「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - ドクター-68

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ドクター68


「宮定繰さん、ですね?」
柔和な笑みを浮かべた見知らぬ黒服の男に、怪訝な顔をする繰
「遅くなって申し訳ありません。新しくあなたの担当となる者です」
「随分と遅かったのね。相当ゴタゴタしてるの?」
「何しろ『組織』の人手不足は昔からですから……こうして呼び出させていただいたのも、早急に片付けるべき仕事がありまして」
前の担当はどちらかと言えば無表情無感情なタイプだったが、今度の担当はどこか芝居掛かった胡散臭いタイプだ
そんな感想を繰が抱いているのを知ってか知らずか、笑顔を崩さず黒服は告げる
「今回のお仕事は、前任者を殺害したと想定される別組織の黒服の討伐です」
「そう……ターゲットの居場所は掴めてるの?」
「どうやら複数によるグループらしく。都市伝説や契約者と遭遇していない、一般人に危険を及ぼす可能性のある者から順次排除していく事になります」
「それなら急いだ方がいいわね。案内お願い……えっと、あんた達って個別の呼び名って無いの? 前任者の時にちょっと面倒だったんだけど」
繰の言葉に黒服の男は人の良さそうな声で告げる
「そうですね、所属する派閥やグループでコードやナンバーが割り振られていますので。A-No.18782が私の識別番号ですので、お好きなように覚えて下さい」
「三桁以上の数字とか覚えられないっての。とりあえずAさんね、細かい事は後で相談」
「了解しました。それでは行動を開始しましょう」

―――

盟主の技の一つであるプラズマ攻撃を、各々手にした武具であっさり弾き散らす中華黒服達
大樹が鋸で切り倒されるように、電気が金属に制され流れを変えるように
五行の理として木行である雷は金行によって剋される
「蟲毒を破られる前に我らの命を喰らわせて毒を満たしても良いのだが」
「まず破られぬ事が大事」
「そもそも我ら全員の命より、貴様ら一人の命の方が上質よ」
「霊とて神とて殺せぬものなどこの世に無し」
「我らが力の礎となれ」
好き勝手に喋り、じりじりと間合いを詰めてくる中華黒服達
盟主は将門の元まで退き、焦りを覚えながらも声を抑えて囁く
「急いで下さい。私では相性が悪過ぎて抑えられません」
「力任せに破るわけにもいかんのでな、もう少し時間が掛かる。なかなかに面白い遊戯よ」
「楽しんでいる場合ではありません。そもそもあなたのお仲間は来てないのですか」
「大陸無双と戦うにしても、お主と逢引きするにしても、連れがいては邪魔ではないか。来るなと念を押してある」
「ああもうこの落ち武者死ねばいいのに……とりあえずここを離れて態勢を立て直しましょう」
「その必要は無い」
将門の声と共に中華黒服達の動きが突然止まり、将門と盟主を取り囲んでいた一角が押し退けられるように崩れる
「待ちかねたぞ?」
「呼ばれてもいないのですから、来る事を期待しないで下さい」
「我が『蟲毒』を破ろうとする事は察していたのであろう? それに、『蟲毒』の結界を破るために町中に気を張っていたからな。来る様子は判っておったわ」
周囲を囲む者達と同じ黒服姿ではあるが、その雰囲気は全く違う
この町きっての人格者にして苦労人、『組織』の過労死候補No.1と名高い黒服Dである
「……あなたは戦闘向きではないなずですが」
盟主の問いに、黒服Dは静かに頷く
「ですが、『蟲毒』を破るまでの盾としてはこれ以上はない特性があります。『アメリカ政府の陰謀論』の支配下にある黒服の弱点ですよ」
中華黒服達と、将門と盟主の間に立ちはだかる黒服D
「彼らは『夢の国』に関係した存在に直接危害を加えられません。『陰謀論』から直接の命令をされていれば別ではありますが、独断で行動しトップからの干渉を絶っている状態ではそれも無いでしょう」
『夢の国』の著作権を保護するために法改正を続けている、そんな都市伝説もまた『アメリカ政府の陰謀論』の一部であるという事
『夢の国の地下トンネル』の力を持つ黒服Dを、彼らは戦闘に巻き込む事は出来ない
中華黒服達はその言葉に押し黙るが、その沈黙こそが最大の肯定となっていた
「強硬派が彼らの排除に乗り出しています。『蟲毒』を先に破らなければ、結果的には彼らの目的は達せられてしまいます。急いで下さい」
「急くな。この町に呪詛の欠片一つたりとも残さず取り払うためだ」
わざとらしい悠長な態度に中華黒服達はぎりと歯軋りをするが、攻め手に回れないと判断すると町の方々へと散って行った
「逃がしてしまって良いのか?」
「ここに戦えるものを招くよりはマシでしょう」
『組織』の強硬派が現れれば『首塚』との関係を悪化させる事態になりかねない
だがそれ以上に、こと戦闘となれば嬉々として加わり止めようもないであろう化物が一人いる
「随分と都合良く事が運ぶな。全ては貴様の手のひらの上か?」
その化物、今までの様子をじっと眺めていた呂布がそう問うと、将門はからからと楽しそうに笑う
「天運よ。我のではなく、この町のな」

―――

水鏡の前に立ち、ぎりと歯軋りをする中華黒服
町全体を『蟲毒』の状態にする結界が破られるのは時間の問題となり、町中に散った黒服達の戦果も微々たるもの
手は数あれど悠長に構えていた事が災いし、時間が足りず
必要に足る力となるには、僅かばかり届かない
町中に散らせた黒服達を並列思考から自律活動に切り替えると、中華黒服は足元に転がる犬メイドを見据え使い道を思案する
首を落とし臓腑を抉り血を捧げ贄として、僅かばかりでも毒の足しにするか
房中術で精を搾り取り、違う種の力ではあるが混ぜて足しにするか
どちらにせよ不確定極まりないものではあるが、やらないよりはマシという状況が迫りつつある
中華黒服は僅かばかりの苛立ちが混じった顔で、身動き一つできない犬メイドにその手を伸ばした


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