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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - ドクター-87

最終更新:

Elfriede

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ドクター87


とん、とん、と
大きなマンホールの蓋の上で飛び跳ねる一人の少女
「さーん……さーん」
既に三人の犠牲者を暗く深い穴の底に落とした少女は、次の獲物を待って飛び跳ね続ける
だがマンホールの下に落とされた犠牲者がどうなったかは、少女は全く知らない
「さーん」
マンホールを蹴って真上に跳んだ、その瞬間
本来は誘い込まれた犠牲者がそうした時に、彼女がそうするように
マンホールの蓋が真横にするりと動き
「さ、ん?」
少女の足元にはぽっかりと開いた黒い穴
その中にひしめく数人の男達が、少女の身体をがっしりと捕える
「ひっ……!?」
足を、腕を掴まれてそのまま暗い暗い穴の中に引き摺り込まれる少女
澱んだ空気と下水の臭いが入り混じった体臭の男達は、少女をがっちり捕まえたままずるずると下へ下へと這いずるように降りていき
僅かな落下感と共に、どぶりと下水の流れる底へと降り立った
「ウエ、マダアッタ」
「ミツケタ、ミツケタ」
「ソト、アブナイ」
「テ、トドイタ」
「ヨカッタ、ヨカッタ」
ゲブゲブと不気味な音を立てて笑う男達と、その笑い声を聞きつけてきたのか、ランプのようなものを提げた大小様々な人間達が下水を掻き分けて集まってくる
手にしたランプは人間の頭蓋を加工したもので、手にした武器はそれもまた鋭利に削られた人間の骨
「ココデ、ミツケタ、オオキイ、ニンゲン、ミッツ」
「ウエデ、ツカマエタ、チイサイ、ニンゲン、ヒトツ」
「オオキイ、ワニ、ツカマエタ、カワ、シロイ、キレイ」
「ネズミ、タクサン、タクサン」
担がれたり引き摺られたり様々に運ばれているのは、少女が先だってここへ落とした三人の大人達
その目には既に生気は無く、頭や鼻、首筋からだらだらと赤黒い血が滴っていた
女性のものだろう長い髪の毛で編まれた網袋には潰れかけたネズミが大量に詰まっており
人間など丸呑みにしてしまいそうな巨大な白ワニは、頭部や喉元を滅多刺しにされて下水の中を引き摺られていた
「ママ、ヨロコブ」
「コドモタチ、ヨロコブ」
「フク、タクサン」
「サイフ、カネ、イッパイ」
「ニク、オイシイ」
「ホネ、ベンリ」
「コレ、オンナ? コドモ、フエル?」
「チイサイ、ムリ」
「タベル、オイシイ」
片言でありながら、これからやるであろう事を明確に語る人間達
「ツマミグイ、ダメ」
「ママ、オコル」
「アバレル、コロス」
「アバレナイ、シンセン」
「タベル、マエ、コロス」
「ハコブ、ハコブ」
「キョウ、カリ、オワリ」
恐怖で震える少女と、物言わぬ大人三人と動物達の骸を嬉しそうに運んでいく不気味な集団
「ワスレテタ」
「ワスレテタ?」
「フタ、シメテナイ」
「カクレテル、ミツカル、コマル」
「ミツケラレル、ゼンブコロス、ゼンブタベル」
「イッパイ、タベキレナイ」
「クロイヤツ、クル、コマル」
「シメテクル」
「イソゲ」
「イソゲ」
やがて開け放しだったマンホールの蓋は、内側からずるずると閉められ
そして、誰も居なくなった

―――

『組織』の資料室で、長椅子に転がって報告書を眺めているπ-No.0と、その上に乗っかってごろごろしてるπ-No.1
「うーん、この町って海とかないよね?」
「しーさいどー」
「内陸だし山もあるけど洞窟とかがあったら、可能性は高いんだよなぁ」
「ぼうくうごー」
「ああ、そういうのもあるかもね」
もそもそと動き回り纏わりついてくるπ-No.1の頭を撫で抱き寄せる
「僕らが隠してない、大量の行方不明事件があれば一発なんだけど。この町は普通に多いからなぁ」
「みっしんぐー」
「あいつら、僕らほどじゃないけど隠れるの上手いからね。現場を押さえないとまず探知できないし」
「すてるすー」
「5人以下が相手じゃないと絶対に襲わない……だけど数で圧倒しないと奴らは倒せない。居場所を突き止めて、400人の兵隊で追い詰めるのが正式な討伐の仕方だしなぁ」
「すぱるたー」
「映画のあれは300人だね。まあ、あいつらがこの町に居るかどうかもわからないし」
「わんだりんぐー」
「海外からの連絡も待たなきゃいけないし、しばらくは隠れてサボれないかなぁ」
「さぼたーじゅー」
π-No.0は報告書をまとめてファイルに戻し、元あった棚へ丁寧に収める
周囲の黒服達に存在を一切気が付かせないまま、二人はのんびりと資料室を後にした

―――

それから程なくして、π-No.0の携帯に一通のメールが届く
その内容は簡潔だった

『ソニー・ビーン一家』は現在日本国内にて発生中
場所は学校町のけ゛

そこで無理矢理送信し中途半端になったメールを送った携帯電話は、薄暗い灯かりが揺れる下水道の一角に沈んでいた
そして、その持ち主は今
「ミツカッタ」
「デモ、ツカマエタ」
使い込まれた薄汚い鍋の中で
「コレデ、バレナイ」
「ゼンブ、ハラノナカ」
じっくりと柔らかく煮込まれていた


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