広がるカオス、阿鼻叫喚
それらを、前に
それらを、前に
「くっかかかかか、人の身であのようなものを生み出すとは…さすが、翼の母親よ」
平気で笑っている祟り神がいた
「首塚」首領 平将門である
「首塚」首領 平将門である
「うー!すごいー!うーうー!」
きゃっきゃっ、とその将門の傍らで、コアラの絵が描かれたお菓子をもったちみっこも笑っていたりする
…何故、ここは平和なのか?
あえて言うならば、ここには化死窪喪血が、近づいてこないからだ
……何故、近づいてこないか?
それは、将門の霊圧に、化死窪喪血が恐怖を感じて、近づかないからだ
…何故、ここは平和なのか?
あえて言うならば、ここには化死窪喪血が、近づいてこないからだ
……何故、近づいてこないか?
それは、将門の霊圧に、化死窪喪血が恐怖を感じて、近づかないからだ
「笑っている場合ですか…そろそろ何とかしないと、不味いでしょう」
はぁ、とため息をつく盟主
なお、盟主も(小言を言うために)将門の傍にいるので、化死窪喪血の被害はこうむっていない
なお、盟主も(小言を言うために)将門の傍にいるので、化死窪喪血の被害はこうむっていない
「ふむ、そうだな……では」
杯を、一度下ろして
将門は、蠢く化死窪喪血を……睨みつけた
将門は、蠢く化死窪喪血を……睨みつけた
将門と同様、ほぼ、この被害を受けていない男がいた
朝比奈 秀雄だ
何度か、化死窪喪地が彼に近づこうとしているのだが……ギロリ、一睨みされただけで、逃げていく
かつて、大量の黄金伝説のドラゴンを従えた男の覇気に、化死窪喪血は恐怖を感じたのだ
朝比奈 秀雄だ
何度か、化死窪喪地が彼に近づこうとしているのだが……ギロリ、一睨みされただけで、逃げていく
かつて、大量の黄金伝説のドラゴンを従えた男の覇気に、化死窪喪血は恐怖を感じたのだ
…とまれ
秀雄は、このばか騒ぎに加わる気はなかった
己の妻が原因ではあるが、彼女の手料理で都市伝説が何人消滅しようと、彼は気に止めない
……都市伝説嫌いが、治った訳ではないのだ
秀雄は、このばか騒ぎに加わる気はなかった
己の妻が原因ではあるが、彼女の手料理で都市伝説が何人消滅しようと、彼は気に止めない
……都市伝説嫌いが、治った訳ではないのだ
が
しかし
しかし
「………」
彼の、視界の先で
迫り来る化死窪喪血に、ぎゅう、と角の生えた兎を抱きかかえて、怯えている女性が一人
彼女を庇うように、黒髪を肩まで伸ばし、シルバーのピアスをつけた青年が化死窪喪血を牽制しているが、接近されるのは時間の問題
同時に
己の母親が原因のこれを、どうにかしようとしているのか
化死窪喪血を何とかしようとしている、翼の姿も目に入った
が、翼の契約都市伝説では、化死窪喪血を完全に倒せず…
迫り来る化死窪喪血に、ぎゅう、と角の生えた兎を抱きかかえて、怯えている女性が一人
彼女を庇うように、黒髪を肩まで伸ばし、シルバーのピアスをつけた青年が化死窪喪血を牽制しているが、接近されるのは時間の問題
同時に
己の母親が原因のこれを、どうにかしようとしているのか
化死窪喪血を何とかしようとしている、翼の姿も目に入った
が、翼の契約都市伝説では、化死窪喪血を完全に倒せず…
「………」
…二人の子供の、危機を前に
秀雄を中心に………鋭い殺気が、広がった
秀雄を中心に………鋭い殺気が、広がった
将門の霊圧と
秀雄の殺気と覇気が、混ざり合って
秀雄の殺気と覇気が、混ざり合って
「ルルイエ!?」
「イアクトヴグァ!?」
「ヒギィラメェ!?」
「レモンハオレノヨメー!?」
「コンヤアツスギルンダヨチクショォオオオオ!!!」
「イアクトヴグァ!?」
「ヒギィラメェ!?」
「レモンハオレノヨメー!?」
「コンヤアツスギルンダヨチクショォオオオオ!!!」
数体の、化死窪喪血が
恐怖におののき…………ぼたぼたと、活動を停止し、落ちた
恐怖におののき…………ぼたぼたと、活動を停止し、落ちた
「…さ、さすが将門公…」
「私達も、もの凄い悪寒を感じたけどね…」
「私達も、もの凄い悪寒を感じたけどね…」
望と詩織とノロイを、パワーストーンの結界で護っていた黒服
