…それは、校長室でのやり取りが、大分落ち着いた頃
「………」
校長の出道が…何か、感じ取ったように、顔をあげて、窓の外へと視線をやった
そのわずかな動きに…この男の契約都市伝説による能力を把握している荒神は、軽く嫌な予感を覚える
そのわずかな動きに…この男の契約都市伝説による能力を把握している荒神は、軽く嫌な予感を覚える
「どうした?」
「…校舎の敷地外ではあるけど…近い、場所で。都市伝説同士が戦っているみたいだね」
「…校舎の敷地外ではあるけど…近い、場所で。都市伝説同士が戦っているみたいだね」
その言葉に、反応したのは高元だ
校舎の敷地外
もしかしたら、八尺様が、何かと戦っているのでは?
そう、感づいたのだ
校舎の敷地外
もしかしたら、八尺様が、何かと戦っているのでは?
そう、感づいたのだ
そんな高元の反応に、気付いているのかいないのか
校長は、ふむ、と考えて
校長は、ふむ、と考えて
「異空間内で戦ってくれてはいるみたいだけど…休み中とは言え、万が一そこを生徒が通らないとも限らないしね…」
じ、と
校長が、三人に視線を移した
…嫌な予感は、的中だ
校長が、三人に視線を移した
…嫌な予感は、的中だ
「荒神君。高元先生に、君の都市伝説を紹介する、いい機会かもしれないよ?」
それは、つまり
その戦いに、首を突っ込め、と言う事か
荒神は小さくため息をつきながら…白衣の内側から、タバコの箱を取り出した
その戦いに、首を突っ込め、と言う事か
荒神は小さくため息をつきながら…白衣の内側から、タバコの箱を取り出した
何かを殴り飛ばす音が響く
何かを蹴り飛ばす音が響く
何かを蹴り飛ばす音が響く
トン、カラ、トン
トン、トン、カラ、トン
トン、カラ、トン
トン、トン、カラ、トン
トン、カラ、トン
歌うような、不気味な声が響く
「ぼっ……ぼぼっ………まだ湧き出おるか……っ」
どれだけ殴り殺しても
どれだけ、蹴り殺しても
どれだけ、蹴り殺しても
まだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだ
いくらでも、いくらでも湧き出てくるトンカラトン
恐らくは、全国的に存在するトンカラトンの中でも、かなり力が強い部類なのではないのだろうか
もしくは、学校町に存在する、他のトンカラトンまで招き寄せてしまっているのか…
数の暴力、というものを、これでもかと言うほど、見せ付けてくる
いくらでも、いくらでも湧き出てくるトンカラトン
恐らくは、全国的に存在するトンカラトンの中でも、かなり力が強い部類なのではないのだろうか
もしくは、学校町に存在する、他のトンカラトンまで招き寄せてしまっているのか…
数の暴力、というものを、これでもかと言うほど、見せ付けてくる
「トン、トッン、トントン、トン、カラ、トン………」
片手に釘バットを持った、全身赤黒い包帯塗れの姿のトンカラトンが、自転車に乗って迫ってくる
歌う声は、まるで地獄の底から響いてきているような、暗い、暗い、不気味な声
歌う声は、まるで地獄の底から響いてきているような、暗い、暗い、不気味な声
「-----っし!!」
八尺様の拳が、そのトンカラトンを殴り飛した
しかし
しかし
「…トンカラトンと、言えーーーーっ!!」
「---っ!」
「---っ!」
その、背後に、隠れるようにして迫ってきていた…キックボードに乗った、子供のような大きさの、トンカラトンが
手に持った刃を、八尺様に向けて突き出してきて
手に持った刃を、八尺様に向けて突き出してきて
その刃が、八尺様の心臓めがけて迫ってきて…
「八尺様!!」
耳に、飛び込んできた声
…己の、契約者の声だ
…己の、契約者の声だ
何故
入り込めぬはずの、この場所に?
入り込めぬはずの、この場所に?
