---それはただの悪い夢だったのか?
(……違う)
私は、確かに望んだから
あの人と、一緒になりたいと
永遠に、あの人の傍にいたいと
あの人と、一緒になりたいと
永遠に、あの人の傍にいたいと
(…叶うはずなんて、なかったのに)
あの人の心には、私の全く知らない女性が住み着いていて
そして、あの人は、その女性の幻影を振り払って
……妻として選んだ人と
かつては、手段の為だけに選んだはずの人と
やり直そうとしていたのだから
そして、あの人は、その女性の幻影を振り払って
……妻として選んだ人と
かつては、手段の為だけに選んだはずの人と
やり直そうとしていたのだから
(………馬鹿みたい)
わかっていた癖に、未練たらしくあの人の傍に居続けて
そのせいで、奥さんに誤解させて
結果、あの人の家庭をバラバラにしてしまって
そのせいで、奥さんに誤解させて
結果、あの人の家庭をバラバラにしてしまって
それを、私は言い訳にした
私のせいで、あの人の家庭をばらばらにしてしまったのだから
私のせいで、あの人の家庭をばらばらにしてしまったのだから
私が、ずっと、あの人の傍にいなければ、と
馬鹿な言い訳
自分勝手すぎる言い訳
結局、私はあの人を苦しめただけではないのか?
自分勝手すぎる言い訳
結局、私はあの人を苦しめただけではないのか?
(…本当に………馬鹿、みたい)
あの人の奥さんに、たっぷりと殴られて
まだ、頭の中で、ガンガンとあの声は響き続けていたけれど
まだ、頭の中で、ガンガンとあの声は響き続けていたけれど
…でも、もう、どうにもする気になれなかった
自分の愚かさに、気づいてしまって
目を逸らし続けていたそれに気づいてしまえば、もう
………悪魔の囁きの声は、私には届かなくなっていた
自分の愚かさに、気づいてしまって
目を逸らし続けていたそれに気づいてしまえば、もう
………悪魔の囁きの声は、私には届かなくなっていた
自分の中で響いていた声が、消えた事を自覚する
あぁ、あの人は負けたのだ
誰かが、あの人を止めたのだ
それを、理解した
あぁ、あの人は負けたのだ
誰かが、あの人を止めたのだ
それを、理解した
理解しても、体が動かない
痛みだけが、ジンジンと続いて…………------
痛みだけが、ジンジンと続いて…………------
「………え?」
すぅ、と痛みが消えていく
何かが、優しく触れている感触
何かが、優しく触れている感触
「…意識が戻ったか?」
聞き覚えのある声に、目をあけて、顔をあげる
そこには、人形のように整った顔の青年と、額から角を生やした、純白の馬の姿があった
…ユニコーンと、その契約者の、ヘンリーだ
そこには、人形のように整った顔の青年と、額から角を生やした、純白の馬の姿があった
…ユニコーンと、その契約者の、ヘンリーだ
「…ど、して……あなた達の考えじゃあ、私なんて、放っておいても…」
「見知った顔が怪我していたら、流石に放っておけるか。ビッチとは言え」
「見知った顔が怪我していたら、流石に放っておけるか。ビッチとは言え」
…あぁ、そうか
元々、この青年はこう言う性格だったのか
自分は、悪魔の囁きが憑いた後の状態しか見たことがなかったから、知らなかった
元々、この青年はこう言う性格だったのか
自分は、悪魔の囁きが憑いた後の状態しか見たことがなかったから、知らなかった
「………ボス、負けたんだな」
「…………そう、みたい」
「…………そう、みたい」
むくり、体を起こす
ユニコーンの力で、私の傷は完全に癒えたらしかった
わりと、顔の原型が残らないほど殴られたはずなのに、顔の筋肉がちゃんと動くのが、その証拠だろう
ユニコーンの力で、私の傷は完全に癒えたらしかった
わりと、顔の原型が残らないほど殴られたはずなのに、顔の筋肉がちゃんと動くのが、その証拠だろう
「…あなたは…これから、どうするの?」
「…………」
「…………」
あの人が戦っていたであろう方向を見つめているヘンリー
す、とユニコーンにまたがる
す、とユニコーンにまたがる
「とりあえず、ボスの所に行く。怪我してるようだったら、治療しないと」
「………あの人の周りには、きっと、あの人と戦っていた人達がいるわよ?」
「だろうけど。戦いが終わったんなら、もう、敵も味方もないだろ。怪我人は全員、治療するさ」
「………あの人の周りには、きっと、あの人と戦っていた人達がいるわよ?」
「だろうけど。戦いが終わったんなら、もう、敵も味方もないだろ。怪我人は全員、治療するさ」
……ビッチ相手はあんましやりたくないが、と小さく呟くヘンリー
ひひん、とユニコーンが同意したように嘶く
ひひん、とユニコーンが同意したように嘶く
「お前は?」
「……私は……」
「……私は……」
……きっと
あそこにいけば、また、あの人の奥さんと顔を合わせるだろう
多分、あの人の、息子さんだっているはず
もう一度、殴られるかもしれない
けれど
あそこにいけば、また、あの人の奥さんと顔を合わせるだろう
多分、あの人の、息子さんだっているはず
もう一度、殴られるかもしれない
けれど
「…私も、行くわ……あの人の、家族に……謝らなくちゃ」
「そうか」
「……乗せてくれる?」
「そうか」
「……乗せてくれる?」
じ、とユニコーンを見つめて、お願いしてみる
ユニコーンは、じぃっ、と私を見つめてきて…
ユニコーンは、じぃっ、と私を見つめてきて…
………ひひひん
「乙女じゃないから、嫌だってよ」
「……………酷い」
「……………酷い」
まぁ、わかっていた事だけど
私は小さく苦笑いて…走り出すことはなく、ゆっくり歩き出したユニコーンの後を付いて行った
………泣いている顔を誰にも見られることのないように、陰鬱に俯きながら
私は小さく苦笑いて…走り出すことはなく、ゆっくり歩き出したユニコーンの後を付いて行った
………泣いている顔を誰にも見られることのないように、陰鬱に俯きながら
to be … ?