ノートパソコンの画面に、苦悶の声を上げる黄金竜の姿が映し出されている
朝比奈 秀雄のその体から、「黄金伝説」のドラゴン達が抜け出ていく様子が、はっきりと
どこかの監視カメラに映し出されている映像だ
多分、後で「組織」がその映像から、ドラゴンの姿だけ綺麗に消す事だろう
今、リアルタイムでその映像を盗み見ているからこそ、修正前のこの画像を見る事ができているのだ
朝比奈 秀雄のその体から、「黄金伝説」のドラゴン達が抜け出ていく様子が、はっきりと
どこかの監視カメラに映し出されている映像だ
多分、後で「組織」がその映像から、ドラゴンの姿だけ綺麗に消す事だろう
今、リアルタイムでその映像を盗み見ているからこそ、修正前のこの画像を見る事ができているのだ
「………」
ぎゅう、とジャッカロープを抱きしめて、やや不安そうにその様子を見ている恵
そんな恵を、ジャッカロープが不安そうに見つめる
そんな恵を、ジャッカロープが不安そうに見つめる
「「黄金伝説」のドラゴンを、朝比奈から引き剥がしたか」
「………死んで……しまったの、か?」
「………死んで……しまったの、か?」
画面をのぞき見た辰也の呟きに、そう、不安そうに尋ねる恵
「黄金伝説」のドラゴンが、朝比奈から引き剥がされた
それは、朝比奈が死亡したからでは、と感じたのだろうか
恵の問いかけに、辰也は首を左右にふる
「黄金伝説」のドラゴンが、朝比奈から引き剥がされた
それは、朝比奈が死亡したからでは、と感じたのだろうか
恵の問いかけに、辰也は首を左右にふる
「まさか。あのお人好しが関わってんだ……あの究極のお人好しのことだから、多分、殺さずに何とかする方法を見つけたんだろ」
D-No.962…大門 大樹と言う男を、辰也は接触経験こそほとんどないが、それでも理解していた
優しい、優しすぎる黒服
たとえ、相手が生まれついての「悪」であったとしても、殺す事を躊躇うような男
殺さずにどうにかする方法を見つけたならば、それがどれほど困難であろうとも、その方法を選ぶような男
………安易に殺す道を選ぶ辰也にとって、あまりにも眩しすぎるお人好し
優しい、優しすぎる黒服
たとえ、相手が生まれついての「悪」であったとしても、殺す事を躊躇うような男
殺さずにどうにかする方法を見つけたならば、それがどれほど困難であろうとも、その方法を選ぶような男
………安易に殺す道を選ぶ辰也にとって、あまりにも眩しすぎるお人好し
あれが、あの現場にいるのなら
多分、朝比奈 秀雄は死んではいないだろう
これから、どうなるかはわからないが
多分、朝比奈 秀雄は死んではいないだろう
これから、どうなるかはわからないが
「…………そう、か」
…少し、ほっとした様子の恵
辰也からしてみれば、恵の優しさも、眩しすぎる
朝比奈 秀雄と恵の、その繋がりを知った時
辰也が感じたのは、朝比奈 秀雄への怒りと憎悪
…だが、恵は
それを知っても、そんな感情は抱いた様子はなく
………今だって
こうして、その生死を心配すら、して
辰也からしてみれば、恵の優しさも、眩しすぎる
朝比奈 秀雄と恵の、その繋がりを知った時
辰也が感じたのは、朝比奈 秀雄への怒りと憎悪
…だが、恵は
それを知っても、そんな感情は抱いた様子はなく
………今だって
こうして、その生死を心配すら、して
何故、そんな考え片ができるのか
辰也には、わからない
怒りや憎悪を………復讐心を糧に生き、力を付けていった辰也には
人を憎む方法すらよくわからないような恵のその考え方は、理解できず
……………ただ
それを、酷く眩しく感じた
羨ましく感じた
そんな恵の考え方と比べて、己の考え方は酷く汚れて、醜く感じて
そして、余計に
恵の考え方を羨ましく、眩しく思うのだ
辰也には、わからない
怒りや憎悪を………復讐心を糧に生き、力を付けていった辰也には
人を憎む方法すらよくわからないような恵のその考え方は、理解できず
……………ただ
それを、酷く眩しく感じた
羨ましく感じた
そんな恵の考え方と比べて、己の考え方は酷く汚れて、醜く感じて
そして、余計に
恵の考え方を羨ましく、眩しく思うのだ
「………?辰也……どうした……?」
「----っ」
「----っ」
…考え込んでしまっていたようだ
気づけば、恵の顔が目の前にあった
気づけば、恵の顔が目の前にあった
頬が赤くなったのを自覚する
何をしているんだ、自分は
女も知らない餓鬼じゃあるまいし
何をしているんだ、自分は
女も知らない餓鬼じゃあるまいし
「何でもねぇ」
「………そう、か?」
「………そう、か?」
慌てて離れた辰也の様子に、恵が首を傾げてくる
ジャッカロープが、辰也を威嚇するように前足パンチの素振りをしてきたが、辰也はそれを無視した
ジャッカロープが、辰也を威嚇するように前足パンチの素振りをしてきたが、辰也はそれを無視した
「………あー、そ、そうだ。コーク・ロアの契約者。そっちの方は、どうなってる?」
「くけっ?……………ん……誠や、マリが、どんどん解除していってる、し……他の場所でも、どんどん、無力化されていってる……」
「そうか……なら、いい加減、この騒動もそろそろ終わりか」
「くけっ?……………ん……誠や、マリが、どんどん解除していってる、し……他の場所でも、どんどん、無力化されていってる……」
「そうか……なら、いい加減、この騒動もそろそろ終わりか」
このまま、朝比奈 秀雄が無力化されれば
後は、コーク・ロアの契約者達さえ何とかすれば、この騒動は終わるだろう
朝比奈 秀雄から抜け出たドラゴン達は、どうせ「組織」や他の組織がどうにかするだろうし
後は、コーク・ロアの契約者達さえ何とかすれば、この騒動は終わるだろう
朝比奈 秀雄から抜け出たドラゴン達は、どうせ「組織」や他の組織がどうにかするだろうし
「…………」
………ただ
もし、朝比奈 秀雄が生き延びたならば
あの男は、一体、どのような扱いを受けるやら
もし、朝比奈 秀雄が生き延びたならば
あの男は、一体、どのような扱いを受けるやら
恵をじっと見つめながら、先の事を考えて
辰也は恵に気づかれぬように、小さくため息をついたのだった
辰也は恵に気づかれぬように、小さくため息をついたのだった
to be … ?