「………どうだ?天地、体の具合は」
「…いえ、その。特に何も…」
「…いえ、その。特に何も…」
ふむ、と
天地の様子に、男は思案した表情を浮かべる
白衣を着て、眼帯を身につけた男性だ
白衣の下には黒いスーツを着ており…腰には、古めかしい、しかし、立派な装飾が施された鞘に収められた剣を下げている
全体的に、酷くちぐはぐな印象を受ける服装だ
天地の様子に、男は思案した表情を浮かべる
白衣を着て、眼帯を身につけた男性だ
白衣の下には黒いスーツを着ており…腰には、古めかしい、しかし、立派な装飾が施された鞘に収められた剣を下げている
全体的に、酷くちぐはぐな印象を受ける服装だ
そんな男の、その思案した表情に、天地はやや不安そうな表情を浮かべる
「……先生?」
天地に声をかけられて
先生と呼ばれたその男は、顔をあげた
先生と呼ばれたその男は、顔をあげた
「…あぁ、そう、不安そうな顔をするな。すぐに薬の効果が出る訳でもないからな」
つ、と天地の腕を取る男
…特別、接近戦闘訓練を受けた訳でもない天地の腕は、平均的な男性と比べれば、若干、細い
その筋肉の付きを確かめるように、触っていく
するすると、腕だけではなく、天地の体全体の筋肉の具合を確かめるよう、指先は動いていく
…特別、接近戦闘訓練を受けた訳でもない天地の腕は、平均的な男性と比べれば、若干、細い
その筋肉の付きを確かめるように、触っていく
するすると、腕だけではなく、天地の体全体の筋肉の具合を確かめるよう、指先は動いていく
「この程度の体付きならば、効果が出れば…………」
「………」
「………」
なにやらぶつぶつと呟く男を、天地はじっと見つめる
…天地にとって、彼は尊敬すべき相手であり、心酔している相手だ
無条件で信用しており、何をされても抵抗しない
先ほど、どこか禍々しい色の薬剤を注射された時でさえ、一瞬、気分の悪さを覚えつつも、何も抵抗しなかった
しばし、天地の体に触れた後…男は、手を離した
…天地にとって、彼は尊敬すべき相手であり、心酔している相手だ
無条件で信用しており、何をされても抵抗しない
先ほど、どこか禍々しい色の薬剤を注射された時でさえ、一瞬、気分の悪さを覚えつつも、何も抵抗しなかった
しばし、天地の体に触れた後…男は、手を離した
「まぁ、いい。しばらく様子見だな。三日後に、また来よう」
「ぁ…は、はい」
「私が来るまでに、何か体調に変化がおきたら、すぐに連絡するように。お前の体にあわせて調合はしたが、副作用がでないとも限らん」
「ぁ…は、はい」
「私が来るまでに、何か体調に変化がおきたら、すぐに連絡するように。お前の体にあわせて調合はしたが、副作用がでないとも限らん」
わかりました、と素直に頷く天地
従順な様子に、男は笑う
従順な様子に、男は笑う
「…全く、お前は素直でいいな……H-No.96とは、大違いだ」
男の、その呟きに
天地は、ややむっとした表情で、答える
天地は、ややむっとした表情で、答える
「当たり前です。俺は、あんな裏切り者とは、違います」
「あぁ、そうだな…全く、H-No.96がお前ほどに従順であったならば、研究ももっと進んだというのに……H-No.360め、余計な事を」
「あぁ、そうだな…全く、H-No.96がお前ほどに従順であったならば、研究ももっと進んだというのに……H-No.360め、余計な事を」
男の呟きに、天地はやや嫉妬のようなものを覚える
自分が尊敬している相手が、自分よりも、あの裏切り者を気にかけている事実
…あちらの方が、優れているかのように言う、その様子に
……自分が、あの裏切り者よりも劣っているのだと、突きつけられたように感じてしまう
自分が尊敬している相手が、自分よりも、あの裏切り者を気にかけている事実
…あちらの方が、優れているかのように言う、その様子に
……自分が、あの裏切り者よりも劣っているのだと、突きつけられたように感じてしまう
「天地」
「あ、は、はいっ」
「あ、は、はいっ」
名前を呼ばれ、弾かれたように顔をあげる天地
男は笑い、まるで子供にするように、天地の頭を撫でた
男は笑い、まるで子供にするように、天地の頭を撫でた
「お前は優秀だ。穏健派の連中にとられてさえいなければ、私の部下に迎えたかったのだがな」
「…俺も、先生の部下が、良かったです」
「…俺も、先生の部下が、良かったです」
天地の言葉に、男は笑う
天地に気付かれぬよう………邪悪な笑みを、浮かべる
天地に気付かれぬよう………邪悪な笑みを、浮かべる
天地はそれに気付かない
自分が、実験動物として扱われている事に
自分が、実験動物として扱われている事に
己が、この男にとって、捨て駒同然の道具である事に
天地は、まだ、気付かぬままだ
to be … ?