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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - ケモノツキ-g01

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ケモノツキ_幕間 一_橘野家の祈り




「悠司、今日は七夕だぞ。」

 自宅の玄関で悠司の父…真一が開口一番、そんなことを口にした。

「…どうりでこんなものが飾ってあるんだね。」

 悠司が帰ってきて最初に目にしたもの。
 それは、玄関に飾られた悠司の背丈ほどの笹だった。

「ホームセンターで安く売ってたもんでな。せっかくだから短冊、書いてみないか?」
「…うん、じゃあ何か書いてみるよ。」

 わざわざこんなものを用意してくれたのだ、無碍にするのも気が引ける。
 リビングに入ると、既に数枚の短冊と筆がテーブルに用意してあった。

「断らなくてよかった…。」

 キッチンの父に聞こえないように、小さく呟く。
 テーブルの椅子に腰掛け、目を瞑る。

「みんなは何か願い事はある?」
『強くなれ。』
「命令形!?」
『願い事じゃなきゃだめでしょーが、馬鹿犬。』
「じゃあ、ミズキは?」
『えへへー。私は主様がいればそれでいいのっ!』
「願い事は!?」
『私は、主が毎日を無事に過ごせますように、で。』
「トラブル前提の日常!?」

 三者三様、どの願い事(?)も短冊には書きづらい。
 悠司は少々悩んだあげく、筆を手にとって短冊に願い事を書き出す。

『…”家族のみんなが元気でいられますように”、ですか。』
『ざっくりまとめすぎだろ。』
「ダメ…かな?」
『あたしはいいと思うー!』
『私もいい願い事だと思いますよ。』
『別にいいんじゃねーの。』
「うん、ありがとう。じゃあ、早速飾ろうか。」

 短冊の横に置いてあった紐を手に取り、玄関の笹へと向かう。
 適当な位置に短冊を飾り終えると、既に一枚の短冊がつるしてあるのに気づいた。
 おそらく父が先に飾ったのだろうが、笹と同じ緑色だったので気づかなかったのだろう。
 裏向いていたそれをくるりと裏返し、書かれた願い事を読み上げる。

「”家族全員が幸せでありますように”…。」
『似たもの親子ってやつ?』
『この親にしてこの子あり、ですね。』
『蛙の子は蛙、だろ。』

 父親と同じようなことを考えていた。
 その事実に、少しこそばゆい感覚を覚えたが、悪い気はしなかった。

「父さん、余った短冊はどうしたらいい?」
「ああ悪い、もう要らないからゴミ箱に捨てといてくれ。」

 言われたとおりに余った短冊をゴミ箱に捨て、悠司は自分の部屋へと戻った。

*



 短冊を捨てるとき、悠司は気づかなかった。
 ゴミ箱の底に捨てられていた、びりびりに引き裂かれた短冊と
 その中でかろうじて読めた『許し…』という文字に。


ケモノツキ_幕間 一_橘野家の祈り    終】




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