ようやく、事態が終結を見せて、ほっと息を吐いた
ようやく、事態が終結を見せて、ほっと息を吐いた
まだ、霊圧と覇気から零れ落ちたのか、少し化死窪喪血が残っていた、が
「さすが、将門様!」
翼が、将門に尊敬の眼差しを送り
それに、誠が強烈な嫉妬のオーラを発生させ
…そちらにやられて、落ちた
恐るべし、嫉妬心
祟り神の霊圧やかつて覇王になろうとした男の覇気に、負けてない
…そんな嫉妬心爆発の男の隣で、平然と料理を食べ続けている直希は、肝が据わっているのか単に鈍いのか
それに、誠が強烈な嫉妬のオーラを発生させ
…そちらにやられて、落ちた
恐るべし、嫉妬心
祟り神の霊圧やかつて覇王になろうとした男の覇気に、負けてない
…そんな嫉妬心爆発の男の隣で、平然と料理を食べ続けている直希は、肝が据わっているのか単に鈍いのか
とりあえず
「首塚」の花見会場の平和は、どうやら戻ったらしいのだった
「首塚」の花見会場の平和は、どうやら戻ったらしいのだった
同時刻
キング化死窪喪血を相手にしていた、上田
キング化死窪喪血を相手にしていた、上田
…が
何かが、それに触れた、瞬間
何かが、それに触れた、瞬間
「---っ何!?」
キング化死窪喪血が…一瞬で、破壊された
その姿が粉みじんになって、それが姿を現す
その姿が粉みじんになって、それが姿を現す
「もう、びっくりしちゃった」
ポニーテールが、風に揺れる
明日 晶の能力によって閉じ込められていたはずの、エリカだ
一体、何をしたと言うのか、脱出してきたらしい
明日 晶の能力によって閉じ込められていたはずの、エリカだ
一体、何をしたと言うのか、脱出してきたらしい
「大丈夫?怪我、してない?」
「いや、俺は大丈夫なんだが………晶が…」
「あ、さっきの子?なら、治してあげなくちゃね」
「いや、俺は大丈夫なんだが………晶が…」
「あ、さっきの子?なら、治してあげなくちゃね」
治す?
あんな、猛毒を超えた禍々しい物体を口にしたのだ
サンジェルマンの薬でもないと…
あんな、猛毒を超えた禍々しい物体を口にしたのだ
サンジェルマンの薬でもないと…
「ん~、それと。流石に、これも勿体無いわよね」
と、エリカは上田の様子に気付いた様子もなく
ひょい、とキング化死窪喪血のカケラを……左手で、拾い上げた
ひょい、とキング化死窪喪血のカケラを……左手で、拾い上げた
直後
彼女の左手が、光に包まれる
彼女の左手が、光に包まれる
再び、驚愕する上田
エリカの手の中で………化死窪喪血は、普通の柏餅になっていた
エリカの手の中で………化死窪喪血は、普通の柏餅になっていた
「あー、柏餅だったのね。本来は食べ物になるはずだったんだろうな~、ってのはわかったんだけど、何かまではわからなかったのよね」
「……お前、何者だ……?」
「……お前、何者だ……?」
警戒する上田
閉じ込められたはずの状態から、脱出してきた事
キング化死窪喪血を、一瞬で破壊した事
そして…その禍々しい物体を、本来あるべき姿に戻した
閉じ込められたはずの状態から、脱出してきた事
キング化死窪喪血を、一瞬で破壊した事
そして…その禍々しい物体を、本来あるべき姿に戻した
間違いなく、都市伝説能力
しかし、一体、何の都市伝説だ?
しかし、一体、何の都市伝説だ?
「あら?前に名乗ったでしょ?………「追撃者」よ」
くすくすと、エリカは笑う
すぅ、と両腕を広げて見せた
すぅ、と両腕を広げて見せた
「壊すも治すも、自由自在。それが、私が偶然手に入れた力なの」
一方の手は、創造と再生を
もう一方の手は、慈悲なき破壊を
もう一方の手は、慈悲なき破壊を
それが、玄宗 エリカが契約した都市伝説の能力
マステマとの契約を拒む、人間が契約するには過ぎた力
マステマとの契約を拒む、人間が契約するには過ぎた力
「それで、晶ちゃんはどこにいるの?早く治してあげなくちゃ」
左手を掲げ、そう言うエリカ
…自分は、どうするべきか?
…自分は、どうするべきか?
警戒すべき相手を前に、上田は判断を迫られるのだった
シリアスぶってるけど所詮ギャグですよと言いつつ続くかどうかわかんね