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連載 - ハーメルンの笛吹き-09a

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上田明也の協奏曲Ⅸ~Tomorrow never die もしくは宴は永遠に~


南区のビル街。
「まずは子供達の安全確保、ビルの屋上に子供達を呼んだか?」
「完了です、マスター!他の人達にもハーメルンの笛吹きが出ると噂を流して出来る限り退去して貰ってます。
 まだ逃げてない大人も居ますが見捨てても良いですよね?」
ずいぶんこいつも冷酷になったものだ。
前までは全員逃がすまでは戦おうとしなかっただろう。
「十全だ、これで俺たちの本気が出せる。」
悪魔の旋律が真昼のビル街を蹂躙していた。
目の焦点が定まらない子供達がゾクゾクとビルの頂上に集まってくる。
大人達は正直守りきれないがこれだけで大分被害者を減らせるはずだ。

夢の国、夢の国の王、王といえども今日を懸命に生きる命から夢を奪うことはできない。
 なにより俺が許さない。メル、子供達の安全を確保したら総攻撃に移る。
 今からここが要塞だ。俺たちの力の限りを尽くして奴らを呼び込み、叩きつぶす!
 南区一帯はこのハーメルンの笛吹き男の戦場にしよう!」

拳をぐっとにぎり近くのフェンスを殴りつける。
丁度良く黒いパレードが俺たちの居るビルの下を囲んだ。

――――――ピィィィィィィイイイイイ!!!

自らの存在を示すように、町中に響くような音で笛を吹き鳴らす。
町全体に叫ぶんだ。
かかってこい、化け物共。
上田明也は此処にいる。

「マスター、ビル内部に侵入してきました!」
「パレードの中に子供は?」
「居ます!すでに生きては居ないようです。」
「十全だ。修行の成果、見せてやれ!」

その日、テナントの居ない廃ビルに真っ黒なパレードが殺到し続けるのを一部の人々は見た。
パレードは吸い込まれるように屋内に消えていく。
消えていくが二度と出て来はしない。
完全無欠、上田明也、もしくはハーメルンの笛吹き男の要塞がそこにはあった。

「グヮッ!グワッ!」

ビルの壁を上り、マスコットが一体屋上に辿り着く。
言わずとしれたド●ルドだ。
「着いたか、歪んだ夢の亡霊。貴様に夢の国の住民を名乗る資格はない!」
ド●ルドは左右を見回す。
パレードの人間達が来ていないことを不自然に思っているようだ。

笛を操りながらあのアヒルに宣告する。
「お前の部下か?当分来られないぜ?
 今頃、病にのたうち回って、動けやしない。動けない身体は自然と壁になり貴様らの行軍を阻む。
 夢の国では死人は出ないが……、病人は出るだろ?貴様らが数を集中させればさせるほどこのビルの狭い廊下は一杯になるんだ。
 ハーメルンの笛吹き男が連れて行った子供達は実は簡単に感染する悪性の病だったと言われている。
 一人、子供がいれば病の温床にするのは簡単だったよ。
 それじゃあお前も倒れてろ。
 ただしお前は白雪姫じゃない。
 俺たちの本分、――――――行方不明だ。骨も残さず消化してやる。」

死刑宣告だ。

事態を把握したド●ルドは俺に向き直り、メルの操る鼠にも構わずに飛びかかってくる。
「メル、笛の操作は任せた。俺はこいつに応対する。」

俺は懐から拳銃を引き抜いて10m先のド●ルドに向けてしっかりと構えた。
最初の二発を撃ち込む。
やはり素早く回避された。
銃弾を躱す身体能力からいって接近戦は不利だろう。
かなり近い距離まで迫ってくる。
残り3m程か、拳銃の距離ではない。

「グヮッ!」

恐ろしく鋭い突きを俺に向けて撃ってきた。
横っ飛びに飛ぶと背後のコンクリートの壁に翼が突き刺さる。
ガィン!
砕けたコンクリートの欠片がパラパラと俺の頬を引っ掻いていく。
一撃貰えばお仕舞いだろうが、一撃も貰うつもりはない。
槍の柄を短く切ったような小刀を抜き放つ。
「お披露目だ……、村正・蜻蛉切り!」
その瞬間、誰もが解るような呪いの波動が屋上から広がる。
指先に物凄い痛みが走ると同時に爪から赤い血が滴り落ちた。
だがこの刀ならば一撃でも貰うことはあり得ない。
俺が新しく契約した都市伝説「蜻蛉切り」
サンジェルマン伯爵からのもう一つのプレゼント。
ドナ●ドは一度真っ二つに裂けてもう一度再生する。

真昼の廃ビルの屋上で、二つの影はもう一度交差した。

【上田明也の協奏曲Ⅸ~Tomorrow never die もしくは宴は永遠に~ to be continued】



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