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連載 - 悪意が嘲う・デビ田-05

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 山田が、マゾを引きずって帰っている、その最中
 にょろり、山田が羽織っていたジャケットのポケットから…小さな、黒い蛇が顔を出した
 デビ田だ
 マゾを、呆れたように見下している

『ッタク、毎度毎度変態ダナ。変態モ馬鹿も死ナナキャ治ラネェ、ッテカ?』
「…まぁ、死なないんだけどな、こいつの場合」
『一生、治ラネェジャネェカ。イヤ、コイツダッタラ、死ンデモ治ラネェ気ガスルケドヨ』

 …それを否定できず、山田は小さくため息をついた
 けたけたと、デビ田が笑っている

「とりあえず、デビ田。お前、口調とかもうちょっと、何とかならないのか?せっかく、別の存在になったらしいのに」
『ッケ。俺様ハ、元々ハ悪魔ノ囁キナンダ。ソウ簡単ニ本質ガ変ワルカッテンダ』

 そーですかー、と諦めたように項垂れる山田
 そんな山田の様子に、元・悪魔の囁きたるデビ田は、楽しげに楽しげに笑っているのだった


 そう
 元、だ
 悪魔の囁きとして生まれたデビ田
 だが、今は別の存在に変わっていた


 朝比奈 秀雄と契約していた悪魔の囁きが消滅した、直後
 デビ田は、山田の頭の上でぐったりとして、動かなくなった
 ぽとり……と、その小さな体が、山田の掌に落ちてきた時
 山田は、デビ田がそのまま、死んでしまうのではないかと思った

 デビ田は、朝比奈 秀雄が契約していた悪魔の囁きが大元となって生まれた存在だ
 あの黒服が言うには、大元である悪魔の囁きが消滅すれば、それを元に生まれてきた悪魔の囁きも消えるだろう、という事だった

 だから
 デビ田は、もう、二度と目を開ける事なく
 そのまま、死んでしまうのだと
 ……別れの言葉すら交わすことが出来なかったことを、山田は酷く後悔したのだ

 しかし
 デビ田は、眠り続けるだけで、一行に消える様子はなかった
 もしかしたら、目覚めるかもしれない
 そう考え、山田はデビ田が、子ライオンたちの玩具にされないよう庇いつつ生活し

 そして、先日
 デビ田は、ようやく目をあけたのだ


「…それにしても、「イマジナリーフレンド」、なぁ……まったく、以前と変わってないように思えるんだが」

 せいぜい、変わった所と言えば、実体化した時、山田の頭の上から離れられない状態から、それ以外にも移動できるようになった事くらいか

『知ルカヨ。俺様ダッテ、自分ガ変化シタッツー感覚ガ、アマリナインダカラヨ』

 ---イマジナリーフレンド
 子供の頃にだけ存在する、想像上の友達
 あの銀髪の占い師の見立てによれば、デビ田は、悪魔の囁きから、それに変化したのだと言う

 何故、デビ田がそんな、全く違う都市伝説へと変化したのか
 理由は、よくわからない
 ただ、山田と言う、ありとあらゆる意味で例外の存在にとり憑き、いくら囁いてもまったく効果も表れずに過ごし続け
 …そんな生活の中、デビ田の中で「生きたい」「消えたくない」と言う想いが生まれたこと
 それと、何だかんだで、山田とうまく付き合ってこれていたのが原因ではないか…という事だ
 あくまでも推測であり、それが真実かどうかはわからない

 ただ、はっきりしているのは
 デビ田は、消える事がなかった
 今も、こうやって生きている
 その、事実だけだ

「せめて、姿が変わっていればなぁ」
『ダカラ、知ルカッツーノ』

 山田のジャケットのポケットの中で、しぱたんしぱたん尻尾をぺちぺちしてくるデビ田
 小さな黒い蛇、という、悪魔の囁きの頃から変わらない姿
 そのせいで、デビ田が別の存在になった、という感覚は、イマイチないのだが


 ……それでも
 デビ田が消えなかったのなら、まぁ、良いか
 山田は、そう結論付ける事にしたのだった





fin

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