「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - ドクター-67

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ドクター67


「なるほど、逃げ隠れが上手いだけの事はある、実に巧妙よ」
町を覆っているであろう蟲毒の結界を探りながら、将門は楽しそうに笑う
「笑い事ではありません。あの連中の主目的は『蟲毒』ではなかったのですよ?」
結界が破れその中に隠されていた存在を知った盟主が、うんざりとした顔で呂布を睨む
「方位さえ定まればそこに『ある』とはいえ……大陸のものをよくもまあ」
「俺が知るか」
将門と盟主、二人からやや距離を取って座り込んだまま、呂布はじっと動かない
「手出しはせん。それが最大限の譲歩だ」
「それはどちらに対して言ってるのですか?」
「両方だ」
その言葉に呼応するかのように、音も気配も無く、影が浮かび上がるように現れる黒服達の姿
「我らの命令に背くか」
「所詮は裏切り者の性という事か」
「まあいい、事は充分進んでおる」
老若男女様々な数十人の黒服が、いつの間にか周囲を取り囲む
「ほう、随分と増えたものだな。まるで鼠か御器噛りよ」
将門の挑発じみた言葉にも、まるで動じた様子も無くじりじりと間合いを詰める黒服達
「『祟り神』とはいえ所詮は元人間」
「それを制するが我ら『仙』よ」
「陰陽五行天地万物、制する我らに抗うか」
将門は蟲毒の術式を読み取りそれを打ち砕くために気を割いている
戦いながらでも事は進むが、流石に多少なりとも作業に遅れは出てしまう
「その割には、やってる事は小物臭いですね?」
それを察してか、即座に動いたのは盟主だった
放たれた空気を焦がす紫電の規模は、呂布に向かって放たれたものよりも遥かに大きい
だが、それは黒服達に届く事無く、各々が手にした刀剣や放たれた鋲によって霧散してしまう
「雷とてそれは木行。我らが御せんとする『祟り神』の対策のついでで充分よ」
「そもそも我らがこの町を『蟲毒』に選んだのも、何より貴様の存在あってこそ」
「雷の力を御する者の守護する地」
「歳星、それ即ち木星なり」
「世の東西問わず雷の星なり」
「五時は春、この桜咲き散る季節にて」
「五方は東、東の果てのこの島国にて」
「五声は呼、数多の異形が呼ばれる地」
「五畜は犬、犬が集まり狂い果て」
「五虫は鱗、竜が集いて暴れ散り」
「五志は怒、守護者が怒りに蝕まれる」
「ここまで木行に偏る地と時はそうそうあるまいて」
それまで無表情だった黒服達が、けたけたと声を上げて笑い出し
「我らを殺し早急に毒を満たすか」
「我らに殺され毒に成り果てるか」
「将門よ、盟主よ、さあどちらを選ぶ」
さも楽しそうに声を揃えて告げる
「「「「「「「「「「五情は喜、これもまた木行よ」」」」」」」」」」

―――

一方その頃
どういう仕組みか床一面に広がる水鏡の縁に、指一本動かせずに転がされている犬メイドの姿
水鏡には町のあちこちを徘徊する中華黒服達の中で、一際大きく将門と盟主の姿が映し出されている
その奥、水の底に沈む脈動する肉塊とそれに包まれた女性の姿を見て、それが呂布の契約者が救いたい人なのだろうと把握する
(さて、声一つ出せない状況でマジどうするか)
辛うじて呼吸だけはできたため、呼吸の長短でモールス信号のように意図を伝え、胸の谷間に潜んでいた小悪霊をこっそりと放つ事に成功した
問題は伝えるべき事が正確に伝わっているかだが、そこまでは期待はしていない
最悪自分がどうなろうとも、この場所だけでも誰かに伝わって、この女性がどうにか助かればそれでいいとは考えていた
(ていうか今の俺が助かったらヒロイン扱いだろ。『MI6』の下っ端なら、くたばった方が旦那の登場の切っ掛けになった方がマシだっての)
時間が無い、そう判断できる材料の一つ
犬メイドの視界の片隅に見える、中華黒服の持つ符が隙間無く貼り付けられた壷
あくまで視覚的に具現化しているだけで実体はそこには無いのだが、だからこそ中身の見えない角度からでも感覚的にその中身が察知できた
その中に満たされた表現しようのない色合いの液体は、徐々に溢れるほどの量へと近付いていた


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