「なぁ、どうしても、駄目なのか?」
「……あなたも、しつこい人ですね」
「……あなたも、しつこい人ですね」
彼は、小さくため息をついた
金髪のチャラチャラとした服装の青年は彼を壁際に追い詰め、じっと見つめてきている
金髪のチャラチャラとした服装の青年は彼を壁際に追い詰め、じっと見つめてきている
……組織
その今の現状に、不満を持っていない訳ではない
しかし、だからと言って、所詮「組織」と言う都市伝説の一部に過ぎない自分は、組織から離れることなど不可能だ
そうして、自分が存在し続けられる保証はない
…だから
自分は、少しずつでも、内部から組織を修正していきたい
大きくなりすぎた組織
その、非道な部分を少しでも、修正することができればいい
彼は、そう考えていた
その今の現状に、不満を持っていない訳ではない
しかし、だからと言って、所詮「組織」と言う都市伝説の一部に過ぎない自分は、組織から離れることなど不可能だ
そうして、自分が存在し続けられる保証はない
…だから
自分は、少しずつでも、内部から組織を修正していきたい
大きくなりすぎた組織
その、非道な部分を少しでも、修正することができればいい
彼は、そう考えていた
だから
「あなたの誘いに応じる事は、私にはできません」
いくら、この青年が「首塚」組織に自分を誘い入れようとも
自分は、それに応じるつもりはない
応じる事など…不可能なのだ
自分は、それに応じるつもりはない
応じる事など…不可能なのだ
「…あんたは、元人間だろ。都市伝説として生まれた訳じゃねぇだったら、組織から離れても、大丈夫かもしれないじゃねぇか」
しかし、青年も引き下がらない
何が気に入られたのか、この青年は執拗に彼を首塚組織に誘い込もうとしていた
何が気に入られたのか、この青年は執拗に彼を首塚組織に誘い込もうとしていた
…青年にとっては、それが彼への恩返しなのである
組織から見逃してくれたこの黒服への、青年なりの恩返しなのだ
もっとも、それは少々押し付けがましく、強引ではあるが…
組織から見逃してくれたこの黒服への、青年なりの恩返しなのだ
もっとも、それは少々押し付けがましく、強引ではあるが…
「……大丈夫、と言う保証など、どこにも存在しませんよ」
自嘲するように笑い、青年から視線をそらす
そんな保証など、どこにも存在しない
死を恐れる、という感情が多少なりともある自分に、今の組織から抜けられる度胸はないのだ
臆病者と思ったならば、罵ればいい
自分は……所詮、臆病者だ
そんな保証など、どこにも存在しない
死を恐れる、という感情が多少なりともある自分に、今の組織から抜けられる度胸はないのだ
臆病者と思ったならば、罵ればいい
自分は……所詮、臆病者だ
「っ」
つい、と
顎を、捕らえられた
そらした視線を元に戻され、真正面から見つめられる
顎を、捕らえられた
そらした視線を元に戻され、真正面から見つめられる
「だったら!俺が保証してやる。あんたは消えない。組織から抜けても死にやしないっ!もし、組織があんたを消そうとしたら、俺が護ってやる。俺があんたを死なせやしない」
じっと、じっと
見つめてくる視線は、酷く真剣であった
冗談などで言っている訳ではない
青年は青年なりに、至極真面目で、真剣なのだ
見つめてくる視線は、酷く真剣であった
冗談などで言っている訳ではない
青年は青年なりに、至極真面目で、真剣なのだ
ただ、問題は
その言動及び行動であり
その言動及び行動であり
「…何をしているんです?」
かけられた、声
随分と、聞き覚えのある声だ
随分と、聞き覚えのある声だ
「……おや」
「かごめかごめ」の契約者と、「はないちもんめ」の契約者
確か、ルーモアのマスターの葬儀の時も、一緒だった
何だかんだで、一緒に行動している事も多いのだろうか
…そして、気のせいだろうか
「はないちもんめ」の少女が、珍しく何かに動揺しているような様子に見えるのは
確か、ルーモアのマスターの葬儀の時も、一緒だった
