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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 不良教師と骨と模型-d1

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 それは、GW終了の、その前日の事


「………」

 やや不機嫌に、彼、荒神 秀は中央高校の校長室に向かっていた
 ……何だ、いきなり呼び出しなど
 どうせ、またロクでもない事なのだろう、と考え、ため息をつく

 ただでさえ、都市伝説事件の多い学校町
 そこにおいて、この中央高校は、群を抜いて都市伝説発生率が高い
 何か、都市伝説が生まれやすい、もしくは、惹きつけ易い条件でも整っているのだろうか
 原因があり、どうにかできると言うのなら、どうにかしてほしいところだ

 かつかつと足音を立て、校長室の前に辿り着く
 ノックもせず、ぞんざいに扉を開けると

「おや、来たね」
「…?荒神先生?」

 …校長の、他に
 先客がいた

 高元道男
 この春に中央高校にやってきた、国語教師だ
 秀よりは年上だが、秀と比べれば小柄で…言っては悪いが、どちらかと言えばうだつの上がらない風貌だ
 だが、教師の鑑とも言える人物であると、この短い期間で理解できるような、そんな人物
 …その高元が、自分と同時に呼び出されていたらしい事に、秀は眉をひそめる

「………何の用件だ」

 校長相手とは思えぬ口調で、秀は校長である出道に尋ねる
 そんな秀のぞんざいな対応など全く意に介さず、出道は笑った

「まぁ、そう警戒しないで。今回は、君にとってもいい話だから」
「…今回「は」、か」

 いつもは、悪い話だと言う自覚が、一応はあったのか
 秀は小さくため息をつき、出道を睨むように見据える

「あの、校長先生?荒神先生も。これは、一体…」

 一人、高元が、話に付いていけずに困惑している
 にこりと、出道はそんな高元に、どこか胡散臭さすら感じる笑顔を向けた

「あぁ、高元先生、そう緊張なさらず……何、用件は簡単なことです」

 す、と
 真っ直ぐに、出道の視線が、高元を射抜く

「まずは、単刀直入に………高元先生も、都市伝説契約者になりましたね?」
「………え?」

 出道の言葉に、高元がきょとんとした表情を浮かべた
 …それは、事実を突然、言い当てられた驚きと…高元「も」と言う、他にも都市伝説契約者がいるような言い方のせいだろう
 きょとんとしている高元に、出道は続ける

「私も、ちょっとした都市伝説と契約していましてね。わかるんですよ、校内の都市伝説契約者が」

 …そうだ、出道の契約都市伝説は、この中央高校内において、あらゆる面で強力な力を持つ
 中央高校内の都市伝説や契約者を把握する事くらい、簡単なことだろう
 だからこそ、秀もまた即座に契約者である事が見破られたのだ

「いやぁ、生徒の契約者は多いのですが、教師の中では、荒神君以外ほとんど契約者がいないものだから。助かりますよ。契約者が増えると言うのは」

 にっこりと
 それはもう、胡散臭く笑う出道
 す、と出道の手が、秀を指す

「こちらの荒神君も、高元先生と同じ、都市伝説契約者ですよ」
「……荒神先生も?」

 高元が、出道の言葉に、秀に視線を向ける
 その視線に、かすかに居心地の悪さを感じながら、秀はため息をついた

「…一応、契約者だ………校長、その話をする為だけに、俺を呼んだのか?」
「まぁまぁ。話はそれだけではないから。少し、待っていてね」

 …どうでもいいが、先ほどから、出道は秀相手と高元相手とで、話し方が違う
 まぁ、高元の方が年上であるのだし、秀は出道に対し敬意も何も払っていないぞんざいな対応である故、これで充分なのかもしれないが

「…さて、高元先生。教師であり、都市伝説契約者であるあなたに、お願いがあります」
「お願い、ですか?」
「えぇ…場所のせいなのか何のせいなのか。この学校は、都市伝説の発生率が異常に高いのです…都市伝説がただでさえ多い、この学校町においても」

 ですから、と
 出道は、ゆっくりと続ける

「…高元先生にも。この学校の敷地内に現れる都市伝説から…生徒達を、護ってほしいのです。今までは荒神君と、事情を知っているとある生徒に任せていましたが…彼らだけに、負担を背負わせる訳にもいきませんから」

 …ならば、お前ももう少し、その契約都市伝説の力を役立てろと言うのだ
 ……ある程度、出道が能力を使っているからこそ、少しは都市伝説の発生率が下がっている事は知っているが
 だが、その気になれば、もっとできるだろうに
 秀からの無言の抗議の視線を、出道はさらりと無視してくる

「どうでしょう、高元先生。お願いできるでしょうか?……もし、あなたが何か、契約都市伝説に関する事で困った事や問題がありましたら、出来る限り協力しますが」
「…困ったことや問題、ですか…」

 ……やや、視線を遠くする高元
 どうやら、何か問題があるらしい
 それがまさか食費の問題であるとは、秀は予想もしないのだが

 出道は、にこにこと高元を見つめ続けている
 ……この男も、これから色々と巻き込まれていくのだろう、と
 秀はほんの少しだけ、高元に同情したのだった





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