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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - ドクター-88

最終更新:

Elfriede

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ドクター88


「俺が囮になるのに何の問題があるってんだ」
「乙女を危険に晒すわけにはいかんと言ってるだろ」
「かといってこのまま放置もできんし、他の女性を囮にするのはお前だって納得できんだろうが」
「むぅ……」
なんだかんだで剥かれた少女達が水着を取り戻し、状況が落ち着いた折
水中に潜む何者かをおびき寄せるために、自らが囮になろうと水辺へ向かったパスカルと、それを止めようとするヘンリーの言い争いが続いていた
「別にボクが囮になっても良いのだが」
「私も構いませんよ?」
と、ドクターとトライレスも至極当然と名乗り出ていたが
白兵戦ができるわけでもなく能力も物騒という事で、パスカルとヘンリー両者の一致で却下されている
「何度も言うが、俺は『MI6』の所属で相応の仕事があるわけだからな? この先、一生お前がくっついて守るわけにもいかないんだぞ」
「そんな事は無い。俺は約束した以上、一生を、この身命を賭してそれを果たすつもりだ」
「それでお前に何かあったら、結局俺の命が危ねぇんだよ!?」
その背後で、流れるプールの水がやや不自然に揺らぐ
水中に潜む『それ』は、水の流れを操る以上の力を以ってそれを成し遂げる
《己の求めるものへの情熱を全うし、散っていった仲間の想いが! そしてもっと夏を堪能したかったという無念が! この僕を強くする!》
《いや、あいつら別に死んでないから。勝手に散らすなよ》
やけに燃え上がる巨乳好きの水霊に、横から冷めた調子でツッコミを入れる貧乳好きの水霊
《仲間を偲ぶ僕の熱い友情に水を注すなよ》
《いや熱とか僕達の弱点だから。そもそも水が僕達の力だから》
そう言って貧乳好きの水霊は、肩だから何処だかよくわからない部位をぽんぽんと叩く
《僕達にそんな建前は不要だって。もっと素直になっても誰も文句は言わないよ、友達じゃないか》
《そうか……だったら、僕も素直にこの胸の内を、力の源を解放しよう!》
今までは流れを操るだけだった水が、まるで意思を持ったようにうねり持ち上がり、本来の水面より遥か高くに持ち上がる
《手を伸ばせば届かないものなんて無いんだ! この手に掴もう、夢を! そしてあの素敵なおっぱいを!》
「何だっ!?」
「先生、離れて!」
巨大な一本の腕のように伸ばされた水は、プールサイドで作戦会議をしていたパスカルとドクターを的確に狙い、絡め取るようにして水中に引き摺り込んだ
《おっぱい! おっぱい! 水着の拘束からも重力からも解き放たれて、たわわに揺れるおっきいおっぱい!》
歓喜の声を上げて二人を水中に飲み込み、その姿を巻き込んだ細かい空気の泡せ遮る水霊
「パスカル!」
すぐにプールサイドに駆け寄るヘンリーだが、二人は文字通り波に攫われるように一気に押し流されて行ってしまった
そして、残ったトライレスにも別の水流が襲い掛かる
「私は自分でどうにかできますから、あの子達をお願いしますね」
ヘンリーにそう言い残し、トライレスもまた水中に引きずり込まれる
《僕はロリには興味は無いけど貧乳好き。つまり……ロリババアならいける!》
その言葉に返されたのは、柔らかな笑顔
突然水中に引きずり込まれたにも関わらず、その様子は落ち着き払っていた
彼女は魔女狩り経験者であり、何度も水の底に沈められたため水が嫌いだった
だが、嫌いであっても幾度もあった経験は、彼女に慣れを与えている
声を出せない水中で、トライレスの唇が音を出さずに妖しく蠢く
《ロリはいいけど、ババアとか言ったわね?》
笑顔のまま彼女の指先が、声がした方へと向けられる
水の中に見える僅かな存在感を捉えたそこへ、ばぐんと『鉄の処女』が喰らいつく
《びっくりした!? でも切ったり刺したりは僕らには効かないよ!》
《それでも、水ごと捕まえる事はできたでしょう?》
唇の動きと表情が、トライレスの言葉を水霊に伝え
慌てて『鉄の処女』の隙間から外へ逃れようとする水霊
だがそれよりも早くトライレスがちょいと指先を動かすと、鋼の鎖が『鉄の処女』を絡め取り水中から放り出していた
放物線を描いて空を舞った物騒な代物は、ごすんと重たい音を立ててプールサイドにそそり立った
「さて、と」
さぱりとプールから這い上がったトライレスは、『鉄の処女』に閉じ込められている水霊に優しく告げる
「私はこんな拷問具を操る他に、様々なガスを精製できるの」
《そ、そうなんですか》
「水と反応して高熱を発するガスと、酸素と反応して高熱を発するガス、どっちで熱して欲しい?」
《どっちもパスっていうのは》
「じゃあ両方で♪」
それからしばらく後
「そういえば、あの子達大丈夫かしらね? あの男の子が追いかけていったみたいだけど」
焼けたハマグリのように開いた『鉄の処女』の中で、もうもうと湯気を立てながらぐつぐつと煮られた貧乳好きの水霊がぐったりとしている傍らで
「さて、あっちの二人は大丈夫かしら?」
巻き込まれた二人を信頼しているのか、それとも後を任せたヘンリーを信頼しているのか
あまり心配した様子も見せずのんびりと、茹っていく水霊を眺めながら微笑んでいた


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