何だかんだで、一緒に行動している事も多いのだろうか
…そして、気のせいだろうか
「はないちもんめ」の少女が、珍しく何かに動揺しているような様子に見えるのは
「…人の趣味に口出しはしませんけど。知り合いは選んだ方がいいと思います」
「前半部分の意味はよくわかりませんが。後半部分については全く持ってその通りだと思います」
「前半部分の意味はよくわかりませんが。後半部分については全く持ってその通りだと思います」
かごめかごめの契約者の青年の言葉に、彼はため息交じりに答えた
チャラけた服装の青年は、邪魔者とも言える彼らに対し、やや敵意の篭った視線を向ける
チャラけた服装の青年は、邪魔者とも言える彼らに対し、やや敵意の篭った視線を向ける
「何だよ、お前ら……組織の連中か?」
「……止めなさい」
「……止めなさい」
ぴしゃり
攻撃態勢をとろうとした青年を、止める
こんな場所で戦闘をされては困る
攻撃態勢をとろうとした青年を、止める
こんな場所で戦闘をされては困る
「…行きなさい。あなたとて、子供とは戦闘を行いたくないのでしょう?」
「………っち」
「………っち」
彼の指摘通り、のようである
「首塚」組織の、数少なき規律
「首塚」組織の、数少なき規律
一、女子供、弱キ者ニ手ヲ出スベカラズ
それを、この青年はそのまま護っているのだ
はないちもんめの少女相手に、戦いたくないのだろう
はないちもんめの少女相手に、戦いたくないのだろう
「いいかっ、忘れるなよっ!?俺は、あんたを諦めない。絶対に、あんたをこっちのものにしてやるからな!!」
叫ぶようにそう言って、青年は走り出した
半ば、かごめかごめの契約者を突き飛ばすように走り、大通りに消えていく
半ば、かごめかごめの契約者を突き飛ばすように走り、大通りに消えていく
「っ待て!」
「追う必要性はありません。少なくとも、今現在、組織に対して害ある存在ではありませんから」
「追う必要性はありません。少なくとも、今現在、組織に対して害ある存在ではありませんから」
すたすたと、彼はかごめかごめの契約者とはないちもんめの少女に歩み寄る
…に、しても
今日は、随分と大人しいはないちもんめの契約者
一体、どうしたのやら
…に、しても
今日は、随分と大人しいはないちもんめの契約者
一体、どうしたのやら
「何ですか?あの男は」
「……知り合いです。一応は」
「……知り合いです。一応は」
かごめかごめの契約者の青年に、そう答える
…この青年は、「首塚」組織相手となれば、きっと問答無用で切りかかるだろう
できれば、二人には戦って欲しくない
「首塚」組織に所属しているとは言え、チャラ男は話が通じる青年だ
多分、本人はさっぱりと意図していないだろうが、「首塚」組織の情報をぼろぼろ流出してくれる
…この青年は、「首塚」組織相手となれば、きっと問答無用で切りかかるだろう
できれば、二人には戦って欲しくない
「首塚」組織に所属しているとは言え、チャラ男は話が通じる青年だ
多分、本人はさっぱりと意図していないだろうが、「首塚」組織の情報をぼろぼろ流出してくれる
かごめかごめの契約者と、日焼けマシンの契約者が戦ったとして
どちらも、無傷ですむとは、思えないから
どちらも、無傷ですむとは、思えないから
「…どうか、なさいましたか?」
「え?……ぁ」
「え?……ぁ」
黙ったまま、こちらを見つめてきているはないちもんめの契約者の様子に、首をかしげ、尋ねてみる
しかし、はないちもんめの契約者は、動揺しているように、何も話してはこずに
…何があったと言うのか
悩みがあるのなら、聞いてやりたいのだが…
しかし、はないちもんめの契約者は、動揺しているように、何も話してはこずに
…何があったと言うのか
悩みがあるのなら、聞いてやりたいのだが…
…この日も、また
さらに色々と誤解が生まれたであろう事を
チャラ男も黒服も、カケラも理解はしていない
さらに色々と誤解が生まれたであろう事を
チャラ男も黒服も、カケラも理解はしていない