それらしき相手の姿が見えた…その、瞬間
いつ、相手と遭遇しても……その瞬間に、相手がヘンリエッタに攻撃してきたとしても即座に対応できるよう、備える
気配は、どんどん近づいてきて
それらしき相手の姿が見えた…その、瞬間
「----っ!!」
「ジェラルド!?」
「ジェラルド!?」
すぱんっ、と
ヘンリエッタを庇うように突き出された、ジェラルドの右腕が……その、手から肩にかけての、その中間の間接辺りで…きり飛ばされた
ヘンリエッタを庇うように突き出された、ジェラルドの右腕が……その、手から肩にかけての、その中間の間接辺りで…きり飛ばされた
…一瞬で、目前まで接近してきたその相手は…鎧武者
「夜彷徨う鎧武者」と言ったところか
手に握られている錆だらけのその刀で、ジェラルドの右腕を軽々、切り飛ばしたらしい
「夜彷徨う鎧武者」と言ったところか
手に握られている錆だらけのその刀で、ジェラルドの右腕を軽々、切り飛ばしたらしい
「…いい反応じゃないか」
くっく、と聞えてくる、笑い声
鎧武者の背後に若い男が現れた
…こちらが、契約者か
鎧武者の背後に若い男が現れた
…こちらが、契約者か
「お前は、男を殺れ。餓鬼は俺が切る……!」
「---お嬢様!」
「……良い。契約者の相手は妾がやる。お前は都市伝説を抑えよ」
「---お嬢様!」
「……良い。契約者の相手は妾がやる。お前は都市伝説を抑えよ」
男を止めようとしたジェラルドだったが、ヘンリエッタの言葉を受け、かすかに迷いを見せながらも従う
再び切りかかろうとしてきた鎧武者に、切られた腕の断面を向けたジェラルド
再び切りかかろうとしてきた鎧武者に、切られた腕の断面を向けたジェラルド
直後
ダダダダダダダダダダダダダ……と、銃声音が響き渡った
ダダダダダダダダダダダダダ……と、銃声音が響き渡った
男は、その銃声音を気にする様子なく、ジェラルドの横を駆け抜け、ヘンリエッタに向かって突進していた
その手には、何時の間にか鎧武者が手にしているのと、全く同じ刀が握られていて
ひゅん、と振り下ろされる刃が、ヘンリエッタに襲い掛かる
その手には、何時の間にか鎧武者が手にしているのと、全く同じ刀が握られていて
ひゅん、と振り下ろされる刃が、ヘンリエッタに襲い掛かる
「…やれやれ、自分の契約都市伝説の心配はしないのかの?」
呆れたように呟き、刃を避けるヘンリエッタ
男は、ギラギラと狂気交じりの眼差しでヘンリエッタを見つめてきており…恐らく、ヘンリエッタの言葉は、耳に届いていない
もしかしたら、断続的に続いている銃声も、聞えていないのかもしれない
どろどろと、その胸元に、黒い染みが浮き出始めていた
男は、ギラギラと狂気交じりの眼差しでヘンリエッタを見つめてきており…恐らく、ヘンリエッタの言葉は、耳に届いていない
もしかしたら、断続的に続いている銃声も、聞えていないのかもしれない
どろどろと、その胸元に、黒い染みが浮き出始めていた
…まだ、具現化はしないか
悪魔の囁きの駆除剤でも打ち込めば、もう少しでてくるか?
悪魔の囁きの駆除剤でも打ち込めば、もう少しでてくるか?
