ゆっくりと、日が沈んでいっている
そろそろ、帰りだした花見客もいるのだが………むしろ、彼らにとっては、これからの時間こそが、花見の本番なのかもしれない
そもそも、追加の酒がきたのである、しかも、結構な量
そんな中、宴をやめる理由がどこにある?
そろそろ、帰りだした花見客もいるのだが………むしろ、彼らにとっては、これからの時間こそが、花見の本番なのかもしれない
そもそも、追加の酒がきたのである、しかも、結構な量
そんな中、宴をやめる理由がどこにある?
「ふふぅ、将門様、ごきげぇん」
くすくすと、その女もまた、よい具合にほろ酔いして笑っていた
こんな宴の席に置いても、スーツを纏っているその女性
キャリアウーマン風の出で立ちの彼女、名前を橘 理奈という
「首塚」所属の契約者の一人であり、ハンガーの女幽霊と言う存在と契約している
その存在、ハンガーの女幽霊は、理奈の傍らにふわふわと浮かび、酔い始めている理奈を心配そうに見つめていた
彼女の視線に気付き、理奈はくすくすと笑う
こんな宴の席に置いても、スーツを纏っているその女性
キャリアウーマン風の出で立ちの彼女、名前を橘 理奈という
「首塚」所属の契約者の一人であり、ハンガーの女幽霊と言う存在と契約している
その存在、ハンガーの女幽霊は、理奈の傍らにふわふわと浮かび、酔い始めている理奈を心配そうに見つめていた
彼女の視線に気付き、理奈はくすくすと笑う
「大丈夫よぅ、酔ってないからぁ」
『そ、そう…?』
「このくらいで、酔っ払ったりしないわよぅ」
『そ、そう…?』
「このくらいで、酔っ払ったりしないわよぅ」
…酔っ払いとは、皆、そう言うものなのだが
ハンガーの女幽霊としては、己の契約者の事が心配ではあるのだが……彼女の性格では、大丈夫、といわれてしまえば、それ以上強くは追求できない
せめて、翌日二日酔いで苦しむであろう理奈の看病をするのが精一杯だ
ハンガーの女幽霊としては、己の契約者の事が心配ではあるのだが……彼女の性格では、大丈夫、といわれてしまえば、それ以上強くは追求できない
せめて、翌日二日酔いで苦しむであろう理奈の看病をするのが精一杯だ
当の理奈は、と言えば、そんな自身の契約都市伝説の心配など露知らず
主たる将門の機嫌がよいのを、喜んでいた
主たる将門の機嫌がよいのを、喜んでいた
………彼女にとって、将門こそが全て
将門が楽しければ、彼女も楽しいのだ
将門が楽しければ、彼女も楽しいのだ
…最も
今の、場合
今の、場合
「飯ー!」
「っとと!?お前、もう大丈夫なのか?」
「はらへったー」
「わかったわかった、ちょっと待ってろ、料理適当にとってやるから」
「っとと!?お前、もう大丈夫なのか?」
「はらへったー」
「わかったわかった、ちょっと待ってろ、料理適当にとってやるから」
翼に飛びついてる一年生になったら、とか
それを見て大人気ない嫉妬の炎を燃やしまくっている誠とか
そこにまた将門がちょっかいを出そうとして、大樹から般若のオーラを向けられたりする様子とか
それを見て大人気ない嫉妬の炎を燃やしまくっている誠とか
そこにまた将門がちょっかいを出そうとして、大樹から般若のオーラを向けられたりする様子とか
「……ふふ…………うふふぅ……相変わらず、素敵だわぁ……」
そんな、貴腐人である彼女にとって素敵な事が一杯起きているから、楽しいと言うのもあるのかもしれないあg
妖しげなオーラを漂わせ始めた理奈の様子に、ハンガーの女幽霊はぷるぷる、涙目になって震え始めたのだった
妖しげなオーラを漂わせ始めた理奈の様子に、ハンガーの女幽霊はぷるぷる、涙目になって震え始めたのだった
妖しげなオーラからは、安全圏にいた幸太
父親も来た事で、嬉しいのだろう
うーうー、ご機嫌にお菓子を食べていたのだが
父親も来た事で、嬉しいのだろう
うーうー、ご機嫌にお菓子を食べていたのだが
「……!うー!」
ある、人影を見つけて
ぱぁっ、と表情を輝かせ始めた
すっく、と立ち上がると、敷物から降りて靴を履き、てちてち、そちらに駆け寄っていく
ぱぁっ、と表情を輝かせ始めた
すっく、と立ち上がると、敷物から降りて靴を履き、てちてち、そちらに駆け寄っていく
「うー!お姫様のおねーちゃんー!」
「え………まぁ」
「え………まぁ」
幸太に「お姫様のおねーちゃん」と呼ばれたその女性もまた、幸太に気付いた
うーうーと駆け寄ってくる幸太を、優しく抱きとめ、柔らかく微笑んでくる
うーうーと駆け寄ってくる幸太を、優しく抱きとめ、柔らかく微笑んでくる
「お久しぶりですね」
「うー、久しぶりー!うーうー!」
「うー、久しぶりー!うーうー!」
無邪気に笑う幸太の変わらぬ様子に、女性は和やかな笑みを浮かべた
「おねーちゃんも、お花見に来た?うー??」
「いえ、そう言う訳ではなかったんですけど…」
「いえ、そう言う訳ではなかったんですけど…」
苦笑する女性の様子に、幸太は「うー??」と、首をかしげる
…まさか、久々に学校町に帰って来て、早速迷子になっていたなどと、予測できるわけもない
…まさか、久々に学校町に帰って来て、早速迷子になっていたなどと、予測できるわけもない
「お花見、してるんですか?」
「うー!みんなでお花見ー!おねーちゃんも、一緒にお花見するー?」
「え……いいんですか?」
「うー!みんなでお花見ー!おねーちゃんも、一緒にお花見するー?」
「え……いいんですか?」
首をかしげる女性に
うー!と幸太は元気に答える
うー!と幸太は元気に答える
「将門様のお花見ー!将門様は、敵でなければ歓迎するー!うー!」
将門
…その名前に、彼女の傍にいた存在が、一瞬、敵意交じりの反応を示して
慌てて、女性は答える
…その名前に、彼女の傍にいた存在が、一瞬、敵意交じりの反応を示して
慌てて、女性は答える
「え、えっと……ほ、ホロウさんと相談してから決めますので、ちょっと待っててくださいね?」
「うー!待つー!僕、ちゃんと待つー!うーうー!」
「うー!待つー!僕、ちゃんと待つー!うーうー!」
こそこそと、自身の契約都市伝説であるホロウとの話し合いのため、幸太から少し離れる女性
うーうー、と幸太はご機嫌にその後ろ姿を見つめて
うーうー、と幸太はご機嫌にその後ろ姿を見つめて
------きひひ、と
楽しげに、少し、不気味に笑った
楽しげに、少し、不気味に笑った
「…きひひ……やっぱり、帰って来たんだね…………だって、ここは学校町だもん…契約者であるお姉ちゃんは、やっぱり、ここに引き寄せられるんだよね…………きひひひひひひひひっ」
楽しげに、不気味に笑って
幸太は、女性の後ろ姿を、じっと見詰め続けるのだった
幸太は、女性の後ろ姿を、じっと見詰め続けるのだった
続く??