直後、何かが、胴体に巻きついて……ぐい!!と、後方に引き寄せられた
突き出された刀の先が、空を切り
それを、八尺様の前に踊り出た何者かが、叩き飛ばす
突き出された刀の先が、空を切り
それを、八尺様の前に踊り出た何者かが、叩き飛ばす
「っぼ……」
「八尺様!ご無事ですか!?」
「八尺様!ご無事ですか!?」
声の方向を見れば…そこにいたは、確かに、己の契約者
他の者が入り込めぬはずの、その異空間に………穴が、あいていて
どうやら、そこから入り込んだらしかった
他の者が入り込めぬはずの、その異空間に………穴が、あいていて
どうやら、そこから入り込んだらしかった
そして
自分に巻きつき、引き寄せ、トンカラトンの攻撃から救ってくれたそれに、八尺様は視線を落とす
自分に巻きつき、引き寄せ、トンカラトンの攻撃から救ってくれたそれに、八尺様は視線を落とす
……びくんびくん、と脈打っている、それは
人間の、腸に見えた
人間の、腸に見えた
『ご無事でっかー、お姉さん』
ぬい、と
八尺様の顔を覗き込んできた、顔は
顔の半分の皮膚がなく、その下の筋繊維が剥き出しになった、不気味な事この上ない顔で
八尺様の顔を覗き込んできた、顔は
顔の半分の皮膚がなく、その下の筋繊維が剥き出しになった、不気味な事この上ない顔で
がごっ!
『あだっ!?』
あまりの不気味さに、咄嗟に八尺様が殴り飛ばすよりも、前に
見知らぬ誰かが、先手を打ってそれを蹴り飛ばした
その拍子に、八尺様に巻きついていた腸も離れる
見知らぬ誰かが、先手を打ってそれを蹴り飛ばした
その拍子に、八尺様に巻きついていた腸も離れる
『何するんでっか、旦那』
「いいから、お前も向こうの相手をしてこい。うざい」
「いいから、お前も向こうの相手をしてこい。うざい」
白衣の男は、その不気味な物体…人体模型に、容赦なくそう言いはなった
ほいさー、と人体模型が向かう先では、骨格標本が、トンカラトンを相手に、刃に変えた骨で戦っている
ほいさー、と人体模型が向かう先では、骨格標本が、トンカラトンを相手に、刃に変えた骨で戦っている
高元が、慌てて八尺様に駆け寄ってきた
心配そうに、その姿を見つめる
心配そうに、その姿を見つめる
「八尺様、お怪我を…」
「……っぼぼ…この程度、どうと言う事ないわ……それより、何故、この場所に……」
「……っぼぼ…この程度、どうと言う事ないわ……それより、何故、この場所に……」
あの穴は、何だ?
するり、その穴から、褐色肌の青年が姿を現し…べちゃ、とやや無様に転んでいる様子が見えた
その後ろに、さらに人影が見えて…どうやら、それがこの異空間に、穴をあけたらしかった
するり、その穴から、褐色肌の青年が姿を現し…べちゃ、とやや無様に転んでいる様子が見えた
その後ろに、さらに人影が見えて…どうやら、それがこの異空間に、穴をあけたらしかった
がしゃん!がしゃん!!
トンカラトン達が乗っていた乗り物が、次々と投げ出されていく
八尺様と違い、疲労が蓄積していない骨格標本と人体模型が、次々とトンカラトンを倒していっているのだろう
トンカラトン達が乗っていた乗り物が、次々と投げ出されていく
八尺様と違い、疲労が蓄積していない骨格標本と人体模型が、次々とトンカラトンを倒していっているのだろう
「…こやつらは?」
「あの、私の同僚と……同僚が契約しています、都市伝説です」
「あの、私の同僚と……同僚が契約しています、都市伝説です」
高元の言葉に、八尺様は、人体模型を蹴り飛ばした白衣の男…荒神に視線をやった
荒神はタバコを咥え、冷たく、トンカラトンの集団を睨みつけている
荒神はタバコを咥え、冷たく、トンカラトンの集団を睨みつけている
「……数が、多いな」
「…え、えっと…ディーデリヒに、戦うのも、手伝ってもらった方が、いい……?」
「…え、えっと…ディーデリヒに、戦うのも、手伝ってもらった方が、いい……?」
褐色肌の青年…ディランが、恐る恐る荒神に尋ねた
ぐしゃり
荒神が、タバコを握りつぶした
ぐしゃり
荒神が、タバコを握りつぶした
「…いざという時まで、必要ないだろ…………数が多いのなら、全滅するまで、叩き潰せばいいだけだ」
to be … ?