ヘンリエッタが思案している間にも、男は狂気の笑顔をヘンリエッタに向けてきている
「逃げるなよぉ……餓鬼の柔らかい肉を、思う存分切り刻みてぇんだよぉ……!!」
「…やれやれ、ロクでもない願望を抱えておったようじゃのぅ…」
「…やれやれ、ロクでもない願望を抱えておったようじゃのぅ…」
ヘンリエッタは、小さくため息をついて
……その目が、赤く、光った
……その目が、赤く、光った
「……仕方ない。少々、痛い目を見てもらうかの?」
ダダダダダダダダダダ………
銃声は、鳴り止む様子を見せない
近距離から無数の銃弾を喰らい、鎧武者の鎧がどんどん、ボロボロになっていく
その隙間からは……何も「見えない」
ただ、真っ暗な闇だけが広がっていた
近距離から無数の銃弾を喰らい、鎧武者の鎧がどんどん、ボロボロになっていく
その隙間からは……何も「見えない」
ただ、真っ暗な闇だけが広がっていた
「………」
ジェラルドは、無言で鎧武者に攻撃を続けている
切断された、腕の断面
そこから、無数の銃弾を撃ち放ち続けていた
…よく見れば、その断面からは、何か、糸のようなものが数本、垂れ下がっている
そして、断面の中央からは、銃口が僅かに顔を見せていた
切断された、腕の断面
そこから、無数の銃弾を撃ち放ち続けていた
…よく見れば、その断面からは、何か、糸のようなものが数本、垂れ下がっている
そして、断面の中央からは、銃口が僅かに顔を見せていた
G-No.1
人間としての名前は、ジェラルド・グライリッヒ
彼は、主であるヘンリエッタに、絶対の忠誠を誓っている
それは、もはや狂気の沙汰と呼んでいいレベルのものだ
ヘンリエッタのためならば、己の身など省みない
彼女の力になれる為ならば…己の体に手を加えることも、途惑わない
「フランケンシュタインの怪物」と呼ばれる都市伝説に飲み込まれ、怪物を使役する側から、怪物へと成り果てた時点で、その心はどこか壊れていたのかもしれない
…もっとも、その「フランケンシュタインの怪物」となったがために、己の体に手を加えるなどと言う芸当が可能になっているのも事実だが
人間としての名前は、ジェラルド・グライリッヒ
彼は、主であるヘンリエッタに、絶対の忠誠を誓っている
それは、もはや狂気の沙汰と呼んでいいレベルのものだ
ヘンリエッタのためならば、己の身など省みない
彼女の力になれる為ならば…己の体に手を加えることも、途惑わない
「フランケンシュタインの怪物」と呼ばれる都市伝説に飲み込まれ、怪物を使役する側から、怪物へと成り果てた時点で、その心はどこか壊れていたのかもしれない
…もっとも、その「フランケンシュタインの怪物」となったがために、己の体に手を加えるなどと言う芸当が可能になっているのも事実だが
…銃声が、唐突に止んだ
どうやら、弾切れのようだ
どうやら、弾切れのようだ
鎧武者は……まだ、生きている
ボロボロになりながらも、まだ、ジェラルドを切り殺そうと、刀を向けてきている
どれだけ傷つこうとも、主の…契約者の命令に、従おうというのだろう
そのような強い忠誠心を見せ付けられたからといって、ジェラルドは手加減をするつもりはない
一刻も早くヘンリエッタの援護に回るためにも、手を抜くわけにはいかないのだ
ボロボロになりながらも、まだ、ジェラルドを切り殺そうと、刀を向けてきている
どれだけ傷つこうとも、主の…契約者の命令に、従おうというのだろう
そのような強い忠誠心を見せ付けられたからといって、ジェラルドは手加減をするつもりはない
一刻も早くヘンリエッタの援護に回るためにも、手を抜くわけにはいかないのだ
鎧武者が、再び刀を振るおうとする
…しかし、その動きが、ぴたり、止まった
止められた
止められた
鎧武者の、腕は
何時の間にか…ジェラルドの、切り飛ばされた右手が、がっちりと捕まっていた
確かに、切り飛ばされたはずの腕は、しかし、ジェラルドの意思に従い続けている
…がっしりと鎧武者を抑えている右手からは、ジェラルドの右腕の断面と同じように、糸が垂れている
何時の間にか…ジェラルドの、切り飛ばされた右手が、がっちりと捕まっていた
