「……起きたのか」
ジャッカロープを連れた辰也が部屋に入った時、その青年は、目を覚ましていた
……警戒している様子が、伝わってくる
同時に、こちらの顔を見て………かすかに、眉を潜めたのも、見えた
……警戒している様子が、伝わってくる
同時に、こちらの顔を見て………かすかに、眉を潜めたのも、見えた
「…H-No.96…?」
青年のその呟きに……辰也は、表情を暗くした
やはり、「組織」の者にとっては……自分は、「H-No.96」でしかないのか
やはり、「組織」の者にとっては……自分は、「H-No.96」でしかないのか
「………それは、俺の名前じゃない」
無駄だと知りつつ、暗く呟く
すると、青年は痛みに顔をしかめながらも
すると、青年は痛みに顔をしかめながらも
「…あぁ、そうか……広瀬、辰也……だったか?」
と、そう返してきた
広瀬 辰也
宏也から与えられた、その名前だけが
己の唯一の、人間らしい、名前
宏也から与えられた、その名前だけが
己の唯一の、人間らしい、名前
そうだよ、と呟くように返し、部屋に入る辰也
青年が警戒を強めたのを見て、ジャッカロープを床に降ろす
青年が警戒を強めたのを見て、ジャッカロープを床に降ろす
「…警戒するな、お前が敵対しないのならば、俺達はお前を害さない」
「……お前は…確か、マッドガッサー達の一味に加わっていたはず…じゃあ、ここは…」
「俺達が住みかにしている教会だ……「教会」とは関係ないからな?」
「……お前は…確か、マッドガッサー達の一味に加わっていたはず…じゃあ、ここは…」
「俺達が住みかにしている教会だ……「教会」とは関係ないからな?」
あそこは、マリや魔女の一撃……ロレーナと敵対している組織だ
あんな場所とは、自分達は繋がりは持っていない
あんな場所とは、自分達は繋がりは持っていない
「とりあえず、まだ寝ていろ。ジャッカロープの乳で簡単な治癒はしたし、お前は都市伝説だから治りは早いだろうが。それでも、まだまともに動ける状態じゃないだろ」
「……何故、俺を助けたんだ。お前達は、「組織」とは敵対しているだろう?」
「………出来る事なら、関わり合いたくなかったよ」
「……何故、俺を助けたんだ。お前達は、「組織」とは敵対しているだろう?」
「………出来る事なら、関わり合いたくなかったよ」
ため息をつきながら、青年に近づく
警戒しているそれをお構いなしに……身体能力強化剤で強化されている分の腕力を引き出し、寝台放り投げた
ジャッカロープがその体を追いかけて寝台に飛び乗り、ぴすぴすと鼻を鳴らして近づいていっている
警戒しているそれをお構いなしに……身体能力強化剤で強化されている分の腕力を引き出し、寝台放り投げた
ジャッカロープがその体を追いかけて寝台に飛び乗り、ぴすぴすと鼻を鳴らして近づいていっている
「…恵が助けたいって言ったんだから、仕方ないだろ」
自分が、この、明らかに「組織」所属であろう青年を助けることを決めたのは、恵が助けたいと言ったから
……それが、一番大きな理由だ
できれば、「組織」の……H-No.1の情報が手に入れば、もっといいのだが…
……それが、一番大きな理由だ
できれば、「組織」の……H-No.1の情報が手に入れば、もっといいのだが…
「ジャッカロープ、精製できたか?」
辰也の言葉に、ジャッカロープがぴ!と前脚をあげて答える
万能薬の乳が精製できたのだろう
それを搾り出してコップにでも入れようとすると……ジャッカロープの能力を理解しているのだろう、やや、複雑そうな表情をする
万能薬の乳が精製できたのだろう
それを搾り出してコップにでも入れようとすると……ジャッカロープの能力を理解しているのだろう、やや、複雑そうな表情をする
「……贅沢だとは思うんだが、他の治療薬は、ないか…?」
「ロレーナの作った治療薬ならあるぞ。深緑色とどす紫色をいったりきたりする奇妙な色をしていやがるうえ、目に染みる刺激臭がする飲み薬だが」
「……………」
「ロレーナの作った治療薬ならあるぞ。深緑色とどす紫色をいったりきたりする奇妙な色をしていやがるうえ、目に染みる刺激臭がする飲み薬だが」
「……………」
ジャッカロープの乳が入ったコップを、大人しく受け取る青年
…そりゃ、そんな奇妙極まりないもの、飲みたくはないだろう
冗談ではなく、本当にそんな物だから困る
ロレーナは、いい加減まともな治療薬を作れないものなのか
…そりゃ、そんな奇妙極まりないもの、飲みたくはないだろう
冗談ではなく、本当にそんな物だから困る
ロレーナは、いい加減まともな治療薬を作れないものなのか
「…そうだ。俺の持ち物に、黒い筒状の物はなかったか?」
「レーザーメスだろう?壊れていたから、信頼のおける相手に修理に出しておいた。明日には修理が済むと言っていた」
「………そうか」
「レーザーメスだろう?壊れていたから、信頼のおける相手に修理に出しておいた。明日には修理が済むと言っていた」
「………そうか」
ジャッカロープの乳を飲み……少し、体の痛みが落ち着いたのだろう
青年の顔色が、少しは良くなった
…冷静な考え方ができるようになってきたのだろうか
やや、考え込むような表情を浮かべ始める
青年の顔色が、少しは良くなった
…冷静な考え方ができるようになってきたのだろうか
やや、考え込むような表情を浮かべ始める
「…用があるなら、そこに鈴置いてあるから、それでも鳴らせ。誰かしら聞きつけてどうにかする」
「……すまない。俺を助けても、リスクが増すだけだろうに」
「……どうせ、俺達は元々あっちこっちから狙われている状態だ。もっとも、同盟を組んだ相手も多いがな」
「……すまない。俺を助けても、リスクが増すだけだろうに」
「……どうせ、俺達は元々あっちこっちから狙われている状態だ。もっとも、同盟を組んだ相手も多いがな」
ジャッカロープを摘み上げ、部屋から出ようとする
…その、辰也に
青年は、声をかけた
…その、辰也に
青年は、声をかけた
「…広瀬 辰也。お前は……ハンニバル・ヘースティングスを、知っているな?」
……ピタリ
足を、止める辰也
その辰也を見上げて…ジャッカロープが、まるで知らない人物でも見たように、首を傾げた
足を、止める辰也
その辰也を見上げて…ジャッカロープが、まるで知らない人物でも見たように、首を傾げた
「……H-No.1の事なら、知っている………もし、お前がそいつの事を知っているのなら、今のあいつの情報を聞き出したいところだ」
青年に、背を向けたまま
辰也は、たっぷりの憎悪が篭った声で……言い切る
辰也は、たっぷりの憎悪が篭った声で……言い切る
「あいつは、俺が殺す。誰にも譲りゃしねぇよ」
……最大の、復讐相手
たとえ、宏也にだって、譲ってやるものか
たとえ、宏也にだって、譲ってやるものか
かすかに殺意を纏ったまま、辰也は部屋を後にしたのだった
to be … ?