確かに、切り飛ばされたはずの腕は、しかし、ジェラルドの意思に従い続けている
…がっしりと鎧武者を抑えている右手からは、ジェラルドの右腕の断面と同じように、糸が垂れている
これが、ジェラルドの能力であると、鎧武者は気づいていない
体中つぎはぎだらけのフランケンシュタインの怪物
…つぎはぎ部分であれば、切り離されても、それはダメージになりえない
縫い直せば元に戻るし、このように切り離された状態でも、ジェラルドの意思に従って動かす事ができるのだ
……まぁ、つぎはぎ部分以外を着られたらアウトなのだが
体中つぎはぎだらけのフランケンシュタインの怪物
…つぎはぎ部分であれば、切り離されても、それはダメージになりえない
縫い直せば元に戻るし、このように切り離された状態でも、ジェラルドの意思に従って動かす事ができるのだ
……まぁ、つぎはぎ部分以外を着られたらアウトなのだが
「…そのまま、大人しくしていろ」
だん!と
ジェラルドの右手が、鎧武者を組み伏せた
鎧武者はもがくが、ボロボロのその体では、右手だけすら、振り払えない
ジェラルドは、鎧武者から視線を外し、ヘンリエッタの加勢に向かおうとして…
ジェラルドの右手が、鎧武者を組み伏せた
鎧武者はもがくが、ボロボロのその体では、右手だけすら、振り払えない
ジェラルドは、鎧武者から視線を外し、ヘンリエッタの加勢に向かおうとして…
「………不味いのぅ」
そこで、見たのは
口の周りを赤く染めた、ヘンリエッタと
そのヘンリエッタに踏みつけられ、首筋を赤く染めている、鎧武者の契約者
そして……ヘンリエッタの右手にしっかりと握られている、悪魔の囁き
口の周りを赤く染めた、ヘンリエッタと
そのヘンリエッタに踏みつけられ、首筋を赤く染めている、鎧武者の契約者
そして……ヘンリエッタの右手にしっかりと握られている、悪魔の囁き
ぐしゃり
ヘンリエッタは、あっけなく、悪魔の囁きを握りつぶした
ヘンリエッタは、あっけなく、悪魔の囁きを握りつぶした
「…ジェラルド、右腕を縫い直す。しばし動くな」
「………申し訳ありません、お嬢様」
「………申し訳ありません、お嬢様」
悪魔の囁きが握りつぶされたことによって、鎧武者と契約者は気絶した
そうじゃなくとも、ヘンリエッタに血を吸われたのだから、鎧武者の契約者はしばらく動けなかっただろうが
そうじゃなくとも、ヘンリエッタに血を吸われたのだから、鎧武者の契約者はしばらく動けなかっただろうが
ちくちく、ちくちく
ヘンリエッタは、この場でジェラルドの切り放された右腕を縫い直していく
…ジェラルドの体を縫い直す事ができるのは、ヘンリエッタだけなのだ
ヘンリエッタは、この場でジェラルドの切り放された右腕を縫い直していく
…ジェラルドの体を縫い直す事ができるのは、ヘンリエッタだけなのだ
「良い。お前は、妾を護る為に、傷ついてしまったのじゃから。お前を治すのは、妾の役目じゃ」
きっぱりと、そう言いきるヘンリエッタ
…彼女は、自分が原因で誰かが傷つく事を好まない
自分を守る事で、誰かが傷つく事を好まない
…彼女は、自分が原因で誰かが傷つく事を好まない
自分を守る事で、誰かが傷つく事を好まない
自分には、護られる価値など存在しない
彼女は、そう信じきっているから
彼女は、そう信じきっているから
「…これで良いか?」
「……問題ありません」
「……問題ありません」
縫い直された右腕を、軽く動かすジェラルド
その様子を見て、ヘンリエッタはほっとしたような表情を浮かべた
その様子を見て、ヘンリエッタはほっとしたような表情を浮かべた
「では、行くぞ」
「はい」
「はい」
再び、二人は目的地に向かう
少しでも多く、朝比奈 秀雄の牙(兵)をもぐ為に
少しでも多く、朝比奈 秀雄の牙(兵)をもぐ為に
もっとも
二人が向かうその目的地には、コーク・ロアの契約者はいないのだが…二人がそれに気づくのは、目的地に付いてからの事である
二人が向かうその目的地には、コーク・ロアの契約者はいないのだが…二人がそれに気づくのは、目的地に付いてからの事である
to be … ?